神様に間違われた男の冒険譚
通常の異世界物と真逆の発想から書きました。
人間:魔族:獣人:エルフが混在し、魔法が生活に溶け込んでいる世界で、
パン職人をしているトーマスが神様の依頼で 別世界である地球という星の
日本国:現代の東京に異世界移転される。
神は彼の安全を考えチート能力を付与するが、これが原因で神に間違われ、
誤解やトラブルに巻き込まれる。
そして、世界の指導者達からは、世界の覇権争いの道具にしか見てもらえない。
彼は、メッセンジャーの役割以上に地球人類に関わってしまい、更に問題を
大きくしていく事になる。
最終的には東京で嫁を見付け、元の世界に帰ることになる。
話はフィクッションであり、登場人物、役職 等は、架空の者です。
初めて書きましたので 誤字:文章の繋がり:段落のずれが有りましたら
御容赦ください。
第1話、 俺は、トーマス
俺は、トーマス・ブラウン。 この村で唯一のパン屋を一人でしている。
身長175 職業 商人 32歳 独身 魔法は生活魔法程度
趣味は、パン作り、人にパンを食べて喜んでもらうこと、 そして 昼寝
そうそう、ちなみに恋人募集中 結構・本気
この村は、帝都から西に30Km位の所にある人口3000
人位の小さな農村である。
村の特徴は 緑豊かでブドウ畑が広がっている。・・・・・・・ 特になし
あ・あっと違った。 村はずれに教会と孤児院があり、そして 村人は
みんな親切である。俺も教会が運営する孤児院にお世話になった一人である。
それが縁で 毎日 俺は、売れ残ったパンを・・・・・ いえ、おいしいパンを
夕方になると孤児院に 子供たちの笑顔のために持って行くことを日課にしている。
教会からの帰り道、黄昏時の空を見上げると一番星が一際輝いていた。
え・エ・・・なんで一番星が大きくなってくるの? チョット待って
これ俺に向かってきてない? いや いや このままだと俺にぶつかるでしょ。
そんな~ 神様、 Oh My GOD。
トーマスは、白い光に包まれると同時に意識を無くしていた。
第2話 神様と遭遇
トーマスは、ほどなくして意識を取り戻した。 あれ~ ここは何処だ。
俺、死んだのか? それとも 夢か? 周りは白い空間で 上下:左右の
感覚が取れない。無重力の白い空間:白い大きな部屋?
何処ここ わけわからん。
星が俺に衝突したのに痛い所もなければ 五体満足の自分が居るし不思議だ。
なぜ なぜ 驚かせてしまったようだ。 申し訳ない。
言葉というより直接・・・意識の共有というか言葉より理解が先に来る
という不思議な体験だ。 ある意味 面白い。 と思ったと同時に白い空間に
黒い人影が現れた。 怖いという感覚はなく ただ、不思議と思う意識だけが
あった。 そして、人影から人へと姿を変えた。 私はこの世界を統治する神、
ロージンという者じゃ。お主に直接会いたくてな。 この世界に呼んだのだ。
え・え、 ハイ。
驚いただろうが許せと 神は、2度トーマスに詫びた。神様、お会いできて
光栄です。それで、私に何か御用でもありますか?
私にできる事であれば なんでも。
神として、その言葉、ありがたい。 1ツ お主に頼み事をしたいのじゃ。
と丁寧に話をした。
私の友人でもある地球の神から相談された事なんじゃが、地球という異世界を
救って欲しい。で、なぜ、私なのですか? そんな世界を救う力など私には
ありませんよ。私は、ごく普通のパン職人ですよ。
第3話 神様からの依頼 前編
神様が言うには、地球人類が自分達の悪しき行いで滅亡しかけている。
トーマスは言った。 では、なおさら私ではなく、力のある 勇者、賢者、
聖職者のような者を選ぶべきではと。 地球人類を直接救うのではなく、
神からのメッセージとして伝えて欲しい。
つまり、神からの「 メッセンジャー 」になって欲しいと。 そうだ。
でも、伝えるためだけなら 地球の神様自身が直接、地球人類に向けて
言った方が早いのでは? 異世界には、神のルールがあるのじゃ。
神様:天使が直接、自分の世界に口出しをしてはいけない。
しかし、異世界人に神のメッセンジャーになって行って貰うのは、 OK 。
それにしても、 正直 俺はそんな立派でもなく、ただの エッチな
おじさんですよ。 神様は、微笑みを隠しつつ。 トーマスよ 私は天上界
よりお主の32年間を見てきている。 この世界で1番の適任者であると。
彼はこれ以上 何も言えなかった。
しかし、今 俺は幸せで この生活を手放したくないと思った。
神様は分かっていたように言った。
この世界と地球では時間の経過スピードが大きく違う。 こちらの1秒が
地球時間では1ケ月にあたる。心配は無用じゃ。 1秒だけお主の時間を
私に暮れ。 その代わりに 何か望みを 1つ 叶えよう。
神様は、笑いながら言った。
そういうことであれば、 トーマスは、快く引き受けた。
しかし、神様、本当に伝えるだけで良いのですよね。 ああ もちろん。
地球の日本という国には、おいしいパンが沢山あるらしいと、後から
神様から聞いてトーマスは、違った意味で日本に行くことが楽しみになった。
第4話 神様からの依頼 後編
神様、異世界に行ったら俺はまずは、どうしたら良いのですか?
