毘沙門天の導きのままに
主人公の第2のチートスキルが判明します。
神が与えるといった3つのチートスキルのうち2番目のチートスキルは毘沙門天!その名のごとく毘沙門天の加護を受けたもので矢弾が当たらないのは勿論、嵐や雷鳴を起こしたり、某漫画の覇王色の覇気のような真似もできる。某漫画の幽波紋能力のように具現化することも可能の優れものだ。
汚いだって?フフフフフだってチートですから。
長尾景虎が海津城下の毘沙門堂に向かったことを知り、俺は向かうことにした。
なぜわかったかといえば確か史実でこのころ出奔騒ぎがあったのを思い出したのと見る人が見ればわかる彼女の愛刀である姫鶴一文字を腰に下げた怪しい女性が毘沙門堂に向かったなどと言えば嫌でも気づく。
先回りして商家に隠れて見ていたが夢にまでみた長尾景虎は、現代では言う所の石原さとみの様な黒髪の美しい女性であった。
『惚れてまうやろ!』と俺が心の中で思ったのは言うまでもない。
景虎が毘沙門堂で祈りを捧げていると背後より声が聞こえた。
「毘沙門天の導きに感謝いたします」
「何者ですか?」
景虎は刀に手をかけるが…振り向いた先にいたのは優しい顔で微笑む背は自分よりも少し高いが精悍な顔立ちをしたまだ幼さの残る顔の少年が立っていた。
「私も毘沙門天の御加護を受けるものです。貴方様もそうでありましょう?長尾景虎様」
景虎は絶句した。何故自分の正体がバレたのかもそうだがこの少年は一体何者なのかと驚いた。
「もし私が其方の言うような長尾景虎だったとしたらどうするつもりなのですか?」
「ずっとお慕いしておりました。ずっと逢いたいと思っておりました」
「以前より私が贈った品々はお気に召して下さってるようでなによりです」
景虎は悟った。数年前からの手紙と贈り物の主がこの少年であることを…まさかこんなに年下からあのような贈り物や手紙を貰っていたとは夢にも思わなかった。
「もし其方が手紙の主だとして今もお若いが数年前は幼子だったはず。何故私だったのですか?」
景虎は誰でも当然思うことを聞かずにはいられなかった。何故幼い頃から自分を慕っていたのかを?
海津城にいるということは武田の傘下のものの筈だ。
「全ては毘沙門天のお導き。私と貴女様が出会うことは産まれる前より決まっていたのです」
到底信じられない話だが景虎は信じるしかなかった…何故なら彼の背後には毘沙門天が降臨していたからである。
「全ては毘沙門天のお導きのままに…」
そして景虎はふっと意識を失ってしまうのであった…
そして勝頼はそれを優しく受け止めた…
毘沙門天を信仰している景虎にとって毘沙門天の言葉は彼女の全てなのです。ちょっとずるい口説き方でした。