表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/8

訂正

「それじゃソラさん、お元気で」


「キミもな。ああ、そういえばさ」


 モービルに乗り込み、モーターを起動させた青年に、私は言葉を掛けた。


「私さ、こう見えて割と厚顔なんだよ」


「割と……?」


「いちいち細かいなキミは! ん、ともかく、そこそこ厚かましいんだ。だから、キミやその子孫を束縛したくなくて、“別に来なくてもいいから”なんて……殊勝なことは言わない」


「ええ」


「大いに楽しみにして、待ってる。ぜひ来てくれ」


「もちろんです。今度こそ……一緒に行きましょう」


「ああ……あ、それともう一つ」


 大事なことを言い忘れるところだった。


「先祖の過ちはキミが正してくれ」


「と、言いますと?」


「コーヒーショップにいるのは、可憐な美少女だと、そう子々孫々には伝えてくれ」


 青年は破顔したあと、答えた。


「承りました。伝えておきますよ。気が遠くなるほどの長生きなくせに、キザなセリフを口にすると顔を赤らめてしまうような、意外と可愛げのある可憐な美少女、って」


「……!!」


 声にならない私の抗議を受け流し、青年はモービルを浮上させる。私は諦めて、数歩後ずさった。


 あっという間に空に消えていくモービルを見送って、私は店へと入った。


 さて、2000年後が楽しみだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