自分の正体がわかったので運命を変えることにします。
主人公のチート能力が一つ明らかになります。
父との面会の後俺は一人で考えていた。やはり自分は武田勝頼だったと。
武田勝頼といえば強すぎる大将とは言われるも、武田の親族衆や重臣からは諏訪のものがと軽んじられ、諏訪の親族衆や重臣からは武田のものがと疎まれた上、父からは正式な家督は許されず嫡男信勝の後見人留まりとされ武田菱や風林火山等の武田家代々の旗の一切を使うことが許されず最後は跡部や長坂を重用し、重臣は信玄に心酔していた為勝頼には忠義が薄く親族衆は言うことをきかず長篠の合戦では奸臣の言葉に乗り突撃して山県など重臣を失い親族衆が勝手に撤退した為総崩れになり最後は木曽、穴山、小山田に裏切られて天目山で自害してその首を京に晒された戦国時代屈指の不運な武将だ。
あの織田信長でさえ一目置き勝頼はただ運が悪かったと言ったほどだ。何故俺が全く関係ない武田勝頼かと考えたが高知県のホームページに武田勝頼生存説で香宗我部氏を頼り大崎玄蕃と名を変えて生き延びた伝説があったのをふと思い出した。そうか俺の名前も大崎…俺は大崎玄蕃の末裔…そう武田勝頼の子孫だったようだ。
その証拠に暫く思い出せなかった転生前に手にした武田菱の入った古い刀、飛ばされる原因となった大のボロボロの旗、そして今手元にある小烏丸の件がある。
小烏丸は大平洋戦争のドタバタのなかで祖父が家財を投げ出してアメリカ軍から取り戻した家宝だと聞いていたが山県昌景が長篠の合戦で討ち死にした時に胴体の供養費用として置かれた刀だ。
俺が転生した理由は勝頼と昌景の無念からくるところかもしれない。そして俺の3つのチート能力のうち一つがわかった。
それは「サーチアイ」全てを見通す眼という意味で人物でもものでもそれこそ埋蔵金でも探し物の在り処を探せる優れものである。この能力があればなんとかなりそうだ。
「死んでたまるか!運命を変えてやる!」
「まずは内政と金策そして人材集めからだな」
俺は小さい声で呟く。(……はぁ、俺は本当は上杉謙信のファンなんだが。よりによって勝頼か……。
信玄怖いし、家臣皆厳ついし、立場微妙だし……。上手くやらないと本当に死ぬな……)自嘲気味に笑う四郎なのだった。
年齢くらいは意識しますが事実と全く異なるオリジナルの進行になっていきます。