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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第2章海津城編
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工藤源左衛門

勝頼政権でいつも思うこと、四名臣と勝頼の信頼関係があれば武田は…

越中国では、先の戦さの情報が一向一揆勢により一気に拡散した。


敵は毘沙門天のご加護が付いているらしい!


儂らは毘沙門天が敵陣に立っているのを確かに見たんじゃ!


毘沙門天は雷を落として神保様を殺したらしい!


儂は轟音と共に火が吹いて味方が次々に殺されるのを見たのじゃ!


儂など姿を見てみただけで急に息ができなくなって…


儂ら目の前が暗くなって…


儂は気づいたら気を失っていたのじゃ…


やはり毘沙門天の神罰じゃ!仏罰じゃ!


一揆に加わった農民はおろか、その戦場にいた武士や坊官にまで刻み込まれた畏怖によって、一気にその噂は拡散した。


 こうして全国的に越後の毘沙門天は恐ろしいと広まるのだが、噂の内容はまちまちで、長尾景虎が毘沙門天であるとか、大崎玄蕃なる者が毘沙門天であるとか、越後軍が毘沙門天であるとかなど、様々な形で広がっていった。


 総じて、越後方面には毘沙門天がいて逆らうと罰が当たるらしいという部分が共通した噂として、広まったのである。


「勝頼様、松倉城より使者が参りましたぞ!お会いになられますか?」


「いや幸隆、やめておこう。これ以上この戦いで俺が目立つのは上手くない。直江殿を呼んで対応してもらえ」


「ハハッ」


松倉城の椎名氏は、今回の戦いや領内の状況を冷静に判断して自ら長尾景虎へ臣従する事を申し出たのだ。


勿論その場ですぐではないが椎名氏の臣従は認められた。


その結果、残りの越中半国は長尾景虎のものになり、表向き上、長尾景虎は越後、越中を治める大大名となったのだった。


勝頼は富山城にはあまり武田方の将は配置できない為、景虎に与力を借りることにしたのと、数ヶ月前に登用した男を城代として置くことにした。


実績がないものを何故だって?転生前の俺が実績を知っているからに決まっている。


なんでも関東を兄弟一門と流浪し北条に身を寄せていたが、流れ者や二男や三男を登用して重要してると言う俺の噂を聞き、兄と別れ弟の方だけ俺に仕官してきたのだ。


勿論即採用!明日から来てください状態だ。領内の様々な仕事を振ってみて適性を試したが、オールマイティに優秀だ!流石は武田の副将!


名を、工藤源左衛門昌秀と言う。


彼は驚き暫く平伏していたが低い声で答えた…


「御意に!全身全霊をかけ努めさせて頂きます!」


もの静かなイメージを感じさせる男だが、その瞳は決意に満ち溢れていた


そして一族を呼び寄せ移り住むことになります。

越中は勝頼は富山城、景虎は松倉城を拠点にします。

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