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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第4章小田原城編
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涙涙の物語

いつも誤字脱字ありがとうございます。

サーヤが目を覚ますと、ベッドの上に寝かされており、心配そうに風魔葵が看病をしていた。


風魔葵は忍者だけあり、医学や薬学にも明るかったのだ。


サーヤは自身が綺麗な着物を着ている事に気付き、驚くと共に、とっさに母の形見の短刀を探したが枕元にそれは置いてあった。


サーヤは良かったと短刀を抱きしめる…しかし、此処は一体どこで、何故このような格好をしているのか混乱した。


葵が、大丈夫、私が着替えさせから…此処は武田水軍旗艦の医務室よ。


サーヤは9歳の為、勝頼より一つ歳下の葵はお姉さん風を吹かせる。


そして武田勝頼達を呼ぶように配下の者達に命令するのだった。


旗艦の信濃には、主だった武将が全員集まっていた。


武田勝頼、北条氏康、武田典厩信繁、山県昌景、上泉信綱、真田昌幸、雑賀孫市、島津家久、三好義興、三好実休である。


島津家久がサーヤの短刀に気づき、目を見開き驚く。


武田勝頼に、サーヤの短刀に刻まれている家紋が琉球王国の王族の物だと伝える。


武田勝頼は驚き、サーヤの短剣の家紋を見るが、前世の記憶の琉球王国の王族の物に間違いなかった。


勝頼は暫く考えこむが、その瞳の奥はギラリと輝くものがあった。


勝頼は葵に命じて水と粥を持ってこさせサーヤに差し出す。


サーヤは混乱していたが、極貧生活でろくな物を食べてなかったので空腹に負けて粥を夢中になって頬張る。


余程腹が減っていたのだろう…可哀想にと勝頼は持っていた干し柿をサーヤに手渡すと、戸惑いながらもサーヤはそれを頬張った。


甘い。サーヤはこんな甘い物を今まで食べた事がなく感動で涙を流しながら食べている。


サーヤに年齢を聞くと9歳との事だが、どう見ても7歳児くらいにしか見えなかった。


余程栄養状態が悪かったのだろう…勝頼は胸が締め付けられる思いであった。


そして腹一杯食べて落ち着いたサーヤにこれまでの経緯を話す。


するとサーヤはベットから飛び起き土下座して勝頼に感謝する。


勝頼はこんな慌ててそれをやめさせる「よい。よいのだ。やめてくれ」


勝頼はこのような幼い子供に土下座されるのは我慢ならなかったからだ。


勝頼はサーヤに今までのことを全て話してくれと優しく頭を撫でる。


サーヤは勝頼に促され、今までの生活や、今まで起きた事を全て語るのであった…


サーヤが全てを話し終わった後、聞いていた者達からすすり泣きが聞こえる…


武田勝頼は「安心せよ、サーヤは私が守る」と何かを決心した顔でサーヤを抱きしめる。


北条氏康は涙を流しながらこのような幼き者に対してなんたる仕打ちよ…と言えば…


武田典厩信繁は、こんな幼子になんて酷いことをとすすり泣き…


山県昌景は、許せぬと泣いている…


上泉信綱は、無言で涙を流している…


真田昌幸は、何故このような仕打ちができるのか?と涙し…


雑賀孫市は、豪快に泣いている…


島津家久は、人のやる事ではないと肩を震わせ泣いている…


三好義興は、許せぬ…三好家次期当主として援助を惜しまぬと泣き…


三好実休は、辛かったのだなと涙する…


風魔葵は、一番号泣して最早声になってない…


葵は何より大切にしている勝頼から貰った金平糖を懐から出してサーヤの口に押し込む。


葵が自分の食料を人にあげるなど天変地異が起こると言われる程なのでこの重みがわかる…


しかし、サーヤはでも私は幸せです。だってシーサー王様が私を助けてくれましたから。


これを聞いて武田勝頼の涙腺は崩壊した…


サーヤにとって武田勝頼はシーサーの化身であり救世主だった。


暫くその場は嗚咽に包まれたと言う…


その場にいた誰もが思った…サーヤを守りたい、助けたいと…


そして全員が心に誓った…絶対にサーヤを追い込んだ琉球王を許さないと。


最後に葵が何か言っていたのが聞こえた。サーヤ、貴方は今日から私の妹。だから私が家族だからと。


それを聞いたその場の者は更に涙をするのであった…

日本人はこう言う話に弱いのです。勝頼も葵もね…

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