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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第5章関東統一編
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暗殺決行

いつも誤字脱字ありがとうございます。

小田原城では旅の一座による催しが行われた後の宴の為の準備がなされていた。


武田勝頼はじめとする家臣の者達は皆顔に戦の時に装着する面頬を装着しており、異様な雰囲気を醸し出していた。


しかも勝頼に於いては頭には頭巾を被っている異様さである。


宴の準備の為控え室にいる大蛇は、もしや気付かれたのではないかと気が気でなかった。


しかし、気付かれようとそうでなかろうと暗殺対象である勝頼がこの場にいる事が大事なのだ。


頭巾と面頬で顔を隠しているが、あの眼だけは見間違う訳がない。


あの鋭い凶悪な目つきは今まで散々探ってきた勝頼のものに間違いない。


しかし、どうやったらあのような野獣のような恐ろしい目つきに産まれてくるのかと背筋が寒くなる。


因みに大蛇も狐のような細いつり目をしているが、勝頼のあの目に比べれば可愛いものだと思っている。


そんなことを考えていたのだが、大蛇はある異変に気が付く。


連れてきた女達の人数が少なくなっているのだ。


「どういうことだ?」


女達の人数が減っていることを疑問に思っているうちに宴が始まると言う為、部屋に呼ばれてしまった。


大蛇は仕方なしに残った女性達を武将達にあてがう。


女達は国元の家族を人質に取ったり、あえて自分達の集団内に大切な存在を作らせそれを人質に取る事により絶対裏切れないようにしてある。


女達には毒を仕込んだかんざしを頭につけさせており、それを使って勝頼を殺させるのだ。


勿論女達には死んでもらう。たとえ生き残ったとしても口封じの為に全員殺せと佐竹義昭から命じられているから彼女達の命など屁とも思っていないのだ。


後は大蛇が合図するだけであった。


しかし、大蛇がその機会を伺っていると、世話役の風魔衆に連れられて牙とくうが入ってきて勝頼の隣に座る。


葵は今回この旅の一座に関しては不愉快だと、最初から参加していない。


そして牙とくうの前に大きな桶に入れられた肉が運ばれてきたのだが、それを見て大蛇や女達は目玉が飛び出るほど仰天した。


謎肉の端に人間の髪の毛のようなものや、見覚えのある髪飾りや着物の切れ端が入っていたのである。


それを牙とくうは、器用に異物をはじきながら血の滴る謎肉を口元を血に染めて頬張っている。


勝頼は面頬からも分かるような冷たい笑みを浮かべながら大蛇達を見回す。


「たまたま新鮮で柔らかい良い肉が入ったので此奴等が喜んでおるわ」


勝頼が低く冷たい声で囁いたのを聞き大蛇や女達達は震え上がり腰を抜かしそうになる。


「遠慮なく食らえ、まだまだ新鮮な肉が手に入りそうじゃからのう」


その言葉を受けて遂に女達の中には失神する者、失禁する者、腰を抜かす者達が続出した。


大蛇の命により、唯一女達を束ねる女性がかんざしを引き抜き勝頼に襲いかかるが、勝頼は軍配をかざしてそれを防ぐ。


「甘いわ」


[ガキィィィィン]と言う音が部屋に響く、そして勝頼が軍配を振ると一斉に女達は捕らえられてしまった。


大蛇は腰を抜かしながらも這って逃げ出した。


運良く大蛇の行く先には見張りの兵達や追っ手がいなかった為、何とか城外まで逃げ出すことができた大蛇だったが、気が付けばたった一人だけになっていたのであった。

色々疑問点があると思いますが、次の回で明らかになります。

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