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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第5章関東統一編
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虎の威をかる葵

いつも誤字脱字ありがとうございます。

葵は驚いていた…まさかくうと牙が虎と白虎だったなんて…今まではやや大きめの虎猫だと思っていたのだから…


そう言えばくうと牙が熊とじゃれていることがあったがいつの間にか噛み殺していて熊鍋を食べたことがあったような…通りで強い訳だ。


しかし、葵にとってはそれはどうでも良いことだった。


くうはくうだし、牙は牙だ、寝る時もいつも勝頼と葵と同じ部屋で寝ている為、見慣れているし家族みたいなものだ。


しかも昼寝をする際に枕代わりにするともふもふして気持ち良い。


勝頼と葵にじゃれる、牙とくうをみて周りの者達はみな尊敬と畏怖の眼差しでそれを眺めていた。


その視線に気が付いた葵は皆が葵の気品と美しさを認めて眼差しを向けていると勘違いした。


私にも風格と言うものがついてきたみたいだと…そしてポッと頬を赤らめて…「私って罪な女子」と悶えるのだった。


通る場所場所でさっと左右に道が開くし、さっと目を向けられた者は恐れ慄くのである。


葵の鼻は如意棒のように何処までも高く伸びていった。


しかし…実際は虎の威をかる何とかなのである。


皆の者達は、葵が向いた方向にくうも顔を向け『わかってるな?』と言わんばかりに威圧される為、恐ろしくて仕方ないのだ。


そして葵がくうの顔を見た際にはゴロゴロ喉を鳴らして尻尾を降っている為、葵はそれに気が付かないのであった。


そんなくうを見てドン引きな勝頼と牙は互いに女は恐ろしいと思うのであった。


そう…二面性、二つの顔を使い分けているのである。


勝頼は牙の方に憐みの視線を向けて肩をすくめる…牙が将来尻に敷かれる未来が垣間見えたからだ。


牙も勝頼の方を見て『がううううん』はぁ…とため息をついている。


ともあれ、戦利品を捌いて小田原城へ戻る勝頼一行なのであった。


積もる話もあると思い、三好長慶と松永久秀は三好義興の小田原城下の屋敷にまず入ってもらった。


各自もそれぞれの屋敷で夜の宴までの休憩と言うことになった。


史実では、今年三好実休が根来衆に鉄砲で撃たれて戦死し、来年三好義興が謎の病死をする事になっている。


あと二年、両名を小田原に留めておけば両名の死亡率は下がるであろう。


勝頼が目指す日の本統一の為には、両名の命を助け、三好長慶に史実より長生きをしてもらい、最終的に同盟関係にある大名達に豊臣秀吉のようなやり方で臣下の礼を取ってもらい協力して国を治めるのが手っ取り早い。


勝頼の基本戦略は、同盟関係の大名達と良好な関係を築きながら、経済力で全ての方面に影響力を強める。


そして、今川義元など手強い敵から倒すのではなく、戦略的に有利な場所から攻めて領土と勢力を拡大する。


まずは見せしめを兼ねて佐竹氏を攻め滅ぼし、東北地方へ攻め込むのが今年の目標だ。


できる事ならば、佐竹義重だけは殺さずになんとか配下に欲しいと思っているのだが…謀略をかけるか…隣にいる葵が一瞬ビクッとする程悪い顔をしていた勝頼なのだった。

白虎の牙はホワイトタイガーです。

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