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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第2章海津城編
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東北の英雄との未来への同盟

誰が仲間で誰が敵かは物語上必ずでてきます。人物を調べる中で他家の歴史やドラマで悪役にされている人物が悪役かといえば違うと思います。

勝頼は千代女の前ではいつもニコニコしながら優しく接していた。しかしそれが気に入らないのが葵であった。


勝頼はただニコニコ優しく接していたのではない。勝頼自身令和の時代の知識で望月千代女をよく知っていた…


歩き巫女の棟梁であり武田信玄の腹心のくノ一…武田家には透波や歩き巫女など優秀な忍びがいることで有名である。


その歩き巫女の棟梁である望月千代女が自分の元にいるということは自身は何かしら疑いをかけられており信玄によく思われていないのだろう…典厩信繁の忠告の通りだと思っていた。歩き巫女の棟梁などここまでの大物を普通は派遣しない。


勝頼は胃が痛くなる思いであった…しかし唯一の救いは葵が何故か対抗意識を燃やして牽制してくれるお陰で自然と千代女が動きを封じ込められている。


千代女は武田信玄に何か変わったことがあれば些細なことで良いので逐一報告せよと言われていたが…千代女は伝書鳩を使って文を出すも文が信玄に届くことは一度もなかった。


そう飛びたち一キロも飛んだあたりで全てルミ号に捕食されていたからだ!伝書鳩を消すことなどルミ号にとってたわいもないことであった。空の生態系の頂点である大鷹ということもあるが、ただの大鷹ではなく一回り大きく頭も良い為、並みの鳥や動物は睨まれるとその威圧感にすくんでしまい動けなくなってしまう。そこに鋭い爪とくちばしが襲うのである。睨まれた時点でその獲物はただの食料でしかなくなっている。


ルミ号の威圧感は凄まじく、葵や網丸でさえ何もしてないのに怒られた気になってしまい2.3滴ちびりそうになるくらいである。


信玄は千代女から連絡もない為、やはり杞憂であったかと警戒を緩めるのであった。信玄が千代女をここまで信頼しているのは千代女が信玄の側室であったからである。


まあ勝頼としても叩かれても出る埃もないが、軍備や家臣増員の件で疑われると厄介な為慎重に対応していた。


ある日葵と千代女はお互い別々に明日は早朝から山菜を摘みに行きますのでお暇を頂きますといってきた。今は夏…夏の山菜とは何だろうか?


勝頼は「そうか、気を付けて行ってくるのだぞ」と双方に別々に笑顔で答えるのであった。


そしてその次の日、葵と千代女はお互い別々に朝から饅頭を作っていた。


「ほほほほ、これであの女狸を!」


「フフフフフ、これであの女狐を!」


そしてお互いはお互いを探し声をかける。


「あら葵さん探してましたのよ。お饅頭を作りましたので差し上げようと思いまして」


「奇遇です。私もお饅頭を作ったので食べてください千代女さん」


千代女から受け取った饅頭を葵が食べようとした時、網丸がパクリとそれを頬張りさらって行った。


千代女は葵から受け取った饅頭をペロリと平らげると…「あら美味しい!?あの女狸なかなか良いところあるじゃないの。」ほほほほと笑った。


しかし、数時間後にその真実が明らかになる。網丸はピーを垂れ流したまま失神しており、千代女は3日間厠から出ることが出来なくなってしまった。


お互いに饅頭に強力な天然の下剤を仕込んでいたのである。


葵はピーを垂れ流す網丸を見て危なかったと背筋に冷たいものが流れるのであった。


千代女は「おのれ女狸覚えておけ」と歯ぎしりをするが…厠から出られないのであった。


そんなやり取りを知ってか知らないでか監視がなくなったので勝頼はある計画を実行に移すことにした。


自身の計画では東北も攻め取るつもりだが、全てを滅ぼすのではなく味方も作ろうと考えていた。


そして令和の記憶から白羽の矢を立てたのが山形城の最上義光である。


元服は確か来年であり今はまだ白寿と言う名前だったと思うが、彼は能力が高く、戦さに優れ、自身の体格や力も強く、人情家で中々の人物として伝わっている。そして無類の鮭好きであると!?


勝頼は、政虎に頼み村上の最上級の新巻鮭を用意してもらった。そして霧隠才蔵に命じて勝頼の名義で白寿の元に手紙と共に新巻鮭を送ってもらったのだ。


白寿様へ。私は信濃の武田勝頼です。貴殿の武勇や利発さは噂によりかねがね伺っております。歳も近いこともあり是非ともよしみを結んでいただけたらと考え、この度は文を書かせて頂きました。お近づきの印に最上級の新巻鮭を贈ります。ただ世の中には更に美味い鮭も存在するといいます。お互いに手を取り合い最高の鮭を目指しそれを笑って食べられる世の中を作りたいですね。


文と鮭を受け取った白寿は最初意味がわからなく驚いたが、まずその鮭の美味さに感激した…「美味い!美味すぎる!これ以上に美味い鮭があるだと?」


そして嫡男ではあるが必ずしも自身が最上家を継げるかわからない微妙な立場にいる白寿は自身をこれほどまでに高く評価してよしみを結ぼうとしてくる武田勝頼の言葉に感動して涙を流して打ち震えていた!


勝頼は白寿の心をがっちりと掴んだのである!喜んだ白寿は了承したと文をしたためると共にまだ見ぬ勝頼と固い友情で結ばれた瞬間であった。


現在では最上義守が当主であるが白寿は必ず自身が最上の跡を継ぎ勝頼と供に歩むことを決めたのである。これから内乱等苦難もあるが勝頼は白寿と生涯の友情を築くことに成功したのであった!

白寿こと最上義光は武田勝頼の親友に今後なっていきます。美味い鮭も含めておもてなし…お・も・て・な・しです。最上義光は伊達政宗のドラマなどでは悪役ですが山形では英雄です!たまに思うのはさくらんぼ腹一杯食べたいな…

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― 新着の感想 ―
[一言] 歴史と言うのは勝者が作り、価値観とは権力者が作り出すのだ。
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