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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第3章甲斐動乱篇
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川中島の戦い1

川中島の戦い前編です。

武田勝頼は出陣すると妻女山に陣を構えた。


海津城の守りは、傷を考慮して高坂弾正である!妻女山に陣をはるのは武田勝頼以下、山県昌景、馬場信春、上泉信綱、雑賀孫市、前田慶次郎、真田昌幸である。


対する今川軍は、太原雪斎、武田義信、飯富虎昌、松平元信、石川数正、酒井忠次、服部半蔵などである。


今川軍は海津城にそれなりの兵が残されていることを見抜き、最初茶臼山に着陣したのであった。


太原雪斎は海津城ではこの大軍を防げないことを理解して城を出て戦うと言うのは理解出来るが、勝ち目がない戦さをしようとする武田勝頼が哀れであった。


しかし妻女山に籠もられていては決着がつくまでに時間がかかり過ぎてしまう。


そこで一計を案じた!飯富虎昌と武田義信が率いる1万2千の兵に妻女山の背後を突かせることにしたのである!


そうキツツキの戦法である!


そして太原雪斎率いる今川軍本隊1万八千は川中島に進軍して陣をはった。


別働隊により妻女山を追い出された武田勝頼を川中島で挟み撃ちにして殲滅するためである!


夜中のうちに飯富虎昌と武田義信率いる別働隊は妻女山の裏に回るべく出陣した。


しかし武田勝頼はこれを読んでいた。敵陣地の飯を炊く煙がいつもより多かったからである。


勝頼は夜のうちに下山して川中島にて陣をはった!川中島では音を出来るだけ消し、明かりをつけずの進軍であった為、敵にはまだ気づかれていない。


そして朝方別働隊が山頂に着いた時、そこは篝火と旗がはためくだけでもぬけの殻であった!?


飯富虎昌は「やられた!これは我等を誘き出す罠ぞ!」


飯富虎昌は怒り狂うが霧隠才蔵が率いる忍者衆が敵をゲリラ戦で足止めをする!


そして風魔葵が何故か怒りに燃えた目でそこにいた!


「火遁!!」以前作っていたあのダイナマイトもどきをここで3発お見舞いしたのだ!敵は密集していた為、千人に近い死傷者を出してしまったのである!?


風魔葵は部下に命じて麓までロープを張ってあったのを滑車上に乗って麓まであっというまに降り、短刀を使いロープを切り勝頼の元へと消えた!


武田勝頼が自分の命に代えても葵を守りたかったのと同じで葵はどんな手を使っても命を賭けて勝頼を守りたかったのである!


いつもの可愛い癒し系の葵はそこにはいなかった!そこにいたのは修羅である!


正に鬼に逢っては鬼を斬り、仏に逢っては仏を斬る!葵にとって勝頼が自分の全てであった!


勝頼と笑って美味しい物を食べ、子供をつくり幸せに暮らす!それだけなのだ!誰でも夢みる当たり前の最低限の幸せしか葵は望んでいなかった…


川中島が明るくなってくる…勝頼は叫ぶ!「毘沙門よ、我に力を!」


そしてぼんやりと視界が明るくなると共に最前線に鉄砲を構えていた雑賀孫市の指示により700の鉄砲が火を噴く!こうして川中島の戦いが始まったのである!


一斉掃射した後雑賀孫市と鉄砲隊は後方に下がる。


敵の先陣は酒井忠次のようだ!酒井忠次率いる2千数百の兵が襲いかかる!最初は3千いた兵も雑賀孫市の一斉掃射により兵を減らしたのである!


武田勝頼方は先陣として馬場信春率いる2千がぶつかった!


混乱状態の中ほぼ同数の数だった為、馬場信春が押している。


敵は左翼から石川数正の三千、右翼から服部半蔵の三千が襲いかかる!


武田勝頼はそれに対し左翼に真田昌幸の二千、右翼に前田慶次郎の二千を当てる!


戦力の差があるが前田慶次郎は個人の武力で相手を圧倒している!


真田昌幸は巧みな采配で何とか凌いでいるようであった。


混戦の中、敵は松平元信率いる4千を前線に投入する!


勝頼は山県昌景率いる切札である武田の赤備え2千を投入し、勝負に出る!


以前明かされなかった謎の新装備だが、それは西洋のランスである!赤備えのうち騎馬隊である千名がランス片手に敵陣に切り込み敵を串刺しにする!


圧倒的に兵数が少ない武田勝頼であったが何とか互角に戦っていた!


勝頼の手元にいる軍勢は雑賀孫市の鉄砲隊7百と本陣の三千だが、別働隊が戻る前に決着をつける必要があった。


しかし、善戦はしているものの決定力に欠いていた…


太原雪斎は「武田勝頼…思った以上にやりおる!?」


と武田勝頼を認めていたが、余裕であった。キツツキの戦法が破られたのは癪であるが、こちらは少し持ち堪えれば別働隊が来るが、武田勝頼方には援軍は無いのは分かっていたからである。


武田勝頼は切り札を使った!武田勝頼の本陣は南無諏訪大明神の旗に赤字に金の毘の旗だが、高坂弾正が大切に持ってきたあの旗を掲げたのである!


高坂弾正が武田信玄より託されたもの…それは風林火山の旗である!?


それにより味方の士気は驚くほど上がったのである。そして敵の指揮は驚くほど下がった…


風林火山の旗は武田家の正当な後継者を表すといっても過言ではなかった!


武田義信軍は自分達が正規の武田軍だと信じていたが…風林火山を見て気づいてしまった…自分達はただの謀叛者なのだと…


今川氏が上に立ち命令を下す時点でおかしいとは思っていた…そして山本勘助や、武田信廉の首が晒されたことに関しても…


決定打は武田信玄の鎧を着て本陣ごと攻めてきた武田勝頼である!


誰もが目を疑った…あれにあるはお館様…そう武田信玄であると!それくらい武田信玄と武田勝頼は似ていたのである!


武田義信軍の一部は崩れ始め逃げ出したのであった……

風林火山の旗を拠り所にしてきた武田家にとって効果が現れました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 武田は、もやは戦う力はなく精神で戦ってるような土地だったからなぁ。
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