001.居酒屋スタートの異世界転移
読みづらにかもしれませんもっと勉強します。
「いただきました」
それにしてもここの世界の住人はこうもみんな優しいのだろうか?どこの馬の骨とも知らない人間を家に招き入れるだけではなく食事までさせてくれる。
これが現実世界ならとハジメは思った。
食事を下げてくれた彼女はまたさっきの席に着くとハジメに質問をする。
「トウキョウという国から来たってことはやっぱり冒険者様なのですか?」
「いえ、自分は・・・」
このまま他の世界から来たことを話してもいいのだろうか、そんな疑問が頭をよぎった。確かに言っても問題なさそうだが、ラノベなどで見る限りあまりいい結末が見えてこない。
考えているうちに彼女が気を利かしてかフォーローを入れる。
「もしかして記憶が無いとか?」
「えぇ」
彼女は人の顔を伺うのが得意なようだった。きっと気が利く情勢なのだろう。すっかりその場に身を任せてしまった。
しかしこれからどうしたことか、何をすればいいかもわからないここを一刻も出たいのは山々だがここを出てって生きていける自信がない。
「記憶が無いのでしたら、うちに少しの間身を置かれてはいかがですか?」
「いいのですか?」
「えぇ早速、祖父に掛け合って見ます。今日はここでお休みください。お店が終わったらまた来ますね」
「ありがとうございます」
ここ、お店だったんだ。ここの人はほんとに優しいな、ほんとうはこんなに甘えるのはいけないことなのだろうが今はお言葉に甘えよう。
それから時間がたちその日の夕方、再度扉がノックさせる。
「アスカハジメさん、ちょっと下に・・・」
ミーチェは扉の隙間から顔を少しのぞかせながら手を招く。
扉の外を出るとすぐそこに階段があった。階段を降りるとそこには長い廊下があり扉がいくつか並ぶ、そこから一番奥に行くとそのまま店内につながっていた。店内は雰囲気あるバーの感じだ。机はまだらに置かれ中央にはカウンターがある。他にはランタンが壁にかかって居たり、机においてあったりと本当に異世界に転移したと身を持って感じるほどに雰囲気がある。カウンターに一人ぽつんと立っている老人が居た。老人の顔にはシワがたくさんあり頭にはバンダナ、そして方から足にかけてエプロンをしている。
「おぁ起きたか、ミーチェから話は少しじゃが聞いた、まぁそこに座りなや」
老人はカウンターの中から手を向け座るように促す。ハジメが着席すると彼は、奥からお酒を出した。
「でこれからのことじゃが・・・」
老人とはいろいろはなした。記憶喪失のこと、知らないうちに口に装備品?がつけられていること。そしてわかったことがある。まずこの老人の名前は、ログ、訳あって今はミーチェとともに店をやっているそうだ。
そしてこれからのことだが、なんとログさんは少しの間、ここで働くことを条件に宿と飯を提供してくれるようだ、他には装備品に関しても聞いてみたがそれらしい情報は手に入らなかった。
そして次の日、
早速、仕事に取り掛かる、まずは掃除から、ほうきで店内を掃除する。途中、柄の悪いお客さん同士で喧嘩をして木製のジョッキを投げ酒をこぼし掃除をはじめからするはめになったがこれも難なくこなす。こればっかりは、コンビニバイト持ち前の忍耐力で乗り切ったと言えるだろう。
しかし驚いたことに昨日はあんなにも優しかったログさんが柄の悪いお客さんを前にして怒鳴っている。意外と軸のしっかりした人だ。
そして数日が立つと今度は料理を教わった。交互に教わったが、ミーチェさんのときは優しく教えてくれたのだがログさんはやさしいながらもどこか厳しい指導だった。そこで知ったことなのだがこの世界の料理は、腐るまでの時間がきっちり決まっているようだ。逆に言えばそれまでは、温度等は気にしなくてのいいらしい。ちなみに時間は、料理が作り終わるまでの時間や食材の切り口のなめらかさで決まってくるらしい。ログさんは2日、3日ぐらいが最高らしく、俺は最近やっと1時間くらい持つようになったところだ。味は少しだが時間に関係してるそうだ。
この世界にもだんだんと慣れてきた気がする。掃除に料理、接客も安定して来ている。2日に一回来てくれる、ギルド総合管理局でメクリアさん、彼女は最近、一気に忙しくなって、昼食に毎日来てくれる。彼女いわく弁当も作れないとのことだ、そして近くで装備を取り扱う店をやっているマグネスのおっさん、彼は持ち前のハゲ頭の硬さが自慢らしい。そんな感じで最近は、割と楽しくやっている。もちろん目的を忘れたわけじゃないけど、これも情報収取の一貫ということで。
そしてもう仕事を初めてから一ヶ月が経とうとした頃、赤髪で白に金の装飾がついた制服を来ているメクリアさんがたわいの無いいつもの会話にふと質問を投げかけてきた。
「で、君は記憶なしの金無なわけだけど、これからどうするつもり?ここで料理人でもしちゃうの?」
「お店も慣れてきたけどまだまだわからないことだらけですよ。」
「そういえば君の口に付いてるそれ、僕も見たことの無い形だけど武器なのかな?」
「さぁ今のところはまだなんにも」
「まぁもしよければ、何だけど冒険者の研修会みたいなのがあるんだ、出てみない?もしかしたらそれも武器として扱えるようになるかもよ?」
彼女は机に頭をくけながらつかの間の休息を楽しんでいる。