地球人に みなで協力して事に当たれ。できなければ 近未来に絶望と絶滅が
待っていると。
それを日本の情報媒体に言うだけで良い。 具体的には?
知らん。 ???・・・
地球の神 曰く、 地球人類は、もうすでに気随ている。 人間は知ってて何も
しないようだ。 エ・え~ 俺が行く意味がないじゃん。 ただの
バカ人間集合体じゃないか。 まあ、地球の神との約束だからな。
トーマス、 1ツだけ注意して欲しいことがある。 向こうの世界でも絶対に
死んではいけない。死んだ場合には、こちらの世界に帰ってこれなくなる。
だから神の御加護を、チート能力を付与させてもらう。 良いか? ハイ。
物理的衝撃無効化、熱攻撃無効化、毒耐性化、重力制御、回復魔法(中級)、
幸運(中級)、半径1mまでのバリア、異世界言語習得(思考検索)、
移転用亜空間ゲート、 攻撃魔法は無し。
トーマスの生活魔法は、地球でも使える仕様にしてある。
〔 火の魔法 小、 水の魔法 小、 風の魔法 小、 浄化魔法 小、 〕
まあ、これだけ付ければ簡単には死ぬことはないだろう。
まあ 心配事は色々有るだろうが
異世界を冒険するつもりで行ってくると良い。 頑張ってな。
はい、神様、行ってきます。
トーマスは、また 先ほどと同じような白い光に包まれていくのであった。
第5話 異世界移転 (なんで雲の上)
トーマスを包む光が減少すると同時に周りの景色が見えてきた。
きれいな青空だ。 と同時に落下する感覚、いや、これは確実に下に向かって
落ちているでしょ。 下を見れば白い雲、 うっそう。 彼は大声で叫んだ。
神様たすけて・・・ ・・・て。
これって神様の手違い? 彼の落下速度は自由落下の為、ものすごい速度に
達し始めていた。だめ、だめ、 このままだと初めから死んじゃう。
トーマスは、死を覚悟した。
そーだ。 神様から重力制御のチートを貰っていたっけ。 『重力制御』発動と
意識すると同時に落下速度は緩やかになってきた。 地上約500m位の所で
歩く速度まで落ちてきたので周りを観察する余裕がでてきた。 ここはどこだ?
そうだ 地球という星の日本国:東京と。
それにしても石でできている高い城が林のように並んで建っている。
赤い鉄塔もあるし。もしかして、自分達が住んでいた世界より文明が発達して
いるのではないか。それになんだ、鉄の箱のような物が動いているぞ。
そして この人の数 尋常な数ではないぞ。 帝都より、遥かに大きい
のではないか? わからん。 ただ、高い建物の上には着地したくはないな。
できれば、自然の森の中! 下を良く観察したら こじんまりとした林が
見えてきた。 よし ここだ。
彼は、重力制御と風魔法を合わせて少しずつ移動していった。
ちなみに、今 着ているの服は、仕事着 少し汚れたパン職人の姿で
足元はサンダルである。
一方、地上では、東京タワーの上で街を望遠鏡で見ていた子供が最初に
気ずいた。 ママ、 あれなあに。 望遠鏡を母親に渡して指さした。
その時、 タワーの中がパニックになったのは言うまでもない。
第6話、 この人だかりは?
次に発見したのは、明治神宮に来ていた人達である。 トーマスの位置は、
地上100mを切っていた。肉眼でも容易に確認できる距離であり、
人々は携帯を手に写真:動画を撮り始めていた。
彼は、古い大きな建物の前にある敷地に着地しようと風魔法を巧みに操っていた。
地上では、パニックに成りかけていた。 なぜなら、 なにも装備機器を
付けない人間が重力に逆らって ゆっくり降りてくるのだから。
あたりまえである。
地球人類初の「神との対面」と騒ぐ人が出始めてしまった。
神社の境内は、人で埋め尽くされてしまった。 境内の中央に着地する予定が
着地地点が無くなってしまった。 上空、3mの所で空中停止させられた。
下では人々が何か 薄い小さい箱を手に持って
こちらに向けている。 あれはなんだ? 武器か? わからん。 さて?
今は、風魔法を使っていない。 無風 静かに空中停止の状態が少し続いた。
彼は下に向かってきれいな日本語で、 すみません。着地したいので場所を
開けて頂けないでしょうか。 と言った。
なぜかそれがパニックの引き金になってしまった。
人々は、いち早く境内から逃げ出す行動をとり始めてしまった。
群集心理とでもいうか、逆にトーマスが慌ててしまった。俺 何か間違った事を
言ったか? 言葉が通じなかったか? 彼は、必死で人々に言った。
私は敵ではありません。みなさん落ち着いてください。 そして、
私は神の使いです。 恐れないでください。と繰り返した。
ほどなくすると 境内から人影が消え、人々は境内を囲むような位置でこちらを
観察していた。
境内の中央に着地した。 周りは静かそのものだった。 少し驚かせたかな?
人々の中から 少し大き目な箱を肩に担いだ 4・5人か?
怪しい者ではありません。
我々は、テレビ局の者ですが お話を聞かせて戴けないでしょうか?
