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ー3ー5/4/3
良く物語で荒廃した地球って出てくるじゃないですか。
そこで、例えばアンドロイドがまだ動いてて何十年前の命令を未だに遂行してたり、例えば少年少女がその世界で生活してたりってのが鉄板だと思うんです。
でもそういうの見るたび私は、壊れかけのアンドロイドならエラーで動けないんじゃないかとか、なんで地球外に出ようとしないんだろうとか思ってたわけなんですよ。
いやいや答えは分かりますよ?
キャラクターたちそれぞれの思いがあるから。そっちの方が物語的に唆るから。機械や少年少女にはそんな知識も技術も無いから。etc……
そんな理由があって地球から出ない出れないなんてのは分かってるんです。
でもそうじゃなくってもっとっこう……なんて言うのかな……努力しましたみたいな。努力してみたけどダメでしたみたいなね?そういうなんか過去というか描写?みたいなのあっても良いじゃないですか。伝わってますかね?
そんな描写も無しに当たり前の様に過ごしてるのが理解し難かったんです。
まぁきっとその不思議で何かありそうな世界観にみんな魅了されるんでしょうけど。事実私もそのうちの一人ですし。
今までそう思っていたんです。そういうものなんだって。
でも最近ようやく理解できました。いや、理解できましたっていうと先人の方々に大変失礼にあたるのでここは、ようやく理解し始めましたって言うのが一番正しいんでしょうね。
どうせ言ってても何も分かんないと思うので、取り敢えずちょっと前の……ああ、いや地球の長い歴史から考えるとってだけで、史実としては数百年か前の話からさせてもらいます。
あ!そんな畏って長い話は書くつもりはないので肩の力を抜いてください…
そうですねぇ、細かい日時は忘れたんですけど、だいたい4、500年近く前だったかな?のことらしいんですけど……
当時科学者、研究者たちは地球について調べるうち徐々に地球が太陽から遠ざかってることに気がついたわけですよ。
その事実から色々議論した結果太陽滅亡より先に地球が人間の住めない様な永久凍土になってしまうのではないかという結論に至ったわけです。
実際はそうならずに再び地球は太陽に近づいて行ったわけですけど。
当時はそんなこと知る由もないわけですから、各国の政府が手を結び、科学者、研究者たちをかき集めて予算を大幅に割り振り、宇宙研究、そして宇宙進出の為に全力を尽くしました。
その甲斐もあり、なんと地球と同じ様な環境下の惑星を発見しました。
しかし欠点があったのです。それは片道だけで何十万年とかかるということでした。
でも、それでも地球よりは安定した星であると結論づけられ、政府はこれを第二地球と名付けて、早速探索機及び探索隊を送ろうとしたのですが、何せ片道だけで何万年とかかるわけですから戻ってくる頃にはみんな死んでしまってましたなんてオチになっては元も子もありません。
ですから希望者の中から2、30代を優先して送り出し逐次報告を受け様子を見ながら若者優先で第二陣第三陣を送り出していきました。
ああでも、無差別にってわけじゃ無かったみたいですよ?ちゃんとしたテストや検査があったみたいです。そりゃそうですよね。だって無差別になんてしたら宇宙船の中が世紀末になっちゃいますから。
そうして何十年もかけた壮大なプロジェクトが始まりました。
まぁ、開始時こそうまくいってましたが、何せ計画が計画ですしあまり良い顔をしない人たちもいたわけですよ。
いろんな学会やら反政府やら何やらが突っかかってきましてね。それ自体はこの計画じゃなくても起こりうるものなんで問題視はされてなかったんですけど、いや……こう……ね、なんと言いますか。それに感化された人たちがですね。スケールの違いがあれど国内から海外への引っ越しみたいな部分もありますから、愛着ある土地から離れる寂寥感からか、知らない土地に対する恐怖感からか、あるいは両方かもしれないですけど……自分達は嫌だと駄々をこね初めましてね。
そいつがだいぶ厄介で予定してた探査の大半が行えなくなり、仕方ないので先発した人たちの仕事割りを増やしたは良いものの、専門の検査を受けた者が居らず元々割り振られてた仕事が大幅に遅延。その積み重なりがストレスとなり各船内では、2人の口喧嘩から始まり、殴り合いが起き、止めに入ってもなかなか治らない事態に、止めに入った人間がイライラし出して3人の取っ組み合いに発展し、終いには殺しが起きるというまさに阿鼻叫喚、地獄絵図といった感じになって連絡途絶。
これ以上の探査はまずいということで残った船員には休養という形で仕事を辞めさせ、あまり探査が進んでいない不安定な状況で計画は続行。それ以降どうなったかは地球から出た者のみぞ知るところとなったわけです。
とまぁ、経緯を説明してみたわけですけど。
取り敢えず何が言いたいかと言うとですね。
ご多分に漏れず500年近く前に一度地球人は終わってるんですよ。