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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第4章小田原城編
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輝虎出産

子供が産まれそうになったので勝頼は春日山城へきています。

勝頼は葵と共に越後の国の春日山城を訪れていた。


上杉輝虎が第一子となる男児を出産したからだ。


「でかしたぞ輝虎。見事な男の子だ」


「ええ、この子を抱いてあげて下さい」


「元気の良い男の子だな。私は其方の父ぞ」


「名前をつけて貰えますか?」


「わかった。其方の名前は虎千代じゃ!虎千代と名付ける」


名前が気に入ったのか、虎千代は一瞬笑った気がした。


勝頼は、この子の為に誰か優秀な家臣をつけてやりたいと考えてある事が閃いた。


確か昨年、樋口兼豊の所に後の直江兼続が誕生した事を思い出したからだ。


勝頼は、輝虎に将来きっとこの子を支える存在となる為、樋口兼豊の子供を虎千代の家臣として教育して共に勉学に励ませる様に提案した。


輝虎は少し考えたが、勝頼がそこまで押すのであれば何か考えがあるのだろうと了承した。


「それと、気が早いようだが、この子の傅役を是非お願いしたい者がいるのだが」


「それは誰ですか?我が上杉の家中の者で勝頼様がそこまで押す人物でしたら私は構いませんが?」


「うむ、上杉家中において私はその人物を誰よりも評価している」


「実は要件は話していないのだが、既にここに呼んでおり隣の部屋で待ってもらっている」


その人物は、隣の部屋で勝頼の話を聞きながら目頭を押さえていた。


一生独身で、後継を産むのは難しいと思っていた輝虎が婚姻を結び、更には嫡男を産んだことに深く感動していたのだが…


話の流れの中で、婿である武田勝頼殿は自分をそれ程まで評価して信頼して、自身の嫡男を…上杉家の後継ぎの傅役を自分に託そうとしてくれているのである。


直江景綱は、上杉家にとって重臣中の重臣であり輝虎の信頼も厚い。


そんな景綱の上杉家、いや上杉輝虎への忠義心の強さは誰もが認めるものであった。


もし、輝虎に世継ぎが産まれた際には自身が側でその成長を見守りたいと密かに夢を見ていた。


しかし、こればかりは主君である輝虎が決めることであり、もし傅役を置くとしてもまだ暫く先のことだと考えていたのだ。


勝頼は「その者は上杉家一の忠義者であり我が子を託すのはむしろその者は以外には考えられない」とまで言い切った。


「輝虎、入って貰って構わぬか?」


「ええ、もちろんです」


輝虎は、夫である勝頼がそこまで押す人物とは誰であろうと頭の中に上杉家の重臣達の名前を思い浮かべる。


「入ってくれ、直江殿」


襖が開くと直江景綱がすすっと入ってきて祝いの挨拶を述べる。


「直江殿、先程の話は聞いていたな?」


「ハハッ」


「親族以外でこの虎千代と対面するのは其方が初めてだ。それ程に信頼しているのをわかってくれるな」


「勿体ないお言葉」


輝虎が「でしたら虎千代の傅役の話引き受けてくれますね?」


「ハハーッ。この直江景綱、この命を掛けて若君に仕えさせていただく所存にございます」


「その言葉が聞けてほっといたしました。景綱なら安心です」


「夫はこう言いましたが、実は私も最初から景綱にこの子を頼みたいと考えていたのです」


「だから、夫が勧める者が私が思っていた者と同じで心底安心いたしました」


「この子を抱いてやって下さい。あなたはこの子の爺になるのですからね」


恐る恐る虎千代を抱く直江景綱であったが、その目には涙が浮かんでいた。


そして、若君への終生の忠誠を誓うのであった。

傅役をつけるのはまだ早い気がしますが、嫡男誕生に気がせってしまった勝頼なのでした。

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― 新着の感想 ―
[一言] もー、所々言葉が…。後会話文程分かりにくいのはないからそれなら第三者してんでシーン切ったりした方がいいよ。
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