まさかな?
武将の名前はフルネームではなく誰もがわかりやすい名前で記載します。
某所の屋敷内で痩せ型だが目が鋭い、現在で例えるなら反町隆史のような男たちが髭をなでながら間者からの報告を受けていた。
「ほう……四郎のやつがな?」
うーむあやつは四男であるし諏訪の血を引いているので、将来は諏訪大社をまかせ諏訪を名乗らせるつもりでいたが、いくら相手が瀕死だったとはいえあの歳で落ち武者をうちとるとは思わなんだ……
儂の血がより濃いということか?これは考え直さねばならぬかもしれんな。太郎は中々素質があるが二男、三男は体が弱く頼りない。ここは信繁のようにした方が良いのかもしれぬ。
まあまだまだ童よ。暫く様子をみるとしよう。あえて傅役はつけなかったが書物を読み漁り剣術にも長けているか……化けるかもしれんな。まずは一度会ってみるとするか……ハハハハハ、と眼光の鋭い男は声を出して笑った。
四郎が6歳になった時、四郎は他の同年代の子供に比べて立派な体格をしていた。 その理由はこの時代は素食であったが、四郎は竹で魚を捕る罠や銛を作って魚を獲り、弓で野鳥やウサギなどを捕まえ食べていたので良質なタンパク質を取れていた為だ。
現在の知識がある為食事には気をつけていたのと、屋敷の庭に畑を作りよもぎやドクダミなど多くの植物を山に入り集めていた。理由はこの時代はまともな薬がない為、薬草を常に育てるようにしていたからだ。
また、この薬草を商人に売り少しずつお金を貯めていた。いつの時代もお金あってのものだからだ。
この歳になると自分の居る場所がわかるようになってきた。屋敷の外に出れるようになったからだがここは諏訪湖をみてここが諏訪であると気づいたのだ。
諏訪?ということは今は武田領か?そして俺の名前は四郎で父も母もわからない?嫌な予感がする…四郎は額より汗が流れるのを感じた…
「まさかな?」
自分が思った通りの人物なら人生詰みだ!そんなことを考えていると、馬に乗った強面の武将が共を引き連れ屋敷を訪ねて来た。
「驚くのは無理はないが儂は板垣信方と申す。お屋形様の命により其方を躑躅ヶ崎の館までお連れせよとのこと。すまぬが直ちに出立いたす。」
混乱する四郎だが有無を言わさず躑躅ヶ崎へと連れて行かれたのだった。
「まさかな?」
次回はいよいよ父との面会になります。多分四郎の嫌な予感は当たっています。