各々の一週間後・後編
宿屋の外の長椅子に座りララファルとユウムとビスガスは話をしていたが……。
ここはアクロマスグの宿屋の外側だ。宿屋の近くにある木の長椅子にはララファルとユウムとビスガスが座り話をしている。
「結局……みつからなかったな」
「ララファル、ギルドでも言ってたけど。師匠は依頼を受けて戻っていないって」
「グレイフェズのことだ。問題ねえと思うが」
三人は一週間、依頼を熟しながらグレイフェズが仕事を終えて戻ってくるのを待っていた。
「どうする……もう少し待ってみるか?」
「オレは大丈夫だけど」
「どっちでもいいぞ」
二人の意思を確認するとララファルは、もう少しグレイフェズを待つことにする。
そして三人は暫く話をしたあと、ギルドへと向かった。
――場所はドラゴウイッシュ国にある名もなき草原に移る――
名もなき草原は大陸カリスワイブの中央付近にあり鉱山の町エルベアスクとルドリアの森の間にあるのだ。
周囲には草花が生い茂り風になびき涼し気である。
空の雲は少し風が強いせいか速く移動し見え隠れしていた。
この場所には現在、清美とフウルリスクとサクリスが居て龍神バウギロスの使者のくるのを待っている。
「まだ来ていません。少し早かったのでしょうか?」
「そうかもしれませんが……目印も何もない、こんな草原を待ち合わせ場所に指定するなんてあり得ないです」
「本当だな……まさか違う所で待っているってことはないよな?」
そう言いサクリスは周囲を見回した。
「それは考えられます。そうだとしたら待たせていることになりますね」
「どうしたら……でも何処に居るかも分かりませんし」
どうしたらいいのか分からなくなり清美は涙目になる。
「動かない方がいいでしょう。ですが待っているだけと云うのも違いますね」
「オレが探しに行ってこようか?」
「行くのはいいですが。ドラゴナードという種族を知っているのですか?」
そう問われサクリスは首を横に振った。
「仕方ありませんね。私が探してきます」
「フウル……」
「大丈夫ですよ……キヨミ。サクリス、ここで一緒に待機していてください」
「ああ……問題ねえ。お前に何かあったら、キヨミをもらっておくから安心しろ!」
それを聞き清美とフウルリスクは苦笑し額から汗が流れ落ちる。
その後フウルリスクは龍神の使者を探しに向かい、その後ろ姿を清美とサクリスが見送っていた。
▼△★△▼☆▼△
場所は移り、アクロマスグのティハイドの屋敷の外側だ。
ここには、グレイフェズが居て地面に荷物を置き中身を確認している。
(忘れ物はないな。異空間には身につけていた装備とか必要がないものを入れておいたし大丈夫だ)
そんなことを考えながらカロムがくるのを待っていた。
あれからグレイフェズは毎日のように体を鍛え上げる。そして途中から実践を模した訓練を交えた。
そのためか以前よりも筋肉が付き引き締まっていて惚れ惚れするほどの肉体美に仕上がっているようだ。
まだかと思いグレイフェズは、まわりを見回している。
(予定よりも遅くないか?)
待ち合わせ時間になってもカロムの姿がみえず心配していた。
すると荷物を抱えカロムが、コッチに向かって来ている。
それに気づきグレイフェズは、ホット胸を撫で下ろし安心した。
「遅くなり申し訳ありません。屋敷を出る前に少し揉めごとが起こりまして」
「揉めごとって……大丈夫なのか?」
「はい……全て片付けて来ましたので」
カロムの表情が何時もよりも、イキイキしているようにみえグレイフェズは怪訝そうな表情をしている。
「そ、それならよかったです」
「クスッ、さて行きましょうか。荷物を持ってください」
そう言われグレイフェズは荷物を持った。
その後カロムは、グレイフェズに自分の手を掴むように伝える。
そう指示されてグレイフェズはカロムの手を掴んだ。
それを確認するとカロムは転移のペンダントに触れた。
そのあと脳裏にバルギジアの町のティハイドの別荘を思い浮かべる。
そして、それと同時にグレイフェズとカロムは残像と共に消えたのだった。
読んで頂きありがとうございますo(^_-)O
『今日はルイさんをお食事にでも誘いましょう』…byムドル
『ムドル……ルイならば、グレイと森に向かったのじゃ』…byメーメル
『メーメル様! なぜルイさんを引きとめなかったのですか?』…byムドル
『なぜ妾がとめなければならぬのじゃ?』…byメーメル
『σ(^_^;)そ、それは……』…byムドル
という事で次話もよろしくお願いします(*´꒳`*)






