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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第2章海津城編
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闇に光る眼

天井裏や軒下や地下で風魔衆が何か作業をしているようです。

葵達風魔衆が海津城に住み込むようになって暫くした頃、勝頼には気になることがあった…


時々足元や天井でゴソゴソ作業しているような音がするのだが何の音だろうか?


しかし屋敷内は海津風魔衆が勝頼親衛隊として厳重に警備している為、気にはなるが自分に害は無いと考え余分な探索はしない事にした。


これが後になり目玉が飛び出るほど驚く事になるのだが…


勝頼の財力は近隣の大名を凌駕するものだった為、風魔衆には普通の忍びの5倍以上の報酬を払っていた。


これがより風魔衆の忠誠心を向上させ、誰もが勝頼の為なら命を投げ出すくらいになるのだが、勝頼としてみればインターネットのないこの戦国時代の情報の価値を誰よりも知っていた為、惜しいどころか安いくらいだと思っていた。


戦闘に特化して考えれば風魔衆は戦国最強の忍び軍団である。


父晴信は独自の忍び衆を複数抱えているが、勝頼は風魔衆と段蔵に任せている甲賀衆、源五郎に付いている真田忍軍を抱えている。


真田忍軍は幸隆が勝頼の将来性への期待と忍びを重視する姿勢を買っているのと、晴信は独自の忍び軍団を抱えている為、四男ながら源五郎の下に付けたのだ。


勝頼は様々な場所に忍びを派遣するも甲斐国だけは晴信に遠慮して忍びを放たなかった。


これを後になって死ぬほど後悔する事になるのだが…


そんなある日、勝頼は以前の記憶で海津城の近くには未来で武田信玄の隠し湯と言われる松代温泉がある事を思い出した。


「温泉に入りたいな…探して整備するか…」


勝頼は独り言を呟き後でサーチアイで探し出して整備していつでも温泉に入れるようにしようと思った。


しかし勝頼は知る由もなかった…天井裏で四つの目がビカーンと光っている事に…


数日後庭で葵がウトウト居眠りをしていたので勝頼は構ってやろうととある新兵器になるかな?と検討中の武器を居眠りしている葵が目掛けて投げてみた。


シュッ!投げると流石は風魔衆を率いる葵だけありとっさに目を覚ましてサッ!と避ける。そして此方をみてどうだ!見たかこの身のこなしを!とドヤ顔をしているのだが…甘いな!次の瞬間ゴチン!と葵の後頭部に新兵器があたりぷくりと頭にたんこぶができる!


葵は顔を真っ赤にさせて涙目になって頭を抱えながら頬をリスのように膨らませて此方を見て睨んでいる。


そう葵に投げたのはブーメランだ!


鳥や獣は捕まえられそうだが戦で役に立つかは不明なので手近な材料で作ってみたものを冗談で葵に投げてみたのだ!


葵の行動があまりに予想通りだったので勝頼は腹を抱えて笑うのだが、これ以上笑ってヘソを曲げられると厄介だと思い、素直に謝りお詫びとして使い方を教えてブーメランを葵にあげるといくらか機嫌が直ったようだ。しかし痛そうにたんこぶをさすっている姿をみて申し訳なくなってきた為、葵に金平糖とそれを使って作った綿菓子をあげると完全に機嫌が直り笑顔になった。


冗談は顔だけにしようと反省した勝頼なのであった…

葵がウトウト居眠りをしているのは夜な夜な網丸と勝頼の為にあれを探していたからです。次話でそれが明らかになります。頑張れ葵!負けるな葵!そして網丸。

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