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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第2章海津城編
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大熊朝秀の最後

大崎玄蕃は強すぎる大将と言われた戦さ上手でした。

勝頼は大崎玄蕃として直江景綱の兵と自身の兵200を率いて越中へ大熊朝秀を追って進軍している。


越中と言えば富山城に神保氏がいるが確か一向宗と仲良くしていたはすだ。隙があれば一緒に滅ぼすが…


越後から越中への道はこの時代狭いものだった為、大軍が移動するには不向きだが生憎此方は少数精鋭だ。


今回持ってきた鉄砲隊の鉄砲はこの時代の一般的なものだが、勝頼の軍勢のものは少し違う。銃身に銃剣が装備してあるのだ。なので多少接近戦にも対応できる。


装備は軽装で鉢金と胸当てのみで身軽に動けるのが特徴だ。もう100の部隊も装備は同じだが手に持っているものが変わっている。現在の機動隊が使用しているような大楯でのぞき窓は格子状になっている。


この時代の人々が見たらかなり変な軍勢だ。しかし今回は広いところに出る前に敵が待ち伏せて襲ってくる可能性が高いのと、もしかしたら城攻めもあるかもしれないのでこの軍勢は有効だ。


勝頼の軍はある掛け声を導入している。この時代に転生する前に俺はスポーツをやっていたが、掛け声があった方が腹に力が入り成果を上げられた。


今回俺の軍に導入した掛け声はたしか九州の立花?が導入していた掛け声で、えいとー!えいとー!だ。


段蔵が背後から現れる。


「殿、この先の越中への入り口付近に一向宗が待ち構えてますぞ。神保の旗もあるようですが」


「予測通りだな。騎馬隊は後ろにまわれ!盾隊を前面に押し出せ!鉄砲隊は盾隊展開後二つに部隊を分け二列に並べ!」


勝頼は各隊に指示を出す。


大熊朝秀は神保長職と一向一揆勢の協力を取り付けて越後勢を待ち構えていた。


「蘆名が上手くやってくれたようだな」


「大熊殿、あの程度の少数の敵、我ら越中の一向宗の敵ではありませんぞ!」


「敵が見えたぞ!敵は少数だ!我ら一向一揆の力見せてやるぞ!かかれー!」


南無阿弥陀!南無阿弥陀!南無阿弥陀!南無阿弥陀!南無阿弥陀!南無阿弥陀!南無阿弥陀!南無阿弥陀!南無阿弥陀!南無阿弥陀!南無阿弥陀!南無阿弥陀!南無阿弥陀!


念仏を唱えながら越後勢めがけて襲いかかるが彼らの武装は竹槍を中心とした粗末なものであった。神保勢が弓を撃ちかける。


「始まりましたな」


直江景綱が俺の横で話しかけてくる。


前線の部隊は直接の指揮は真田幸隆に任せてある。


「盾隊前に!えいとぅー!」


盾隊は弓を防ぎつつ前進する。えいとー!えいとー!


「なんだあれは?弓が効かんぞ!」


えいとー!えいとー!盾隊は敵の先鋒の前に展開する。密集して並んでいる為、もはや陣地である。


重装備ではない敵はこれを突破できない。当然ただ守っているだけでなく鉄砲隊の鉄砲が火を噴く


「撃てー!」


爆音と共に五十丁の鉄砲が火を噴く!


この時代は、まだ鉄砲が広まっている地域が限られていた為、轟音と共に先頭の五十名が一気に倒れたのだ!敵は混乱状態となった。しかし容赦なく第二射が放たれる。


こちらの馬は事前に耳を塞ぐように指示してある為混乱はないが、敵方の馬は驚き暴れている!


「鉄砲隊と盾隊はそこに待機!幸隆の指示で状況により動け!」


「騎馬隊前に!我を中心に蜂矢の陣になる」


「きけい!仏を畏れぬ不届き者どもよ!先程の轟音は仏罰よ!毘沙門天の怒り思い知るが良い!」


勝頼は景虎から借りた白地に毘の旗を揚げさせる!そしてスキル毘沙門天を発動する!俺の前方にいた敵兵はゾクッと感じた次の瞬間泡を吹いて倒れたり失神する!


そして勝頼の背後に毘沙門天が浮かび上がる。


ひぃぃぃぃ毘沙門天じゃ〜相手には毘沙門天がついているぞお助け〜!


仏を心の支えに統制が何とか取れている一向一揆勢は目の前で毘沙門天の仏罰が下るのを実際にみたのである!我れ先へと逃げていく!


「今だ!全軍突撃!」


勝頼を中心とした騎馬隊は逃げる敵を蹴散らしながら敵本陣へと一気に迫る!そして本陣は瞬く間に乱戦になる。


敵の大将格が一人逃げようとしているのを見逃す俺ではなかった。


「何処へ行かれるのですかな?神保どの?」


「ま、待ってくれ、降伏する!」


しかしこの神保長職は史実で何度も謙信の足を引っ張り最後は憎き織田へ降ったのを俺は知っているので問答無用で槍を突き出す。


「敵将!神保長職!この大崎玄蕃が討ち取ったり!」


敵は大将の討ち死にに戦意喪失し逃げるか、武器を捨てて降伏した。兵の降伏は許したからだ!


大熊朝秀は捕らえて命を助けたかったが、長職の討ち死にに、もはやこれまでと刀で自らの首を切り自害して果てた。


「お見事です。お味方の大勝利ですな」


直江景綱はこの目の前の少年である大崎玄蕃…いや武田勝頼に心底感嘆し、惚れ込んでしまったのであった。この方が婿なら越後は安泰だと。


勝頼はこの後、神保方の諸城を制圧し、富山城に入った。神保長職の討ち死ににより神保方はほとんどが戦わず俺に降伏したからである。


景虎と戦いの前に取り決めておいた通り切り取り次第俺の領土だが、武田との関係と俺自身が夢の為に力をつける必要があった為、今回切り取った越中半国は表向き長尾領、大崎玄蕃の領地となったのであった。

長尾領という隠れ蓑の中領土を手に入れます。

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