積まれた壁
燃えゆくあの壁の果てに
見知らぬ花が一輪
水を求めることも無く
土を知ろうとすることも無く
ただひたすらに居場所を探す
その壁に隠れた見えない山にも
見知らぬ草木がぼうぼうと茂っている
ただ私はそれを知ることも無く
確かめようとすることも無く
ただひたすらに壁の前で途方に暮れる
歩けば道ができると信じ
歩き続けてきたものの
後ろにはただの草木が生い茂るだけ
まだ見ぬ一輪の花を
もしかしたらもう見ることも出来ない花を
探したり
失念したり
幻想の中に見出したり
それを浮かべて無意識の笑みを浮かべる
そんな日々の前に
積まれた壁も不敵の笑みを浮かべて
私を見下ろす