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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第3章甲斐動乱篇
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小田原城の戦い2

北条家が滅亡の危機です。

小田原城の門は固く閉ざされ、城兵の必死の防衛もあり連合軍は攻めあぐんでいた。


伊賀三大上忍である藤林長門守を抱える今川義元は、多くの間者を城内に放つと共に敵である北条家の忍びである風魔衆を完全に抑え込んでいると自負している。


その証拠に、既に風魔衆と思われる怪しい者をことごとく始末していた。


今川義元の悪い部分は直ぐに慢心してしまうところである。史実では桶狭間の戦いがそれを物語っている。


しかし、史実と違うのは今は太原雪斎が隣にいる。太原雪斎は、北条氏康の息子達はほとんど討ち取ったが、氏康が健在のうちは油断しないよう念を押す。


今川義元は同意するが、誰の目から見ても先程の戦いで北条氏康が重傷を負ったのは明らかであった。


太原雪斎の言葉に同意しながらも、後は北条氏康が死ぬのを待てば北条家は滅んだも同然であり、小田原城は開城して降伏するだろうと思っていた。


そんな中で、間者からの報告で北条氏康が重体で明日をも知れぬ命であること、多くの配下を失った風魔小太郎は、北条家内で無能の烙印を押された為、北条家を見限って箱根山へ帰ったことなどが報告された。


太原雪斎は、藤林長門守に偽りではないのかと問いただすが、元来大名家と忍びは報酬を貰い仕事をするだけの関係であり、報酬が出ない割に合わない仕事から手を引くのは当然のことだと答える。


少なくとも伊賀忍者、特に藤林長門守や百地三太夫などはそれに当てはまる。


滅亡が分かっている沈みかけの泥舟に乗り命を賭ける忍びなどいる訳がないからだ。


それを聞いて太原雪斎も、今川義元も確かにと納得する。


そして連合軍中に、北条氏康が危篤であり風魔小太郎が離反したことが広まった。


そして暫くして間者の報告により北条氏康が、矢傷が元で亡くなり、城内は徹底抗戦派と降伏派で真っ二つに分かれているとの報告が入って来た。


徹底抗戦派の筆頭は北条綱成であり、降伏派の筆頭は北条幻庵らしい。


主君の仇を討たねば武士としての面目が立たないと訴える北条綱成派と、当主を失った今、援軍も見込めない以上せめて北条家の名前だけを残そうとする北条幻庵派の対立は深まるばかりのようだ。


今川義元や太原雪斎は、どちらの意見も尤もであると理解を示す。


しかし、どちらにせよ小田原城の落城が近いことは両名ともわかった。


太原雪斎は自らが降伏勧告の使者として赴き説得をする事にした。


関東の雄と言われた北条家もこれでお終いである。


しかし、彼らは知らなかった。数日前に干し芋を齧りながら走り抜ける影が、小田原城に潜入した後、その日の内に夜陰に紛れて消えていったことを…


闇の中草むらで音がした為、今川方の見張りの兵士達が何奴と警戒するが、「うゅーん」なんだ狸か?と狸が1匹出た以外は何も異常はなかったのである。

関東は田舎なので狸くらいでますよね。ちなみに狸はぽんぽことは鳴かないようです。残念…

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