各々の一週間後・前編
泪はバルギジアの町の何処かの牢でメーメルと話をしていると……。
……――一週間が経過した。
そして各々の経過などなど……。
泪とメーメルは数ヶ所の町や村を経由して、ここバルギジアの町に来ていた。
二人は現在、牢の中にいる。手と足は拘束されたままだ。だけど目隠しと口を塞いでいた布は取られていてない。
それと泪とメーメルは一緒の牢に入れられている。
「メーメル……私たちって、これからどうなるの?」
「オークションか奴隷として売られるかもしれぬのじゃ」
「そっか……こんなんじゃ、そのことを調べたくてもできないよね」
俯き泪は悩んだ。
「そのことなら大丈夫だと思うのじゃ」
「どういう事?」
「誰とは言えぬのじゃが――……」
誰とも言わずにメーメルは忍者服の男から聞いたことを泪に話す。
「じゃあ何かあったら指輪に念じれば誰かが助けに来てくれるんだね」
「そういう事なのじゃ。但しある程度のことが分かってからと言っておった」
それを聞き泪は頷き更にメーメルから話を聞いた。
――場所は移り、バルギジアの町にあるティハイドの別荘――
この屋敷内には別棟が建っている。その建物は、かなり小さい。まあ護衛や御者が寝泊りできればいいぐらいにつくられているから仕方ないのだろう。
この建物は小さいながら五部屋もあるのだ。そして各部屋にはムドルとベルべスクと御者の男性がいる。
因みにムドルとベルべスクは一緒の部屋だ。
なぜかと云うと何かあった時のためすぐ動けるようにである。
そして、ここはムドルとベルべスクの部屋だ。二人は椅子に座り話をしている。
「かなりのスピードで、ここまで来たせいか吐きそうです」
「ムドル、お前でも馬車酔いするんだな」
「お前でも……って。私は繊細なのですよ」
それを聞きベルべスクは、ジト目でムドルをみた。
「繊細って……まあ、そういう事にしておくか。それよりも護衛なのに、こんな所でノンビリしていて大丈夫なのか?」
「さあ……どうなのでしょう。恐らくは出歩いてほしくない、という事だと思いますよ」
「なるほどなぁ……」
そう言いながらベルべスクはベッドの上に寝ているトラットへ視線を向ける。
「そのお陰か、トラットをベッドに寝かせられたけどな」
「そうですね。ここには監視するような魔道具もありませんし」
「そういう事だ。部屋で何をやってても構わねえってことなんだろう」
その後もムドルとベルべスクは、やることがなく暇で部屋で話をしていた。
▼△★△▼☆▼△
ここはチクトス国のバールドア城。そして執務室だ。
執務室には国王カルゼア、大臣クベイル、神官カイルディ、クレファス、レグノス、キャリーの六人が椅子に座りテーブルを囲んで話をしている。
「いよいよ今日ですね。聖地に赴けるなんて嬉しい限りです」
「カイルディ……嬉しいと言いつつ顔が笑っておらんぞ」
「そうでしょうか? それならば緊張しているせいかもしれません」
目を細めカイルディは無理に笑顔を作ろうとした。
本当はサイアル城に行きたくないのではないかと思えるほどである。
って言うか前々からカイルディは何かを隠しているように思える態度をとっていた。
それにティハイドとも何か接点があるような素振りもみせている。
それに過去でセフィルディと云う先祖がサイアル城に居たことも何か関係しているのではないのだろうか。
そう思える要素が見え隠れしている状況だ。まあ、それらは誰も気づいていないのだが。
いや泪は何かあるかもしれないと思っているかもしれない。だが、それでも思っているだけだ。
「うむ……行きたかったが。流石に国を離れることはできぬ」
「勿論です! 王が不在となっては国は成り立ちません」
「そうだな……」
正論をクレファスに言われカルゼアは、ハーっと溜息をついた。
その後カイルディ、クレファス、レグノス、キャリーの四人は話をしたあと執務室を出てサイアル城に赴く準備のため広場へと急いだ。
それを確認するとカルゼアとクベイルは広場がみえる二階の広いテラスへと向かった。
読んで頂きありがとうございます(^^♪
『今日こそは森でレベルをもっと上げるんだからね!』…by泪
『張り切ってるのはいいが……バッグに大量のムリゴを入れて歩けるのか?』…byグレイフェズ
『( ̄▽ ̄;)重いです……( _ _)ノ|』…by泪
『┑( ̄Д  ̄;)┍……』…byグレイフェズ
と、いう事で次話もよろしくお願いします(*^^)v






