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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第5章関東統一編
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それぞれの感想

いつも誤字脱字ありがとうございます。

[馬揃え]が無事大成功を収めた小田原城下では、皆それぞれ多様な反響があった。


何かをやり終えた様に、白い息を吐きながら額に汗を、頬を赤らめながら「ふーっ」と目をキラキラ輝かせながら額の汗を拭う葵と網丸、相変わらず圧倒的な威圧感と畏怖を放つ牙とくう…そしてそれを生暖かい目で見守る武田勝頼がその場にいた。


勝頼は思った…これは令和の時代で言う旗手…いやチアリーダーであると。


集まった来賓の数々や、民衆達も、最初は摩訶不思議と思っていたが今は皆違う。


嫌いでない…嫌いでない…むしろ良い…凄く良いと思っていた。


お捻り?ではないがこの後、葵の元に花やお菓子、反物や銭など様々な貢物が集まったと言う。


しかし、もてたのは葵だけではない、勝頼は参加していた女性陣からの憧れとなりキャーキャー騒ぎ立てられ、参加した隊長達も大人気となったのだ。


十三番隊の隊長は、顔は分からないが身長が170センチを超える大柄であったが線は細い様だ。


参加した来賓達は武田軍の将兵の訓練度の高さ、最新装備、そして威風堂々とした態度に感心すると共に惚れ惚れするのであった。


民衆達に置いては、感動と感激以外の何ものではなく、自分達を守ってくれる勝頼と武田軍をまるで自分達のように心底誇らしく思った。


参加した山県昌景を始めとする将兵達は、誇らしく感じると共に、十四番隊の演奏する陸軍分列行進曲を聴くと腹の底から力が漲ってくるのを感じていた。


そして皆が思う…勝頼様と共にこの日の本をこの小田原の様に民が笑って安心して暮らせる世の中にする為に、命を賭けて勝頼様についていくと…


[馬揃え]に参加した将兵には終了地点で皆に温かいお雑煮が振る舞われていた。


それだけでもありがたいことなのだが、武田勝頼はやる事が異常だった。


武田勝頼を始め、葵、お早、武田信玄と奥方や娘達、北条氏康と奥方や娘達、親族衆…普段顔を近場で合わせる事が出来ない雲の上の存在達が労いの言葉を一言かけながら自らお雑煮や甘酒をよそい、手渡し配っていたのである。


普通、大名と言う者達は、背後に控えて上から命令を下すだけであり、部下や一兵卒に向き合うことなどあってはいけないものである。


一兵卒に至っては、他国では一生かかってもありえないことである。


武士と言う生き物は世界一礼儀正しく忠義深い生き物である。


大名や領主から声をかけられただけで感動して涙を流す彼らにしてみれば、関東公方、高位官位持ち、琉球王である武田勝頼がこんなことをしたらどうなるか想像して欲しい。


もう、感動、感激のあまり言葉にならず涙する者が続発したのである。


しかし、彼らの忠義心は富士山よりも高くなり、ここに勝頼の為ならば喜んで命を捨てる無敵の修羅軍団の結束が高まったのである。


10倍くらいの兵力差なら、跳ね返せるくらいの勢いであった。


健気?なのは葵である…目の前に美味そうなお雑煮があるにもかかわらず、勝頼が将兵を労うのならと垂れそうになるよだれを耐えながら、お腹の虫と戦い笑顔でお雑煮をよそい配ったのだ。


たぶん心の中では血の涙を流していただろう…あの表情を顔に出さない風魔小太郎がポカンとしながら口をあんぐりとあけて惚けていたのを彼を知る者達が驚いた程なのだから。


勝頼はその様子をみて、後で美味い物を葵にたらふく食わせてやろうと優しい目で微笑むのであった。


それくらい、葵は自分の食べ物を大切にして命を賭けているのである。


しかし勝頼はそんな葵が大好きだった…勝頼の趣味の一つは料理で、愛する人に美味しそうに食べてもらうのが何よりも嬉しかったからである。


葵からすればむしゃむしゃ美味しい物を食べているところを勝頼に見られているのは不本意?いや恥ずかしさもあるかもしれないが、それぐらい可愛いのだ。


そして葵の方としても、勝頼が色々考えて産み出す様々な美味い料理に抗うことはできなかった。


だって…美味い…美味すぎるから。


勝頼は元々料理が他者よりも得意でむしろ上手いと言われていたのだが、愛と言うスパイスも加わり格別な味を葵に対して提供している。


最後に一つだけ言うならば、美味いは正義。美味しい物を食べる幸せをずっと葵と共有したい…

好きな人に美味しいもの食べさせたい。男なら皆思いませんか?

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― 新着の感想 ―
[一言] 浮気しているようにしか見えぬ…だって、側室だろ?
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