表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第2章海津城編
52/169

風魔葵対望月千代女

忍び対忍び、女対女の戦いが今始まります。葵は勝頼の一つ年下で望月千代女は30歳の設定です。

葵は大好きな焼き芋を食べる暇もなかった。勝頼の元に正体不明の忍びが勝頼を狙って連日押し寄せていたからだ。


葵は風魔の結界を海津城に貼り正体不明の忍びを撃退していた。


意外と役に立っているのが網丸だ。間抜けな綿ぼこりがいると思ったら喉元に前足に仕込んだ鉤爪を突き立てる。油断させての一撃は効果的面だった。網丸自身は狸だの綿ぼこりだの間抜け面だの散々敵に罵られ怒り心頭だった為、余計に攻撃が冴えまくっていた。


わん!わん!わん!(狸じゃないもん)


勝頼も城下の異変には気付いていた。何があったのかは理解できないが明らかに監視されている。


ただ相手が誰であろうと敵ならば排除するしか無い!しかし愚かなことだと勝頼は思う。勝頼は忍び分野には力を入れているので忍び力では全国で誰にも負けていない。


そして勝頼の側にはいつも上泉信綱がいる!彼の領域に入って息をしている者など皆無であった。


勝頼は色々な可能性を考えたがあくまで可能性なので考えないようにした。


そんな中、勝頼の元に武田典厩信繁が訪ねてきた。


「勝頼殿、何かがおかしい…そして其方はその才気ゆえ誰かに狙われるかもしれん。用心するのだ」


典厩信繁は、甲斐国の様子が以前と違うことを指摘した。


勝頼は信繁の言葉の意味をにわかに信じられなかったが…無視するほど愚かではなかった。


海津城の警備を固めるとともに、上杉政虎にも逐一文を送っていた。


勝頼が警備を強化したことにより刺客はいなくなった。


しかしそれを嘲笑う謎の僧侶が甲斐国にいたのは勝頼は知らない。


勝頼が警備や軍備を強化すればするほど本国から疑いをかけられるからだ。


人の疑いの心の闇は深く余程のことがない限り晴れることはない。疑心暗鬼の心は膨らむからである。


しかしこの僧侶の失策は勝頼の元に強力な忍びや剣豪がいることを知らなかった事である。なぜ誰も刺客が帰ってこないのかなどを考えれば警戒するものだが彼が老いており病んでいる中で無理をしていた為と、自らの策がはまり全てが上手くいっていた為、見落としてしまっていた。


葵達風魔衆の調査でほとんど証拠は無かったが暗殺の手口が伊賀者に似ていることがわかった。


伊賀忍者と言えば服部は松平、藤林は今川、百地はフリーで忍者を派遣しているという。


勝頼は令和な時代でその名前を知っており何処が相手でもかなり厄介だと思った為、あることを行い身辺の警護を強化した。


小姓の真田源五郎を自らが烏帽子親となり真田昌幸として元服させ真田家の別家を立ち上げ直臣として取り立てることにより信濃衆をより身内として取り込むと共に、彼の配下として真田忍軍の2人の棟梁の1人霧隠才蔵(出浦盛清)を真田幸隆より派遣してもらったのである。


真田幸隆としても、自身には禰津信政がおり忍者衆の統率はさせている為、次世代の棟梁と目される出浦盛清を昌幸と勝頼の元に行かせることはメリットがあった。


自身や長男、次男は武田信玄に仕えているが幸隆自身が勝頼に仕えた時期があり神童や麒麟児と言われる勝頼の実力や勝頼の越後との繋がりも知っていた為、昌幸を分家の当主としてたててもらうことはもし何かあった際にも真田は名を残すことが出来る。


真田家の力を示し昌幸の待遇を良くして勝頼のおぼえを良くする事にも繋がると、先の先まで読んで真田忍軍の大物の海津城出仕を認めたのである。


そのような中で勝頼は霧隠才蔵にある命令をした。望月家の流れを組む真田昌幸を重臣としているので甲賀の望月家もそのよしみにより勝頼に仕えるように甲賀の里に行き望月家を説得し、味方につけてくるようにと。


勝頼は大金の入った袋を才蔵に渡すと才蔵をニヤリと口元を緩めると霧と共に消えた…


味方ながら恐ろしい忍びである。


そして甲賀の望月家を家臣に引き込むことに成功する。ただ金で雇うのではなく家臣にして一族の未来を約束することがより忠義と信頼関係を忍びと築けることを勝頼はよく知っていた。


甲賀の望月家としても一族が重臣の位置におり、目の前の莫大な銭と待遇の良さに断る理由はなかった。


そんな中で勝頼の元に父である武田信玄により夫を戦で無くした未亡人である望月の名を持つ望月千代女が勝頼の元にやってきた。細身で美しい女性であるが、行くあてがなく不憫なので信濃に領地を持つ勝頼の元で女中として雇って欲しいとの事であった。


父である信玄からの頼みを勝頼は断ることはできるわけはなく望月千代女は勝頼の元で働くこととなった。


よく働くその仕事ぶりに勝頼や家臣達は千代女をどんどん信用していったが1人だけ警戒している者がいた。


風魔葵である!千代女の身のこなしや行動を葵は鋭い目で睨んでいた。


身のこなしが只者ではなく行動が怪しいこと、勝頼にベタベタしていること!正室とされている政虎なら仕方ないと思うが…そして最後は女の勘である!


「あの女狐め!」葵はワナワナと拳を握りしめるのであった。


望月千代女の方としても「いつも勝頼の側に張り付いていて邪魔ね。あの女狸め!」


勝頼の知らない所で女忍び同士の戦いが始まっていたのである!


望月千代女は武田信玄配下のくノ一である歩き巫女の棟梁である。


風魔葵も次期風魔小太郎。風魔対歩き巫女…狐対狸の裏の戦いがこうして始まったのであった……







望月千代女は武田信玄に信頼されるくノ一歩き巫女の棟梁です。戦闘能力は葵に軍配があがりますが情報収集力は千代女が上です。狐系の美人の千代女対狸系美女!勝頼の知らない所で炎が上がっているのであった。勝頼には火傷しないことを祈るばかりです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