一行が近かずいてきた。
第7話、 テレビ局(国営放送)
我々は、テレビ局(N〇K)の者です。 怪しい者ではありません。と言いながら
ゆっくりトーマスの方へ歩いてきた。 彼らは3m手前で止まった。
ぜひ お話を聞かせて下さい。真ん中の男が腰を低くして言ってきた。
トーマスは、意味が良く理解できないまま 了承した。
あなたは、どこから:何しにここに来たのですか?
トーマスは、単的に答えた。
神様の使いでメッセージを届けに異世界から来た。質問した男は、驚愕した顔に
なり言葉を続けて言えなくなってしまった。
少しの沈黙後に その男の後ろに居た男性が代わりに声を掛けた。
我々の会社が近くにあるので そこでゆっくり お話を聞かせて下さい。
トーマスは了承した。 彼らの後について歩き出した。
当然、移動中もカメラは撮影を続けた。
20分程度で着いたので 案外近くにあったなと思った。
移動中に1人のスタッフが携帯で 局長に特別番組を至急できるように
交渉していた。トーマスは、一番でかい部屋に通されて
1人 中央の席に座らさせていた。
彼の正面には、3人の男性が座り、男性司会者と女性キャスターが横に
立っていた。そして、司会者が自己紹介と出席者の紹介を始めた。
そして 特番が始まった。司会者が 今回の出来事を撮影した映像を紹介し、
視聴者に内容を説明した。
映像は明治神宮の上空100m位の所から地上3mまでゆっくり降下して
空中停止、その後、境内に着地するところまでである。
第8話、カメラの前で 回復魔法
司会者が映像と説明が終わる頃には、トーマスの前に居た3人の男性
(特別コメンテイター)は、薄笑いを浮かべ どんなトリックだと考え込む
ような仕草に変わっていた。 司会者は、一通り説明が終わってトーマスに
質問した。あなたは、何処から 何しにここへ来たのですか?
先ほどと同じ回答をした。
次に 名前、年齢、職業、出身地 ? 彼は、誠意を持って ゆっくり答えた。
3人のコメンテイターからは、疑いのまなざしを持ちつつ、1人から質問がきた。
なぜ、あなたの神は、姿がみすぼらしい 貴方を選んだのですか?
トーマスは、申し訳なさそうに答えた。 自分にも分かりません。
そして 続けた。
私は、孤児院で育ち親の顔も知りません。 力もありません。 身分も低いです。
自分自身が場違いの所に来たという気持ちで一杯に成りかけた時、
それは起こった。 東京に地震、 震度4 スタジオが揺れた。
同時に天井にあった照明器具が落下した。
女性の悲鳴が聞こえた。女性キャスターに当たってしまったのである。
直撃は免れたものの彼女の頬を斜めに切り裂いたのである。
口の中が見えるほどに。 彼女は意識を失った。
司会者は、救急車、救急車、と連呼するばかりで パニックになっていた。
幸い停電にはならずにスタジオの中は、明るかった。
トーマスは、ゆっくり立ち上がった。
そして、気絶した女性に近ずき 回復魔法をかけた。
第9話、 国家保安局
傷は瞬時に治り、傷跡すら無くなっていた。 ただ、女性キャスターの服が血で
染まっていたので これが事実であると証明していた。
この事実は、テレビカメラに撮られて 同時に全世界に発信されていたのである。
3人のコメンテイターは、下を向き もう何も言うことはできなかった。
女性キャスターは、気絶したまま医務室へ運ばれていった。
司会者が正気を取り戻し、質問を続けた。 失礼いたしました。
トーマスさん、 あなたは、飛べるのですか?
いや、それは違う。 神様から重力制御という力を貰い それを使った。
それを飛ぶというのではないですか。 重力制御を使い1m程度浮いて見せた。
これは、浮くだけで鳥のように飛ぶことはできない。 と答えた。
もはや、司会者、出席者、スタッフ、一同が 神と対面しているかのような顔を
していた。 さらに司会者は質問を続けた。
神様からのメッセージを具体的に教えて頂けないでしょうか?
このままでは、地球人類は、悪しき行いで 絶望と絶滅の未来しかない。
みなで協力してこれに対処せよ。 というメッセージです。
失礼ですが、もっと具体的に分かるようにお話下さい。 は、は、は、正直 私も
聞いておりません。ただ、神様からは、すでに地球人類は気随ている、原因:
対策:結果も理解している。 けれども、実行しないだけであると。
だから 神様の存在 と メッセージが必要になると話をしている時に 突然
黒服の一団がスタジオに入ってきた。
国家保安局の者だ。 貴様を逮捕する。 罪状 不法入国
トーマスは、逮捕された。 これも全世界に生中継された事になった。
第10話、 総理官邸
同時刻、国会では藤原内閣総理大臣と野党が 高齢者対策と年金問題について
質疑応答を繰り返し白熱した議論をしていた。 当然 総理は、N〇Kの特別番組を
見ていない。 しかし、なぜかローマ法王がこの番組を見ていたのである。
それは法王の友人である者が近いうちに東方の国に神の使いが来ると予言していた
からである。 そして その2日後に特別番組で『 神の使者 』という番組に
いち早く気ずくことができたのである。
ローマ法王は、トーマスが逮捕された事に 怒り心頭 もう筆舌には表せない
表情をしていた。 2000年前の過ちを 人はまた繰り返すのか・・・ 。
総理官邸に電話するのであった。
次に アメリカ大統領、ロシア、中国、EU、 そう全世界から非難の声が上が
ったのである。 一瞬で 日本は世界を敵に回してしまった。
総理、緊急事態です。 と山口官房長官が国会で質疑応答中の総理に声を掛けた。
しかし、官房長官の話が理解できずに 今一度 話をしてくれと繰り返した。
ですから 公安が神の使者を逮捕しました。 罪状 不法入国 ?
