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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第4章小田原城編
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勝頼の憂鬱

京都は行きたくない。普通に関わりたくない勝頼です。

最上義光が自国に帰ってから暫く経ったが、武田勝頼には頭の痛い問題があった。


それは上洛に関してである。武田勝頼としては、魑魅魍魎の集まりの公家社会には首も突っ込みたくもなかったし、三好長慶が天下人として君臨し、本願寺や根来寺、比叡山延暦寺などの寺社勢力が力を持ち、六角氏や細川氏、畠山氏など名門もおり、浅井氏や朝倉氏なども関わり、足利将軍家まで絡んでくる京都など行きたい筈もない。


しかし、今回は予想外の高い官位を貰ってしまった為、行かざるをえなくなっている…


武蔵守だけなら、父である武田信玄や義父である北条氏康に代理を頼むのだが…


行きたくない…行きたくない…毎朝、武田勝頼はそう思っていた。


行きたくないものは行きたくないのである。


武田勝頼は自分の愛する人を大切にする男であり、許されるなら愛しい人と共に屋敷でイチャイチャ、ダラダラ一日中していたいのである。


しかし現実は甘くなく、上泉信綱に毎朝、早朝から地獄の稽古をつけられているのだが…


風魔葵も、勝頼が小田原城を本拠にしたことで両親がちょくちょく遊びにくるので以前よりだらけられなくなった。


まあ、葵は両親と仲が良いのだが、女らしくや礼儀作法などを言われると体が勝手に逃げるのだ。


武田勝頼は、風魔葵の父親である風魔小太郎を家老格に引き立てた為、風魔衆からは感謝しきれないほど感謝され、より葵への躾が厳しくなったとかそうでないとか…


武田勝頼としては、葵が大好きであり、心から愛しているからこそ親族衆も大切なのであるが…


勝頼は葵のお腹が減った時のお腹をさする姿が大好きであれをみるとつい接吻をしたくなるので気持ちを抑えるのに困ってたりする。


しかし今はそれどころではない…上洛と言う苦しみと向かい合わなければならないのである。


行くとしたら助五郎経由で堺まで船を回し、最小の人数で行くしかないと思っていた。


邪魔されず京都まで行き直ぐに帰るには、公家は近衛前久がいるので何とかなるが、畿内の有力大名にも話をつけねばならない…


本当に気が滅入ると思っていた。畿内の有力大名や武将を思い浮かべ、勝頼はある人物を頼る事にした。


武田勝頼が自国領内で密かに令和の知識を使い作った茶器を贈れば何とかなると思った人物に、茶器と手紙を送ったのである。


苦肉の策だが仕方がない…逆に面倒臭い人物よりも、胡散臭いがわかりやすいので、ある意味安全だと思った上での判断であった。





武田勝頼は葵が大好きなのです。

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