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母の涙

主人公は令和の知識で今まで色々やっています。現在は1552年の設定です。

躑躅ヶ崎の館を後にする際に不意に声をかけられた。


「お前が四郎か?儂が嫡男で其方の兄じゃ!」


立派な服を着た若武者は武田義信その人であった。確かこの人謀反を起こして殺されるんだったな?しかし確か兄弟親族の中でも唯一優しくよそ者扱いせずに手紙でも武田四郎殿と勝頼のことを武田の一門として弟として接してくれた人物だったはずだ。


「はっ四郎にございまする。義信様におかれましては私などに声をかけて下さり恐悦至極にございまする」


俺はその場で床に平伏した。すると頭をコツンと叩かれた。驚いて顔を上げると…


「馬鹿者!兄弟でそんなに畏まらんでも良い!其方は儂の弟ではないか?兄と話をするのになんの遠慮があろうか?」


ニカって笑ってそう義信はいう。そして優しく耳元で呟いた。


「其方のことは今まで一部の者以外内密にされていたし家中に発表された後も諏訪の小倅がとよそ者扱いする奴がおるが何も気にすることはない。儂は其方を大切な弟とだと思うておる。何か困ったことがあったらいつでもこの兄を頼るがよい」


俺は無意識に目頭が熱くなっていた。この人は決して死なせてはならない。どんな手段を使おうと父の命令に背いてでも助けたいと思った。


「はっありがとうございます。義信様」


「馬鹿者、だから言ったであろう。儂のことはもっと気安く兄上と呼ぶがよい」


「はっ、兄上様、ありがとうございます」


「そうだ、其方の為に父上に頼んで其方の母と会えるようにしておいた。母の顔も覚えてなかろうと思うてな」


「あ、兄上様」


俺は兄の優しさが嬉しく始めて会う母のことを考えた。兄は笑いながら案内を残し優しく俺の頭を撫でて去っていった。


そして俺は母と対面することになった。母は諏訪御料人と呼ばれていた。


「四郎や本当に四郎なのですね!?顔をあげてください」


母は泣いていた…俺もつられて涙がでてくる…


「は、母上、四郎にございまする。お会いできて嬉しゅうございまする」


「うう…四郎や立派に育って…ごめんなさいね。私の子に産まれたばかりに其方には苦労ばかりかけて…」


「何をおっしゃりますか母上!私は苦労などしておりません!」


「本来ならもっと早く傅役や家臣を持ってよい年頃なのに謀反の旗頭にされたり諏訪をよく思わない連中に殺されないように其方の存在は内密にされていたのです。其方が落ち武者に襲われたときいた時は母は心の臓が張り裂けるかと思いました。しかし其方は賊を討ち果たした…神様は私に麒麟児を遣わせてくださったのかと耳を疑いました」


「私などそんな大層なものではありません。たまたま運が良かったまでのことです」


「四郎や、こんな事を私が言ったらいけないのかもしれませんが其方は諏訪や武田にとらわれる必要はありません。ただ母は其方が生きてさえくれればそれでよいのです」


「お言葉ありがとうございます」


元々俺は諏訪や武田にとらわれることはなく悲惨な歴史を回避する為に足掻こうと思っていたが母の涙にこの人を泣かせたくないと思ったのであった。


前世からの趣味で沢山の仏像を掘っていた俺は懐にお守り代わりに入れていた大日如来と毘沙門天があったのを思い出して俺は大日如来の包みを取り出し母に渡した。


「母上これは私が彫った仏にございます。お守りとしてお持ちください」


諏訪大明神を信仰する母にどうかとは思ったが俺は自分が大切にしているものを渡したかった。なぜ大日如来と毘沙門天かというと令和の世で俺は上杉謙信のファンであったからだ。


「まさかこの歳でかように素晴らしいものをつくるとは大切に致しますね」


母は終始驚いていたが喜んでくれたようだ。そして俺は諏訪の貰った領地に山県昌景と共に戻るのであった。

主人公は上杉謙信のファンです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公は上杉謙信のファンです ↑ いまは多分、まだ村上を追い出してないかたいいけど これ謙信とやりあうようになったらどうするの?w まぁ、謙信とやりあう前なら 毘沙門天を信仰しててもOKなの…
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