本当か? 使者は、空を飛び、回復魔法を使えます。
正真正銘 神の使いに間違いありません。
彼は、事の重要性を理解した。 これは、最優先重要事項だと判断。
野党の皆さん、申し訳ない。 緊急事態だ。 質疑応答は次回ということで
これで終了する。 藤原総理は、足早に総理官邸に向かうのであった。
野党側は、怒鳴り、わめき散らしていた。総理は、 国民無視、 職務怠慢、
前代未聞の所業だと悪態をついていた。
山口官房長官は、官邸に宗教家:防衛大臣:経済学者:科学者:医療専門家
など約10名を呼び集める手配をした。 総理大臣は、官邸に着くと まず
コップ 一杯の水を飲んだ。 そして、国家保安局の局長の携帯に電話した。
第11話、 国家存亡の危機
総理が着いてから ほどなくしてからホットラインの電話が鳴った。
アメリカ大統領からである。 内容は、神の使者をこちらに連れてこい。
YES:NO の権利がない口調だった。 NOの場合は、日米同盟破棄、貿易禁止、
日本人国外退去 ・・・・・・ 頭を抱えてしまった。
次に、ロシア、中国からの電話であった。 両国とも同じような内容だった。
神の使者をこちらに連れてこい。 断れば、日本が我が国に宣戦布告したものと
する。という内容であった。 中東諸国は石油を止めるぞ。 また、別の国では
食料を止めるぞ。 という脅しの電話であった。
今までの長い 友好外交はなんだったんだ。 と総理は呟いた。
一方、国家保安局の局長 郷田 剛志は、総理からの直接電話を受けて
自分の失態を再認識した。もはや、自分が切腹しても事は収まらないだろう。
ならば、藤原総理から言われたことを確実に実行するのみと決意した。
それは、 日本最高級ホテルの貸し切りである。
予算に上限はない。 国家権力行使 OK。
その日に申し込んで、高級ホテルを全階貸し切り(建物全部) 金銭だけでは
不可能である。 国家権力で無条件貸し切りである。 簡単である。
しかし、 この平和な日本で?
まして、ついさっき現れた男性、トーマス 1人の為である。
局長は、理解はするが納得がいかない状態が続いていた。
総理の考えは、籠の鳥作戦。
つまり 護衛を付けて民間施設に保護する。 実際は豪華な監禁状態である。
国営施設を使わなかったのは、できるだけ国際問題を避ける配慮からである。
第12話、 公安 取調室 1/2
トーマスは、国家保安局 第一取調室に来ていた。
彼は思った。 不法入国で逮捕。 自分達の世界でも同じような扱いになる
だろう。 しかし、この国の人間は礼儀正しい。 罪人に頭を下げて逮捕する
んだから。 意味わからん。そんなことを考えていると、ドアをノックする
音が聞こえた。 入ってきたのは 女性 1人。
彼は、始め、いかつい男性が脅し文句で取り調べが行われると考えた。
少し、ギャップを感じた。
女性は、20代後半、 身長165位、 やせ型、 しかも、胸がでかい。
結構 タイプ かも。
女性は、自己紹介から始めた。 名前は 斎藤みき 今回 私が担当します。
正直に答えてくださいね。 ただ 言いたくなければ、ノーコメントと
意思表示して下さい。 この室内は録音:録画がされています。
と状況を説明した。トーマスは、何を言っているか理解できなかったが
流れで ハイ と返事をした。
続いて 名前、年齢、出身地、職業を聞かれたので、誠意を持って答えた。
次に、来た目的を聞かれたので N〇Kのスタジオで答えた事を繰り返した。
そして 神様について質問されたので我々の神 ロージンが地球の神に
頼まれた事を・・・・・・初めから一部始終話した。
彼女は驚きを隠せなかった。それは神自体の存在を否定する側の人間であった
からである。まして、地球を統治する神の存在を聞いたからだ。
トーマスさん 何か神様が存在する証拠は?
物としては無い。 しかし、神様から 重力制御、回復魔法、異世界言語習得、
毒耐性化のチート能力が付与された。 それで、 日本語が即座に話せた
のですね? あ・あ そうだと即答した。
第13話、 公安 取調室 2/2
重力制御:回復魔法はテレビで見ました。 あれは すごかったですね~。
トーマスは、逆に質問した。 テレビ局:テレビとは何だ? 彼女は、ポケット
から携帯を取り出してテレビのアプリを作動させた。 そこには絵が動く世界:
ひとつの空間が存在しているかのようだった。
テレビは世界に向けて、情報発信する手段:情報媒体です。
それを聞いて彼が驚いた。 エ・本当!
