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過去

・・・どういうこと・・・?


私はゆう君の言葉を聞いた時、とても嫌な予感がした。


私の中の危険信号が点滅している。


――逃げなきゃヤバい・・・。


直感的にそう思った。



「慧美、逃げよう!何かやばいよ・・・!」


慧美に囁くようにそう言ったが、慧美は全く聞いていない。


「何言ってるの?大丈夫だって・・・。嘘だよ絶対。」

慧美は笑いながらそう言っている。


「じゃあ、最後は僕が鬼になるね。」

ゆう君は笑顔でそう言った。さっきのことはまるで嘘だったかのように明るい。


「じゃあやろう!」

ゆみちゃんがそう言った。


私は今すぐにでも逃げ出したかったが、なぜか家をすぐに出ようとは思わなかった。


結局、私たちはゆう君を鬼にして、もう一度かくれんぼをすることになった。





――どうやら慧美は二階へ隠れたらしい。

私とゆみちゃんは一階の和室の押し入れの中に隠れた。


しばらく沈黙が続いた。

「・・・ゆみちゃんは、ゆう君と仲良しだね。」


私は、何とかこの沈黙を破ろうと口を開いた。


「うん!ゆうはいつも優しいんだ!」

ゆみちゃんはとてもうれしそうに言う。


「ゆうがね、いつもゆみのこと助けてくれたの。」


「助けてくれた・・・?」


「そう!ゆみがいじめられててもね、いっつもゆうが助けてくれたの。」


「そっか・・・。優しいんだね。ゆう君は。」

私は笑顔でそう言った。


「うん!!自慢のお兄ちゃんだよ!」


「でもね・・・。」

突然、ゆみちゃんが顔を曇らせた。


「ゆうがね、ゆみを守ろうとしてくれるんだけどね、何か最近へんなんだ・・・。」


「変?」


「うん・・・。なんかこわい。昔はすごく優しかったのに・・・。」


「・・・・」

不安が大きくなる。やっぱり危険だ・・・!!


「ゆみはね・・・。昔ね、おっきなおうちにすんでたの。ほんとにおーっきかったんだよ!でもね、パパとママがね交通事故で死んじゃったの。ゆみとゆうだけが残されたんだ。」

ゆみちゃんは悲しそうな顔をした。


「それでね、親戚のひとのおうちにすむことになったの。でも、そこの人は意地悪でね、パパとママのお家も物もお金もぜんぶ自分たちのものにしちゃったの。」


「うん・・・・。」

とてもかわいそうだと思った。まだこんなに小さい女の子がこんなつらい人生を歩んできたなんて。


「それにね、その人たちはゆみとゆうをいつもいじめるの。ゆみはいつもいじめられて泣いてばかりだった。そのうち、その人たちはパパ達の財産を使い果たしてお金が無くなったの。まだこどもも二人ゆみたちの他にいたから、ゆみたちを捨てようとしたの。」


「ひどい・・・!」

私は思わずそう呟いた。


「でね、ゆうが・・・・・」

そう言いって、ゆみちゃんは口を噤んだ。


「ゆうくんが・・・、どうしたの・・・?」

私は聞いてはいけないような気がした。けれども気づいた時には口から勝手に言葉が出ていた。


「みんなころしちゃったの。おじさんも、おばさんも、あのこどもも。」

ゆみちゃんは抑揚のない声でそういった。


「ゆみたちはね、怖くなって逃げたの。にげてにげて・・・でもね、食べるものも何にもなくて、二人とも死んじゃった・・・。」


「じゃあやっぱり・・・。」

幽霊なんだ・・・。


「うん。でもね、お姉ちゃんは優しいからね、なにもしないよ。他の人はみんなゆみたちを怖いとかいって追い出そうとするけど、お姉ちゃんたちはそんなことしないもの。」

ゆみちゃんは笑顔でそう言った。


「そっか・・・。」

いつ逃げようか・・・。

「なにもしない」その言葉が頭の中でぐるぐる回る。

危ない・・・。このままじゃ・・・。



―――ぎゃぁぁぁああぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁああぁぁぁぁあああぁ


断末魔の叫びが響いた。


「?!」

私は急いで押入れを飛び出した。

「まって!!お姉ちゃん!」


ゆみちゃんに背後から呼び止められたが、私は気にせず声がした方へ走った。



思った以上に長くなって・・・。

すいません;

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