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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第2章海津城編
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忍犬参上

今回はギャグです。別に飛ばしてもストーリーにはあまり支障はありません。

勝頼達一行は、武蔵国に到達しており勝頼たっての希望で江戸の周りの地理や地形を数日かけて念入りに調査することになった。主食は穀物やイモ類を段蔵達が定期的に届けてくれているが肉や魚などのオカズは基本現地調達である。


この時代の江戸城は粗末な造りで現在の東京都に比べて陸地が狭く干潟が広がる草ぼうぼうの田舎であった。


勝頼達は狸を2匹仕留め、干潟の蟹や貝などから出汁が出た鍋に細かく切った狸の肉を放り込み、野草などを入れ最後に味噌で味を調える。


これは美味くないわけがない。葵などは舌を火傷させながらリスのように口一杯に頬張っている。


口を閉じているから鼻からヤカンのように蒸気がでているので皆大笑いだ。それに気づいた葵は今度は顔をヤカンのように赤くして怒っているが余計に笑いを取るだけの結果になった。


狸の毛皮は葵が欲しがったので2匹ともあげた。


勝頼は狸汁を食べながら楽しそうに周りの様子を眺めながら独り言を呟いた…


「やれやれ猟犬や忍犬みたいなものがいたら鹿や猪なども仕留めやすくなり、もっと美味いものをたらふく食べさせてやれるのだがな…」


聞こえるか聞こえないかぐらいの独り言だったのだが密かに耳をピクピク動かし眼を光らせ口元を緩ませる者が居たのには誰も気づかなかった。


次の日も朝から勝頼達は江戸近辺を色々調査していた。


朝は昨日の狸汁の残りを食べて昼は魚を突いてとり焼いて食べた。夕飯は狩をして動物か鳥でも獲ろうかと準備をしていると…ゴホン!ゴホンと咳払いがする…


皆で一斉に其方を向くと葵が咳払いをしており足元になんか毛玉のような怪しい生き物を従えてる…


ウォーッフォーン!葵が此方をドヤ顔して見ている…


成る程合点がいった。そういえば夜中から葵の姿が見えなかった…もしかして昨日の俺の独り言を聞いてもっと美味いもんが食べたくて犬を連れてきたから褒めろといったところか…


おれはジト目で眺めていたのだが信春が空気を読まずに大笑いしやがった。


「なんじゃそのもじゃもじゃの狸は!?ワッハッハまさか犬とかいうんじゃあるまいのう?ワッハッハワッハッハ!」


確かに見た目は眼は大きいが中肉中背で手足が短くもじゃもじゃしており、まるで忍者ハットリ君の獅子丸のようだ。


葵は眼に涙を溜めて口を膨らませてワナワナしているが次の瞬間…


ガブリ…信春は飛び上がった!どうやら自分の悪口を言われているのは解るらしい。


勝頼は慌てて止めに入り葵を褒めた!


「流石葵だな!いやー調度このような犬がいたらなと思っていたところだ!でかしたぞ!」


勝頼に褒められ頭を撫でられると機嫌が直ったようだ。どうやら葵の相棒で網丸という忍犬で性別は不明らしい。


なんでも賢い犬で、犬としての能力は勿論だが忍術も使えるらしい…


怒りの火の玉?竹輪手裏剣?まあ深く考えるのはよそう…考えたら負けだ…


その時茂みの方で物音がしたので振り返ると鹿だ!信春に眼で合図して鹿を狙う為に馬を向けようとするとその前にさっと腰の辺りに両腕を当てた葵と網丸が立っている!?


此方に向けてウインクをしている…どうやら網丸と一緒に追い込むから任せておけということらしい。


信春が大丈夫か転がった方が速いんじゃないかと頭で思っていると足の辺りに痛みが…網丸が噛り付いている…やはり悪口は解るらしい…


葵と網丸で鹿を追い込むが、確かに網丸は普通の犬より三倍速い!しかし足の長さも三分の一なので相殺されている…


鹿に逃げられそうになった時、葵が叫んだ!網丸!アレをやるぞ!ワホォーン!


網丸が葵の腕に駆け登るとそれを鹿に目掛けて発射する!


「喰らえ!忍法毒霧の術!」


その瞬間プウ〜プウ〜と黄色い霧が発生し鹿の膝が折れる!今だ!自領ではないので音が大きい短筒は使えない為、信春が弓を放ち命中させると勝頼が槍を突き立てる…次の瞬間…


「くっせえー」


あまりの激臭に勝頼は意識を失いかける…慌てて葵がかけより支える!


これ忍法って言うか屁じゃねーか?しかもこの激臭スカンクより酷い!いったい何を食べたらこうなるの?俺は涙目で網丸を睨むが…


けむくじゃらだが何故か勝頼にはわかった…ポッとなんかこの犬照れてるんですけど!?


照れんじゃねえ!と思ったが…何もいうまい…


この日の夕食はご馳走だったのと…網丸恐るべしと思った勝頼と信春なのだった…

犬や猫のオナラって目にしみる程臭いんですよね…現実でも密室て間近でくらうと一瞬ひるんでしまいます。

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