トーマスは、異世界移転の当日に神様からの依頼をクリアした
ことに気が付いた。 彼は、思った。 空高く 空中に転移されたのは 手違い
ではなく初めからの計画。 神様も人が悪いな~と。 でも もしかして
俺ってこれから自由。 多分。
尋問が始まって1時間が過ぎた。 低音の音、 グ~ 腹の虫が鳴いた。
あ 昨日から食べてない。
彼女は、携帯で何かを注文した。 待ってて。 食事を用意するから。
しばらくすると、ノックの音がして別の女性が食事をもって入ってきた。
〔 もちろん 定番の カツ丼 と お茶 〕
さあ、召し上がって。 カツ丼の横には、割りばし と スプーンが用意
されていた。彼は、スプーンを使って 口に掻き込むのであった。 う・旨い
初めての味であったが 絶品、旨いの一言であった。
食事中に彼女は聞いた。 回復魔法は病気も治せるの? 多分。
彼女の目が一瞬 光った。 しかし、食事に夢中なトーマスが その事に気ずく
ことはなかった。
第14話、 取調室からホテルへ
食事を終え ゆっくりしているとノックする音がした。局長の郷田剛志が
入ってきた。 トーマス君 すまなかった。 我々の誤解だった。
と一方的に詫びの言葉を並べはじめた。もう 陽が落ちて暗くなったのでホテルを
用意させて頂いた。 宿泊先として使ってくれ。そして、担当の斎藤みきを
24時間付けるので困ったときは遠慮なく彼女に言ってくれ。
と なかば強引に押し付けられた。 彼女は一瞬驚いたが笑顔で
よろしくお願いします。と改めて挨拶した。
公安のバスで トーマス、郷田局長、みき、護衛5名、運転手が乗り込んでホテル
に向かった。ちなみに、先導車としてパトカー2台:後続車としてパトカー2台
計4台 そして 信号は全て 青、道路、首都高は、一般車両禁止のトーマス専用
道路になっていた。 ホテルは、日本一のホテル 全フロアー貸し切り、
32階(レストラン:店舗)を含む貸し切りであった。
これには、トーマスも驚いたが もっと驚いたのは 担当者本人 斎藤みき
であった。局長が コンビニ、レストラン、ブティック、床屋、クリーニング店、
雑貨店、全て、貸し切り。 お金を払う必要はない。
食事:買い物 当然全て無料だ。 遠慮しないで使って欲しい。
そして、1ケ月間 貸し切りにしてある。
トーマスは、最上階のスイートルームに案内されて ベッドを見るなり横に
なった。疲れの為か、ベッドがあまりにも心地よかった為か、彼は寝てしまった。
みきは、彼の寝顔を確認すると静かに部屋を出るのであった。
第15話、 街角の談
時は遡るが 国営放送 N〇K(特番)終了後に視聴者から苦情の電話が殺到した。
内容は、天下の N〇Kが やらせ番組を打つのか。 怒り:伐倒の声であった。
何も持たない人間が 重力制御:回復魔法 出来るはずがない。 嘘だ。
例え、現代のテクノロジー:科学を使っても不可能だ。 トリックでしか有り
得ない。そして、放送局が視聴者に対して 否定も肯定もしなかったことが
更に拍車をかけた。
N〇K 5時のニュースです。 1番のニュースとして 本日 明治神宮 上空
より『神の使者』が舞い降りました。 と アナウンサーが第一声を放った。
上空300mの位置から明治神宮境内着地までゆっくりと降下して来る映像で
あった。 これはN〇K屋上カメラが撮影した物であった。
そして、スタジオ内で回復魔法を4方向より1/100秒単位でのスローモーション
撮影の映像も放映していた。 もはや、誰も反論できなかった。
日本国内:世界中では、トーマスが言った、人類絶滅という言葉が独り歩きを
していた。
おい、田中、お前は神の使者をどう思う? バカ 俺が知るかよ、
ビールを飲んだ。
じゃ、お前はどうなんだ? ううう・・・ 死にたくはないな。
ビールを飲んだ。
ただ、あの回復魔法は 凄いな! 俺の ばあちゃんが癌なんだ。
なんとか治せないかな?
あのう・マスター 焼き鳥盛り合わせ 1つ 追加。
一方、 ローマ法王は、日本に行くため、ジェットをチャーターするのであった。
世界中の宗教指導者が 日本に向けて旅立とうとしていた。
各国では、神の使者を入手すべく試案を巡らせていた。
あたかも それが世界の覇権になる・・・。
第16話、 総理の決断
日本の総理大臣として 各国に YES と回答していた。 しかし、1ケ月猶予を
くれと。これが さらに大問題を引き起こすと予想できるのに 総理は返答した。
そして、特別対策チームを結成して事に当たる決意をした。
陽は落ち。総理官邸では官房長官が集めた知識人が集結していた。これから
夜通しで会議が行われる。 同時刻、総理は部屋にあるテレビから目が離せ
ないでいた。 7時のN〇Kニュースです。神の使者が日本に現れました・・・
・・・ これは現実か? と何度も呟いた。
対策会議が始まった。 初めに 宗教家(宗教研究家)が第一声を上げた。
これで地球を統治する神の存在が明らかになった。
人類に残された時間が思っていた以上に短い事。 そして、今までの悪しき行い
で絶滅する未来が来る事。 現段階では、これ以上は分からない。
本当の神の目的、使者を使った理由、わざわざ、なぜ、異世界の一般人を
使ったか? 多分、神は、我々に 絶滅か 生存かの二者選択を 今
地球人類に問うているのではないか? 会議の出席者全員が 唸るような声を
出して その意見に賛同した。
正直 神の名前が分かれば過去の歴史から多少なりと対策が考えられる
のだが。今は無理だ。 次に、防衛:軍事専門家、世界政治学者、
経済学者と続いたが 莫大な損失:マイナスの話しか口にしなかった。
対策案は、何も提案されなかった。
総理が直接、神の使者に現状報告してアドバイス:救済を求めるしか
方法がないでしょう。 それが今回の会議の最終結論となった。
第17話、 服を買う
朝日が昇ると同時に トーマスが目を覚ました。 ん~ 良く寝た。
やっぱり、異世界か、夢ではなかったか。 そこに ちょうど斎藤みきが
部屋に入ってきた。(盗聴器:隠しカメラがあるのだろう、タイミング良すぎ)
おはようございます。 ご機嫌いかが? ああ 問題ない。
昨日 部屋の設備を説明しようとしたら寝てしまったので 今からしてもいい?
