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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第3章甲斐動乱篇
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捕虜の処遇

捕虜の運命が決まります。

川中島での武田、上杉連合軍の完全勝利は時間をかけて全国に広まることになるであろう!


海津城にて主だった重臣達と上杉政虎と共に武田勝頼は評定を開いていた。


今は一刻を争う事態の為、恩賞に関しては戦いが落ち着いてからと皆が納得した。


今後に関しての選択肢だが、甲斐の国奪還か木曽福島城への援軍の派遣であった。


上杉政虎は無理をして掻き集めての出兵だった為、半数の兵は勝頼が頼み、越後へ帰還してもらった。


上杉政虎は甲斐奪還を成し遂げるまでは帰らないと宣言する!


その言葉で武田勝頼の方針は決定する。


勝頼は兵を二手に分け、木曽福島城への援軍と甲斐の国奪還に動くことを決めた!


太原雪斎と武田義信の大敗により現在混乱中の甲斐の国の奪還は難しくはないであろう。


そして出陣前にやらなくてはならなかったのは捕虜の処遇であった。


武田勝頼は石川数正を呼び出し、手柄を立てれば三河勢の今後の生活を保証すると約束した。


三河勢は死兵とならざるをえなかった。


戦闘に参加しなかった海津城の高坂弾正の2千と合わせて計5千で木曽福島城へ援軍に向かったのである。


鉄砲隊を5百つけたので負けることはないだろう!


その後上杉政虎と武田勝頼が別室で話し合っている間に、松平元信と本多忠勝は引き出されてきていた。


松平元信は石川数正と三河勢が許されたことを聞いていたので、降伏すれば間違いなく命は助かると確信していた。


しかし、弱みを見せればその後自らの立場が不利になると考え強気に出ることで自らを高く売りつけようとしていた。


そんな中で上座に座った者がいる。風魔葵と網丸である!


葵はしたり顔なのだが、網丸は足悪さをしたり、欠伸をしたり、面倒臭そうな顔をしておっさん顔負けである。


葵は一度上座に座り偉そうな態度をとってみたかっただけであり、場を温めていただけなのであるが、勝頼の側室であることもあり誰もつっこまなかった…


これが松平元信の不幸の始まりであるが、彼はニヤリとほくそ笑む!


自身に深傷を負わせた相手を武田勝頼だとは思っていない。だからこそ勘違いするのだ!?


目の前にいる武田勝頼は肌が白く美形だが、その気は狸のようである!


松平元信は強気に攻めればこの狸に勝てると思ってしまった…史実では松平元信こそが狸親父なのだが…


しかし勘違いもはなはだしい!勝頼は狸と女子には滅多に言わない!狸は最高の褒め言葉なのだ!嫌いなタイプは豚系やゴリラ系だが、可愛いと思う女子は狸と言うことがある。


雄の狸は例外で大嫌いなので、すぐに鍋になってもらうのだが…


武田勝頼と上杉政虎が出て来た際に、葵はプンスカプンスカ怒っている!


「勝頼様、あの者の首を刎ねるべきです」


「無論そのつもりだが?いったいどうしたのだ?」


武田勝頼を中心に左右に上杉政虎、風魔葵が座った時、松平元信は震え上がった!


風魔葵は狸がシャーってやってるくらいでそこまででなかったが、上杉政虎が怖すぎた…まるで龍だ!上杉政虎の覇気と殺気で松平元信はひぇぇと粗相をしてしまう!?


そして武田勝頼の顔を見て、自身に深傷を与えた相手と認識した後で、毘沙門を見せられ、覇気で気圧され、首を刎ねると言われた時に松平元信は脱糞をして気を失ってしまった!?


すぐに冷水をかけられ強制的に目を覚まされるが…恐怖のあまり言葉が出ない。


肩に致命傷を負い槍を振るえなくなり、心底恐怖を植え付けられた松平元信は大名として…武将として死んだ…


本多忠勝の問いに対し、これは味噌じゃ!味噌なのじゃと喚く姿は見苦しいだけであった。


本多忠勝は心底、失望と絶望をした…仕える相手を誤ったと!


しかし義理で本多忠勝は、松平元信の命乞いをした。


某はどうなってもいい!何でも言うことを聞く!この首も差し出すので主君、松平元信の命だけはお助けくださいと!


「その言葉、偽りはないな!?」


「武士に二言はござらぬ!」


武田勝頼は松平元信を野に放した!今川家まで送り届ける義理はない!普通であれば打ち首なのだから!


武田勝頼は「今回だけは本多忠勝に免じて命だけは助けてやる!しかし次に戦場にてあった際には命はないと思え!」


松平元信はもはや戦う気も逆らう気もなかった…


武田勝頼は本多忠勝に命じる「本多忠勝よ!私はお主を気に入った!私の為に命をかけて心から仕えよ!」


本多忠勝は平服して武田勝頼に心から忠誠を誓うのであった!

松平元信はここで歴史から名を消します!

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