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4/4

崩壊

※一部残酷な描写があります。

苦手な人は♦の下から読んでください。

「どうしたの?!」

私は階段へと駆け付けた。


次の瞬間、私の眼に恐ろしい光景が飛び込んだ。


慧美の体の、ありとあらゆる関節が、すべて反対に折れていたのだ。慧美は白目をむき、口から泡を吹いていた。


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁあぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


「だから行っちゃダメって言ったのに。」

ゆみちゃんがそう言ってこっちを見つめている。


「慧美が・・・慧美がぁあ・・・っ!!!」

逃げたいのに体が思うように動かない。






♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

「あーあ、これは殺すしかないね。」

ゆう君は表情一つ変えずに、包丁を持ちこっちへ一歩ずつ近付いてくる。


「助けて!だれか・・・・だれか!!!!」

そう言いたくても、絞り出した様な声しか出ない。


「ゆう、この人は殺さないであげよう?」

ゆみちゃんがゆう君を止めた。


「でも、ゆみ・・・。」

ゆう君が振り上げていた包丁をおろした。


「このお姉ちゃんは優しいよ?だから・・・ね・・・・?」

ゆみちゃんはこの場に釣り合わない笑顔で言った。


「じゃあ・・・・。」

そう言ってゆう君は包丁を手から離した。


そのすきに、私は玄関を飛び出した。

・・・・・逃げなきゃ、逃げなきゃ・・・!!ただそれだけを考えて。





4年後、


「菜摘、様子はどう?」

母がお茶を飲みながら言った。


「うん、順調!順調!」


「菜摘、名前はどうする?男か女か、まだ分からないけど」

夫の祐二が嬉しそうに話している。


「それにしても、旅行から帰ったら菜摘が記憶喪失になっていて、あの時はどうなるかと思ったが、祐二君と結婚して、おまけに子宝にも恵まれるなんて、いやぁ、本当によかった。」

と父。


「本当ねぇ、もうあれから4年も経ったのね。でも本当に、何事もなくてよかったわ。」

母が続けて言う。


そう、私は4年前より昔の記憶が無いのだ。それまでのことが、何一つ思い出せない。


――それから10ヶ月後、陣痛がきた。


私は激しい痛みをこらえて、無事に赤ちゃんを産むことができた。


「よく頑張ったな、菜摘。」

祐二が手を握り締めて私に言った。


「二人とも無事に生まれたぞ!」


「そう、よかっ――・・・」

何かが一瞬、私の頭に浮かんだ。


「でも、男二人じゃなくて、男と女だから、名前は唯と唯美だな。」


何故だかわからない、とてつもない恐怖に襲われた。

そう、まるで、4年前の――・・・・・・。



『・・・!!!!』



「どうした、菜摘。」


「どちらもかわいらしい赤ちゃんですよ」

看護婦さんがそう言いながら赤ちゃんを抱いてきた。


「おい、菜摘!」


言いようのない恐怖の波が押し寄せる。


横を見ると、赤ちゃんを抱いた看護婦が、笑顔でこういった。

「ほら、お母さん、可愛い赤ちゃんですよ。きれいな黒髪をしてますねー。男の子のほうは・・・お父さんに似たのかな?髪の毛がくりくりですよ、どっちも本当に可愛い顔立ちで―――・・・・・」





あの時の少女の言葉を思い出した。

――その言葉の意味が・・・・、今わかった。

『このお姉ちゃんは優しいよ。だから・・・ね・・・?』



―――私たちのお母さんになってもらおうよ。








すいません;かなりぐだぐだで・・・・。

いまいちな終わり方になってしまいましたね(汗)

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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