すまなかった。宜しく頼む。
一通り説明が済んだ。 ただ、トイレの使い方に難があったが、
まあ、何とかなるだろう。
彼女は彼をバスルームに行かせ 全身の汗をシャワーで流すように促した。
彼女は、白いバスローブを持ってバスルームの前で待った。 トーマスは
なにげに全裸で出てきた。 そして、彼女に全て見られた。 下も。
しかし、みきは、平然とバスローブを掛け さっぱりした?と聞いた。
むしろ、恥ずかしがったのはトーマスの方であった。
これから 服を買いに行こう。 え・この姿で
大丈夫 ホテルは全階貸し切りだからと 笑いながら部屋のドアを
開けた。 エレベーターで 3階のブティックに着いた。 なんだこの服は、
俺たちの世界とぜんぜん違う。服の選択を頼んでいいか? みきは快く引き
受けた。 黒系のスラックス:白系のワイシャツ、Tシャツを選んだ。
店員が近寄ってきて良く似合っていますよ トーマス様 昨日テレビで
見ました。 もう有名人ですよ。 と笑顔で言った。
みきは、着替え用として同様な服を 3着ずつ 部屋に届けるよう指示した。
第18話、 朝食 超おいしいパン
ブティックには 下着、靴下、革靴も置いてあったので一緒に部屋に届けさせた。
ねえ、お腹空いたでしょ。 朝食バイキングに行こう、ね。 10階に昇った。
バイキングコーナーがあり、さまざまな料理が並べてあった。
こんなにていうか 1000人分?100種類の料理? す・凄い。
これ誰が食べるの・・・・・・ あ・な・た 冗談よ。
好きなだけ食べて、 これをバイキングというのよ。 さあ 食べて。
遠慮はいらないから。
トーマスは、肉・肉・肉・少し野菜・・・ なんだ、 パンがある。
パンコーナーに世界のパンと書いてあり、10種類のパンが有った。
彼は子供のように、パンを1ずつ 皿に10種類のせて
席について食べ始めていた。 旨い・超旨い・超超うまい パンの味に絶賛した。
神様ありがとう。 興奮のあまり声を出していた。 横でみきが 良かったね。
でももっとゆっくり食べて 喉につかえるから笑顔で注意していた。
彼は食べ終わると 調理場に行きパンの作り方を教えてくれと懇願していた。
3時間席に戻らなかった。 今日の予定、 13時から内閣総理大臣が
来るわ。 それ誰? 国で一番偉い政治家。 王様みたいな人?
ちょっと違うけど まあ 同じかな。
それから、物理学者、超心理学者が来る予定。 まあ しょうがないか、
明日は、ホテルを出て街を見て歩きたいと言った。 みきは、下を向きながら
それは少し先になるかもしれない、と答えた。
彼には、黙っていたが ホテルの護衛には 1000人近い警察官が導員されて
おり料理は彼らのために使う予定という事を伏せていた。
第19話、 みきの命がけのお願い
みきは、神の存在を今まで信じていなかった。 なぜなら、妹の茜が脳腫瘍の
病気で医者から余命3ケ月と宣告され、何度も、何度も神様にお願いしても
聞いて貰えなかったからである。 みきは決断した。 自分の命に代えても
妹を救おうと、どういうめぐり合わせか知らないが 自分が神の使者
保護観察担当になった。 公私混同はいけないが
これが最後のチャンス。 絶対できる!!
