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校舎裏へ集合〜前〜

ブックマークありがとうございます!

すごく嬉しいです!



切りが悪いかもですけど、ここで一旦区切ります。


「はぁ…はぁ…はぁ…」


………ひとつ言い訳をさせて欲しい。

俺は決して女の子のフィギュアのスカートを覗いているやら可愛い女の子をみて興奮している変態ではない。……そう、変態ではないのだ!だからそんな冷たい目でみないで!お願いします!



………え?なら何故こんなに息が上がってるのかって?聞いてくれるの?なんだ、なんだかんだ優しいじゃないか。……()のいじけた姿を見てもキモいだけ?うるせー、そんなの俺も分かってるよ。


こほん、まあ理由は簡単だよ。ホームルームの終了のチャイムとともにダッシュで、処刑場(校舎裏)まで全速力で走ってきたからだ。

あの赤紙を貰った昼休み以降、俺の態度は明らかにおかしかったらしく、俺としては普通に過ごしているつもりが、周りからみたらかなりの挙動不審ぶりを発揮していたとか。

珍しく食事を共にした友人に本気で心配されてしまった。

でも仕方ないだろう。だってあんな俺の人生を捻り潰そうと笑顔でウインクなんかされてみろ?例え相手が美少女でも震えるだろ?ガクブルだぜ?

それからはまあ、午後の授業は上の空でホームルームが終わり次第急いで来たわけだ。嫌な事は早々に片付けるに限るからな。

そんな俺は普段から嫌な事は出来るだけ早く終わらせる様心がけている。夏休みの宿題だって1週間で終わらせている。優秀だろ?夏休みの最終日に異性の幼馴染が「しょうがないなー、もう」とか言いながら面倒見てくれるのは漫画の世界か都市伝説でしかありえないと思っている。……いや、むしろ俺の幼馴染は逆に積極的に俺に宿題を集り?に来ている。あれ?おかしいな?よくよく見直してみれば条件は満たしているな?でもなぜかちっともリア充感がないぞ?


まあ俺も幼馴染がそう来るたびに自分でしろよ等小言を全力で言ってるんだが、そんな俺の様子関係なく幼馴染がマイペースに、にへらと笑ってありがとうって言われたら途端何も言えなくなるまでがいつもの流れだ。


しかし、幼馴染もそうだが巫に対しても思うことがあった訳だが、あのウインクで諸々全部飛んでってた訳で……。




ほんと美人(可愛い)ってずるい…。













そんな、現実逃避とも言える事をしながら待ち人が来るのを待っていたら(来ないなら来ない方が嬉しかったけど)人の気配が近付いてくるのに気が付き、諦めてそちらへと振り返る。


その人物も俺がいるのに気が付いたのか、小走りに俺の方へとかけて来た。



「…ごめん、待ったかな?」


そう言って、走ってきた息を整える為なのか、両手を膝に付き、上目遣いで俺を見上げてくる。


ブラウンの髪をハーフアップにし、腰まである髪は腰まで緩やかなウェーブを描いている。瞳は髪と同じ薄い色素のブラウンは少し垂れ気味で慈愛の色を放つ。急いで来たせいか、今はその白磁の様なその頬を薄く桃色に染めている。端的に言って天使。端的に言わなくても美人。うん、俺の語彙力ではこれ以外のものが浮かばねぇ……。



「い、いや…俺も今来たところ」



「そっか〜。良かった…」


俺が何も言わない事に不安を覚えたのか少し目が潤みだしたのを見た俺は慌てて返答を返した。

すると先程まで不安そうにこちらを見上げていた顔は、しかし俺の言葉でその表情は安堵の笑みへと変化させていった。



いやいや、普通に流しかけたけど、これなに?

まるでデートの待ち合わせみたいじゃん!

え?俺これからデートするの?目的地は天国??いや、既にここは天国か???(混乱中)


そんな混乱の極みの中、それでも目的を思い出した俺は巫に声をかけ・・・


「「あの……あっ!」」


・・・て見たのだが、如何やら向こうも同じ様に思ったのか声が被ってしまった。


「あーと、そちらから?どうぞ?」


「い、いえいえ……上定君からど、どうぞ?」




「「…………」」



2人謎の譲り合いの末、沈黙が訪れた件について。

今すぐ携帯を開き某サイトの知恵袋で助けを求めたい衝動に駆られたが、今それはやってはダメだと我慢する。

……そもそも、呼び出されたのは俺なので大人しく巫が喋り出すのを待てばいいかと思いつき、彼女が喋り出すまで彼女(美少女)の様子を窺う事にした。


巫はさっきのが余程気まずくなったのか視線を忙しく左右上下に彷徨わせ、一向に落ち着く気配がない。その様子は美少女と言うこともありとても可愛らしい。何というかいつまででも見てられる風景だ。


そんな風に自分が呼び出された経緯などすっかり忘れて穏やかな気持ちで彼女を見ていたら顔をこちらに向けた彼女とふと視線が合わさった。


「〜〜〜っ!?」


……と思ったら声にならない声を上げ、また勢いよく視線を逸らされてしまった。


(え?そんなに俺の事嫌いなの?そういやここにも脅す様に呼び出されたんだっけか?え??なにすごく悲しいんですけど…。

あれ?でもよく見たら顔どころか、耳まで真っ赤だな?さっきまでのとは明らかに違う感じするし…まさか体調が悪いのか?)


「…なあ、もしかして体調悪いのか?」


「ふぇ!?な、なななんで?私全然元気だよ!?」


心配になって声を掛けると巫は奇声を発した後、動揺しながらもそれを否定した。まあ確かによく見ると体調悪そうには見えないな。…ただ顔が赤いだけで。


「そ、それより。ここに来てくれたって事はあのメモ読んでくれたってことだよね?」


「…もちろん」


巫がここに呼び出した事を思い出した様に慌てて喋り出した。どうやら目的を思い出したようだ。

俺も改めてそれと対峙する時が来たと、少し緊張してしまった為か幾分か返事が雑になってしまったのだが…


ぼそっ(そんな不機嫌そうに答えなくても…)


「?どうした?」


「ううん、何でもないよ」


一瞬不満げな表情を見せ何かを呟いたが、俺が聞き返した時にはいつも教室で見せているエンジェルスマイルの彼女へと戻っていた。

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