それは、これを知る良いチャンスかもしれない、もしこれが武器として活用できるらあのモンスターたちも倒すことができるかもしれない。そしてこの世界を見て回るいい機会だ。外は買い出しで少し歩く程度、もう少しこの国や制度などいろんなことを知ることができるかもしれない。
「その研修会いつ、どこであるんですか!!」
このマスクに付いてマグネスさんにも聞いたのだが彼も見たことがないらしく解体させてくれと言われたが取れないし怖いからやめといた。
「お、興味ある?一番近くて一週間後、私もその日は研修会のお手伝いするから一緒に行こうか」
「おねがいします」
「あ、でも実践もあるって聞いたから少しぐらいは装備、整えたほうが良いんじゃないの?」
その日はそんな話をして終わった、その夜彼は、ログさんやミーチェにその話をした。
「おぉ、良いんじゃないのか、やっと自分のやること決まったてことかのう」
「頑張ってください、応援します!」
ふたりとも心良く聞き入れてくれた。
「じゃあ、あと一週間みっちり料理の練習じゃ、今度は2時間持つようにな」
少しさみしい感じもしたがさすがはログさん、全くそれを感じさせないくらいの元気だ。
更に翌日たまたま来たマグネスさんにその話をすると快く装備品を貸してくれるという、お言葉に甘えてまた明日、行ってみるとしよう。
彼はログに了解を得て翌日マグネスの防具屋に足を運んだ。中に入るとそこにはずらりと並んだ装備品が目を輝かせる。その中でも一番高いのは、カウンター横に置いてあるショウケースの中に入った一式装備、なんでも中級の冒険者が討伐隊を組んでやっと討伐できる、大きな蛇の牙が埋め込まれてるらしい、装備にも仕様があって、きれいな形、素材の入手難易度などで防御力が変わってくるそうだ、それこそRPGらしい。
その中でもハジメに貸すといって奥から持ってきたのは、草食モンスターの甲皮から作った装備一式だ、どう転んでもと、言う意味で動きやすい装備を選んだという。その硬さは、感触で伝わってくる、鉱石までとは言えないがガッチリとしている。確かに動きやすそうだ。
「ありがとうございます。」
「あいよ、冒険者になるようなら家を是非ご贔屓に」
どこまで行っても商売魂のこもった発言は彼の良い特徴だ。
そして一週間がたった。とうとうその日が来てしまった、まだ冒険者になると決まったわけでもお店を出ていくと言うわけでも無いのに何故かすこし寂しかった。きっとこの世界の人々の優しさにどこか母親のようなものを思い描いて居たのだろう、みんなが家族でみんな大切な存在、そんな人たちの優しさに少し甘えすぎたのかもしれない。彼が店を出ようと扉に手をかけると後ろからログの声が聞こえた。
「研修でへばってるようじゃ、だめじゃぞ、はははは」
ハジメは何年かぶりに実家の扉を開けるような感覚で「行ってきます」と言うと手を少し上げた。
外にはメクリアさんとその裏に馬車があった。
「さぁ行こうか」
荷物を運ぶ用の馬車で、商人の馬車をヒッチハイクしたらしい。
馬車の中で彼女にこの国について聞いてみた。
エスクドと呼ばれるこの国は、王都を中心に200以上にも及ぶ村や街を領地としており、全世界で4番目にでかい国だそうだ。今までお世話になったあのお店は、王都の少し外れにあるという。そして4番目でかいからこそヒッチハイクができると彼女は言っていた。
少しして馬車に影がかかった、とうとう王都の中心部の門をくぐったようだ。彼女の務めるのは、ギルド総合管理局の東のギルドを束ねている場所で正しくは、ギルド総合管理局東エリア部と言われているらしい、これから向かうのは城のすぐ横にある北エリア兼総合部というところらしいく大きさは彼女の職場の比にならないのだとか。
いざ着くとお店から見る景色とは比べ物にならないくらい人で賑わっている。猫耳の種族も気になっては居たが、肌が茶色くトカゲのような種族もちらほら出始めた。この世界の異人は、いろんな意味で底が知れないと感じた。
そして彼女と別れ彼女は裏口からハジメは、正面から入る。
煉瓦でできたその建物は大きくこの世界で初めてでかいと感じた建物だった。中に入ると沢山の参加者が居た今回の研修会は、冒険者になるものにとってとても大切な研修会である。そもそもギルドに加入すると何が良いか、それはサポートとクエストの充実である。モンスターは、ほぼ無限に居ていろんな場所から被害が出ている。その情報を集め難易度の見定めクエストとして発行し、更には宿の手配など実績によって変わるがいろんなサービスが受けられる、冒険者にとっての会社のようなものだ。
その研修は研修とは思えないほど厳しく、実践に関しても捕獲されたモンスターを一人で討伐しなければならない。
ハジメはたくさんの人の隙間から研修会受付の文字を見つける。ちなみに文字は読めないが内容は伝わってくる。それは最初、お店のメニューで気づいたこと、読めないのになぜか文字が頭の中で日本語の文字に変わるような感覚だ。この世界は、なんだか曖昧なことが多い、言葉は日本語なのに文字が読めないだとかいろんな不安定要素がある。
それはさておき彼は、受付に向かうと受付のお姉さんにこう尋ねられた。
「まず武器のスキル鑑定をさせていただきますので武器の提出をおねがいしてもいいですか?」
「あの、はずせ無いんですけど・・・」
「え?」
もしかしたら誤字等を見逃しているかもしれません、徐々に直します。もし見つけたら多分こうなのだろうなで読んでいただけると幸いです。
誤字なくせるようにがんばります。




