表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第4章小田原城編
95/169

祝言

上杉政虎、風魔葵、早川殿は遂に正式に祝言を挙げることができました。

小田原城へ入った勝頼は、上杉政虎、風魔葵、早川殿と正式に、祝言を挙げることになった。


本来なら大々的に行いたいところであったが、領地を安定させる必要があった為、親族や各家の重臣達を中心に触れを出したのだが、何故かその場には関白近衛前久と元服した最上義光の姿があった。


関白近衛前久は、いつぞやのあの公家であった。流石の勝頼もそれには驚きを隠せなかった。


確かに、朝廷には毎年多大な額の献金をしており、現在の朝廷は武田勝頼の援助で、なんとか面子を保つことが出来ている。


武田勝頼としてみれば、日の本・・・を統治するに当たっては、帝を敬い、朝廷を支え、自身は足利幕府を打倒し、武田幕府を開くつもりであった為、当然の援助なのだが…


しかし、無官位で今まで援助を続けてきたことにより、帝や朝廷の覚えが良くなるだけでなく、武田勝頼こそが日の本一の誠の勤皇の志を持つ者であると天皇に言わしめたのであった。


この時代に、帝や公家に近付いてくる者は、ほとんどが官位目的か、停戦命令などの見返りが目的であった。


それを武田勝頼は、自身が海津城に領地を得てから毎年こつこつと献金をし、年々その額も勝頼の利益が増える都度増やしていた為、なんと健気なる者かと帝が密かに涙するほどであった。


その為、上杉政虎と懇意にしている現関白の近衛前久を異例中の異例だが小田原城へ派遣したのであった。


現在、武田水軍が誇る信濃と甲斐は小田原付近に移動させており、上杉水軍の越後は直江津から所属は変わらなかった。


その為、武田水軍の信濃を使用しての小田原への下向であった。


北条氏邦の祝言も同時にあげてはと勝頼は提案したが、氏邦が頑なに固辞した為、別々に行う事になった。


氏邦は主君に遠慮したのもあるが、関白殿下が参加する祝言など胃に穴があくどころでは済まないのがわかっていたので、ある意味賢明な判断であった。


又、その場には武田勝頼の父である武田信玄も当然参加していた。


そして武田勝頼と上杉政虎、風魔葵、早川殿は無事に祝言を挙げ晴れて真の夫婦になったのである。


そしてこの祝言は後々まで語り継がれるような素晴らしいものとなった。


それは、美しすぎる花嫁達、そして現職の関白である近衛前久の参加、帝より直々の官位の授与である。


武田勝頼が授かった官位は異例中の異例であり、従来の踏むべき段階を飛び越して従四位下、武蔵守、蔵人頭、参議を任命されたのである。


武田勝頼は、当然ながら辞退しようとしたが、この目出度い席で、帝がわざわざ勝頼の為に贈って下さったものを無下にしたら逆に失礼に当たると、2人の父親と嫁達から背中を押されて拝命したのである。


帝よりここまでされたからには、武田勝頼は上洛して直に御礼を申し上げない訳にはいかなくなった。


そして近衛前久により一層の帝へ忠節を誓うと共に、必ず上洛して御礼申し上げることを誓ったのだ。


しかし、世間からの反応は二通りであった。清和源氏であり帝より高い官位を認められた殿上人であり東国きっての大大名と言う評価と、田舎者の若造がどのような手を使ったのだ。嘆かわしいや目障りや生意気だの言う嫉妬や憎しみの評価である。


しかし誰が何と言おうと帝から正式に認められている為、その権威は名実共に高まった。


そして、戦国時代を代表する大名家である武田家、上杉家、北条家の絆は揺るぎないものとなったのである。

関白近衛前久が帰京した後、数週間、最上義光は小田原へ滞在します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