2日目の夜、 最上階スイートルーム ベッドの上 小声でみきは、トーマスに
妹の病気について話した。 彼は、躊躇わずに了承した。 もちろん いいよ。
あまりにも簡単に。 これから妹さんの所へ行こう
みきは、違った意味で絶望した。 厳重警備の為、ホテルから出られないので
ある。 彼に言った。 大丈夫、大丈夫、と優しく返すのであった。
妹さんの病室を思い浮かべて、自分のオデコと彼女のオデコを付けて
思考検索:亜空間ゲートと魔法を念じた。 目の前に黒くて丸い空間が現れた。
さあ、中に入ろう。 瞬時に妹の居る病室に出た。これ瞬間移動。
この寝ている人が妹さんかい? ハイ、 彼は、回復魔法を使った。
え・もう終わり? 魔法を掛けて5秒程度しか経ってなかった
からである。 結果は明日のお楽しみ。 さあ 帰ろう、 ゲートで部屋に
戻った。 その間30秒は経っていないだろう。
彼女は張りつめていた糸が切れたかのように彼の腕の中に泣き崩れた
のであった。
第20話、 公安局長の激怒
翌朝、みきの携帯に病院の看護婦から電話が鳴った。 妹さんが完治しました。
涙が止まらなかった。ありがとうございました。と言って電話を切った。
昨日の事が夢であったような感覚でいたが、 現実、本当の現実。
心の中でトーマスありがとう、ありがとう、と何度も繰り返した。
ふと思った。
彼こそが 神様。 あまりにも現実離れした 力 もはや神業としか考え
られなかった。
一方、病院の中では大騒ぎである。 ありえない、有り得ない。と医者達が
叫んでいたのであった。なぜなら、脳腫瘍で昏睡状態、すでに一部の脳が
壊死していたのであった。 それが一晩で完治・・・この情報は、
すぐに郷田公安局長の耳に入った。 仕事柄部下の身辺調査は日頃から
していた。 特に斎藤みき については。
そして 携帯を取り出した。
みきは、局長の前に座っていた。 局長は、カルテを持ち 脳腫瘍で
脳が壊死している人間が 一晩で全快するか? ありえないだろう。
しかし、隠しカメラを見ると君達は部屋を出ていない。
ただ数十秒画像が乱れている。これはトラックか何かの高出力無線かの
影響だろう。 奇跡だ。信じられん奇跡だ。
みきは、下を向いたまま黙っていた。
局長が怒り出した。 ( 怒鳴って ) 黙っていては分からん。
何とか言え。 頭から湯気が出そうな勢いだった。
みきは一言、すみませんでした。と言った。
局長はみきを殺さんばかりの形相に変わっていた。本当にすみません。
彼女は覚悟した。殺されてもしょうがないと。 なんということだ。
総理に何と言って誤れば・・・ まして身内が、直属の部下が
起こした失態。んん~ と唸った。
局長は、怒ったせいか少し冷静になった。 お前達、部屋を出て
ないよな。 どうやった。
第21話、 彼の正体は 神か?
みきは、正直に郷田局長に話をした。 トーマス様に助けて頂きました。
いや、だからそれは不可能だろう。 正反対の言葉を自分から発していた。
君たちはスイートルームに居たのだから、30Kmも離れた病院にいくのは
無理だ。彼が飛べるのは知っている、しかし、30秒程度で何ができる。
不可能だ。
いえ、飛んで行ったのではなく 瞬間移動です。 妹の病室まで1秒、
回復魔法に5秒 帰るのに1秒、 局長は怒る気力さえ無くしてしまった。
独り言で 神だ・神だ・と連呼し・・・ みきは、下を向いたまま神に祈る
姿勢でじっとしていた。 局長は正気を取り戻した。
君は、仕事に戻りなさい。 総理には事実としてありのまま話すしかあるまい。
でも、信じてもらえるか? 郷田局長は、近くの窓に行き 遠くのビルを
ぼんやり見ていた。
藤原総理は昨日、トーマスに会った。 現状を彼に話したが、今一つ、
理解してもらえず解決策を見出す事ができなかった。 そして、
郷田局長から昨夜に起きた出来事の報告を受けた。しかし、総理は、
ただ目を閉じているだけで、予想を超えた出来事に思考が付いて
いけない様子だった。
総理は、官房長官に第2回目の対策会議招集を指示した。 物理学者も
メンバーに加えるように指示した。 会議場で総理が最初に物理学者
に対して発言した。 この地球上で瞬間移動は可能か?
ホテルのスイートルームから30Km離れた病室に、そして 元の
スイートルームに戻るピーポイントの瞬間移動が?
物理学者は答えた。 不可能です。 もしも、
これが事実であるならば、そして トーマス様が行ったというのなら、
彼は、神の使者では無く、神そのものでしか考えられない。
(郷田局長と同じ意見か)と 総理も賛同した。
第22話、 責任転嫁
藤原総理は、会議の席で無責任にもこんな発言をした。
アメリカのスーパー:ヒーロー スパーマンだって こんなことはできない。
もしかして、彼は、素手でピストルの弾を取ったり、原爆でも死ななかったり。
総理は会議の緊張を解くために、冗談半分だったのだが出席者からは
当然できるでしょうな。
うん・うん・と皆から肯定されてしまった。 会議が頓挫した。
次に発言したのも総理である。
今度は、まじめにと前置きをしてから打開策として発言した。 神である
トーマス様に全て一任しよう。 出席者から拍手で賛同されてしまった。
もしも、普通の一般的日本人が居たら 怒り:絶望しただろう。
3日前に来たパン職人に 日本人1億2千万の命を預けるのだから。
もはや、無責任、職場放棄、責任転嫁・・・・・・ これが日本の
リーダーかと思うだろう。
明日、トーマス様に依頼するために 官房長官にアポイントを取るよう
指示を出した。
山口官房長官は、郷田公安局長に電話で会議の趣旨を話して、部下に
根回しするように要求した。
3日目の陽が落ちる頃、 斎藤みきは、トーマスに地球儀を見せてこの世界の
事を説明していた。同時に日本が今、置かれている立場についても説明した。
そして、地球人類が野蛮で戦争が絶えない事、大量殺戮兵器、水爆、原爆、
細菌兵器等を説明し、地球温暖化についても説明した。 みきは続けた。
みんな、なんとなく気随ていると思う。 人類には明るい未来がない事に。
しかし、自分達の欲望のまま動き、顧みようとしないの。
だけど、それに気随て声を上げている人達も居るわ。
トーマスは、悲しそうな顔をして、小さなため息をついた。
第23話、 藤原総理の土下座
翌日、昼前に総理と官房長官がホテルにやって来た。
ぜひ、一緒に昼食をしたいと、君にもっと話を聞きたくて来てしまった。
昼食は、ホテル内の和風料亭をイメージした店で行われた。
総理と官房長官は、懐石料理(海鮮主体)を注文
トーマスとみきは、懐石料理(焼き物主体)を注文した。 彼は、生で食べる
習慣を持っていなかった。
彼は、慣れない手つきで箸を使って食べ始めた。 最初に話題を振ったのは
総理であった。
トーマス様の世界では、国家間の争いは無かったのですか? と聞いてきた。
彼は違和感を感じた。 一昨日はトーマス君と呼ばれ、今度は様だ。
なんで?
