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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第2章海津城編
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大崎玄蕃

偽名としてかつての偽名大崎玄蕃を名乗ります。

謀反を起こした大熊朝秀を討伐すると景虎は味方が集結している国境に急いだ…それを護衛するように勝頼は200の軍勢を率いて同行していた。


勝頼は自領で二つの鎧を作らせていた。武田勝頼として着用する織田信長の南蛮同具足を赤にして武田菱が頭部に入ったもの、お忍びの際に着用する黒を主体にした石田三成が関ヶ原で着用した具足。


今回勝頼は、石田三成タイプの鎧を着用して頰当てで顔を隠して大崎玄蕃を名乗っていた。声が少し幼いので背後で段蔵に声色で喋ってもらっている。


旗印は武田勝頼として使用している赤字に金の毘や大一大万大吉は使用できないので時間が無かったこともあり白地の布に大の一文字を書いて使用している。


しかし大の字か…人が一番と書いて大、悪くはないが色々思うところがある。


俺の祖先の本当の勝頼は、風林火山や武田の旗が全て使えない中、この大の字を背負って認めてもらう為に戦場に向かう際どんな気持ちだったのだろうか?


そして勝頼は3000の越後勢と合流した。長尾政景が事情を全て話してくれ、俺は客将の大崎玄蕃として紹介された。


勿論頬当ては外さないし、会話は段蔵が姿を消して声色で話してくれている。


越後勢は最初怪しい奴と思ったようだが、勝頼の眼光、覇気で只者ではないと感じ何も言わなかった。


そして景虎を先頭に箕冠城へ進軍したが、大熊朝秀は多勢に無勢と越中へ脱出していた。


「おのれ!朝秀を追うぞ!」


景虎が言ったと同時に春日山城から早馬がやってきた。


「殿、大変にございます!我が領内に蘆名軍8000が進軍しております!」


「なんだと!蘆名だと!おのれぃ!」


景虎は怒り狂っている…嫁を間違えたかな?俺夫婦喧嘩したら殺されるかも…と思ったのは内緒である。


大熊朝秀が蘆名とも通じていたようだ。しかし8000もの相手となると今の長尾家では両方を相手にするのはかなり厳しい!


しかも朝秀は越中で一向宗を先導してこちらに仕掛けるべく兵を集めたらしい。


そこで俺は提案した。


「景虎殿!私に騎馬300をお貸ししてくださりませぬか?」


越後集は騎馬300を貸して欲しいと言った俺の方を全員注目する。


元来人付き合いがあまり得意でなく不器用で一匹狼だった俺にはこれは少しこたえる。


「大崎殿、もし300騎馬を貸したとて其方の軍勢を足して500。それでどうすると言うのですか?」


少し冷静になった景虎が尋ねる。


「大熊の件は全て任せて頂きたい!私がけりをつけます!」


一瞬、皆が静かになったが嘲笑が漏れる。馬鹿がたった500で何ができる?気が触れたか?


越後勢が思うのは無理もない。一向宗と決起すれば最低、敵は数千は超える。普通に考えれば500の兵など皆殺しにされるだろう。まあ普通ならだがね…


景虎は勝頼の目を見る。そして勝頼は頷く。


「わかりました!越中は大崎殿に任せます。騎馬300を貸し、我々は兵を整え蘆名にあたります!」


「誰か騎馬300で大崎殿に与力してくれる者はおらぬか?」


だが、誰も手を挙げない。それは当たり前だ、良くわからない客将と何倍もの敵が相手の死地に乗り出すより当主と共に蘆名と戦い武勲をたてた方が良いに決まってる。


勝頼はならばと、自軍だけで行こうとしたが背後から声をかけられた。


「大崎殿待たれよ!我らが共をします」


景虎は越後国内で兵をかき集め10000の兵で蘆名との戦いに赴く。


勝頼は景虎から騎馬300と白地に黒で毘の旗を借り受けていた。


景虎を見送った後、騎馬隊の隊長が声をかけてきた。


「さて我らも向かいますかな?我らはあなた様を信じています。いかようにもお使いくださいませ」


そして俺は直江景綱と共に越中へと向かったのだった!


史実とはずれるのが定めです。すいませんよろしくお願い致します。

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