表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第4章小田原城編
132/169

勝頼の想い

誤字脱字ありがとうございます。

風魔小太郎は葵に真剣に向き合う…実は葵が風魔早苗の死を知った時にいつか話をしなくてはならないと用意していたのだ。


「葵よ…お前に渡したい物があるのだ」


風魔小太郎は懐中から上等な袋に納められた短刀らしき物を葵の前に差し出す。


「父上、これは?」


葵は疑問と共に父の目を見つめる。


「うむ、これはな。葵の母の唯一の形見だ」


風魔小太郎は葵にそれを開ける様に促す。


葵がそれを開けると美しい装飾がなされた短刀が出てきた。


葵が短刀を恐る恐る抜くと、二条藤がはばきに刻まれていた。


「これは葵の母の出自がわかる唯一の物だ」


葵の母は隠し子だった為、父である二条晴良から唯一与えられた物がこの懐刀だけだったらしい。


葵は五摂家の娘に産まれながら、表舞台に立つことは許されず、逃げる様に東国へ送られてた母を思うと胸が苦しかった。


「父上…お爺様は母や私のことをご存知なのでしょうか?」


「葵が産まれたこともえりが亡くなったことも知らんだろうよ」


「そんな…それでは母上があまりに可哀想です」


その言葉に風魔小太郎は何も答えられなかった…


そんな中で勝頼が口を開く「案ずるな葵…いつか必ずこの私がその件を二条晴良殿に取り次いで見せる」


「勝頼様」


「葵よ、私は葵のことを誰よりも愛している…たとえ誰の子であってもだ」


「葵はもし私が今の立場を失ってもついてきてくれるか?」


「当たり前です…勝頼様だから私も好きなのです」


「なら私は、どんな立場になろうとも泥水をすすってでも葵を幸せにすると誓う」


たとえこの身が滅んでもな…勝頼は決意の眼差しをするのであった。


愛する女を幸せにする為ならたとえ自分がどうなっても…たとえ死んでもその約束を守る気概が勝頼にはあった。


世の中男と女しかいない…勝頼は転生者であるが…年齢差は愛に関係ないと思っていた…


死ぬほど好きだと思える相手が歳が離れていたからどうだというのだ?


好きな気持ちには抗えない…だから愛するしかないのだ。


勝頼は葵がついてきてさえくれればなんでも出来ると思っていた。


たとえ今の不遇な状態であろうとも葵の為に頑張ると…


「葵愛してる…」しかし葵が大切すぎて接吻以上のことができない悲しい勝頼なのであった。

勝頼は葵が一番好きなことに気がついたようです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