戦争は有りました。 人間同士での殺し合い、人間と魔族、魔族同士でも、
戦いがありました。しかし、ここ50年位は戦争が起きていないと聞いて
います。 ほう・なぜ止まったのでっすか?
戦争に未来は有りません。 人は助け合って繁栄するものと気が付き、
皆で協定を結びました。しかし、部族間、小さい争い事は今でもあると
聞いています。
どうだろう、ぜひ、トーマス様のお力で、この日本を救って欲しい。
この通りだと 頭を下げた。
今、日本は世界中から脅されている。
例えば・・・・・・ 話の最中にトーマスはきっぱり断った。
私は、神様に依頼され伝言を伝えに来ただけで、解決する為に来た
のではありません。 この世界は、貴方達の世界なのだから、
貴方達だけで解決してください。 と強い口調で言った。
突然、 総理と官房長官は彼の前で、土下座を始めたのである。
彼は あっけに囚われた。
気分を害したのか 箸を置き、立ち上がって部屋に帰ろうとした。
するとみきがあわてて、立ち上がりトーマスの前で同じよう
に土下座した。 私達を助けて、総理の話を聞いて、と祈る思いで
話してきた。 話だけは、聞きましょう。
総理は席に戻り、話を続けた。貴方が日本に来て、世界中の国から
言われたことを話した。 神であるトーマスを我国に渡しなさい。
さもなければ、戦争を仕掛けるぞと、 日本が滅んでしまう。
そんな馬鹿な! 何度も、神の使いで伝言を伝えに来た者で神ではない。
と言っています。 総理は言った。 他国には分かってもらえません。
無理です。
地球人類は、神様を見たこともなく魔法すら見たことが有りません。
貴方自体の存在が 人知を超越した存在なのです。
トーマスは下を向いてしまった。
そして、 小声で 俺にどうしろと?
第24話、 トーマス、アメリカに行く
食事は終わり、 コーヒーを飲みながら話が始まった。
改めて、相談なんだが、私と一緒に世界を回って説得外交をして欲しい。
どうしても、私だけでは無理だ。 君自身の言葉からでないと世界の指導者
を説得できない。どちらに転んでも全て私が責任を取る。
改めてお願いしたい。
トーマスは、渋い顔をしながら引き受けた。 横を見ると みきが胸を
なでおろす仕草をしていた。 では、さっそく、今日の夕方、
政府専用機で 羽田からワシントンまで飛ぼう。
いや、それであれば、私の亜空間ゲイトを使いましょう。 一瞬で着きます。
何人でも行けます。 それは、助かる。
しかし、 準備と着替えは必要だ。
今から、4時間後に総理官邸に集合という事で。結局、アメリカに行
くメンバーは、トーマス、みき、藤原総理、山口官房長官、外務大臣、
秘書、通訳の 7名に決まった。 本当であれば、最低50名以上の
構成に成るが 今回は、緊急事態であり秘密裏に事を進めたいとの
配慮からである。
総理がホットラインで アメリカのリチャード:フォフト・
リッチ大統領に電話した。 大統領、これからお邪魔したいのですが
よろしいですか?
大統領は意味わからずに OK した。 今、どこですか?
ホワイトハウスの大統領執務室、私と国務長官、秘書が居ると返事が
返ってきた。 電話を切ってからトーマスに告げた。
亜空間ゲイトが 大きく口を開けたのが目で見えた。同時に
大統領執務室にも同じ亜空間ゲイトができた。 彼等は、ゲイトに入った。
そして 同時に執務室の亜空間ゲイトから出て来た。
ゲートの前では、大統領たちは、驚き、何が起きているのか理解できない
表情だった。 大統領、おはようございます。と藤原総理が最初に声を掛けた。
こちらが 神の使者 トーマス:ブラウン様です と紹介した。 少しの沈黙後、
リチャード大統領は、トーマスの前で片膝をついて 胸の前で十字クロスを切る
神の祈りポーズを取った。続いて、国務長官、秘書が同じポーズをしてみせた。
このポーズに、驚いたのはトーマスの方であった。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
前編 トーマスが転移した 東京:この地球での出来事を前編とし。
後編 元の世界に帰り、夫婦で世界平和とパン屋の事業拡大を後編と
考えています。
これから、少しずつ連載を書いていきますので宜しくお願いします。