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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第4章小田原城編
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密航者

いつも誤字脱字ありがとうございます。

武田勝頼と武田水軍は、薩摩の国の桜島の裏の沖に停泊していた。


噴火を繰り返す桜島に、葵と網丸はドカンと言う度にびくっと飛び跳ねていた。


網丸はと言えば、噴火のせいで尻尾が驚いた猫のように膨らんでいる…


勝頼は葵に、「網丸は全く猫なのか狸なのかわからんな」と、じと目で呟いている。


葵も額に汗を流しながら…「いえ、多分犬のはずです…」と答える。


そのやりとりを聞いていた網丸は心の中で「酷いわ葵ちゃん。そんな自信なさそうに言わないで。私は犬だから…犬」白目…。


三好義興と三好実休はひそひそと小声で…勝頼殿の奥方は珍獣を連れておるとは聞いておったが本当であったな、然りしかりと苦笑いしてる。


聞こえてますと葵は心に思いながらプンスカプンスカしている。


そんな平和なやりとりをしている中で物見の者が叫ぶ。


大変です。小船が一艘近付いてきます。


なんでも傘を被った1人の男が船を漕いで近付いて来ているとの事。


何処だと目をやると確かに小船が浮いているが、誰も乗っていない。


気のせいだろうと山県昌景が答える。


しかし、刀を錆びないように油をたっぷり染み込ませた布で包み、潜水して泳いできたその男は錨をよじ登り、船内に侵入して船底の倉庫に潜り込んだのであった。


そう。密航者である。この男は、大型船が通るのをたまたま沖で釣りをしている時に見かけ、今回の行動に移したのだ。


その男の顔は知的でたくましいが、まだ歳は15にいっているかいないかくらいであった。


何故こんな無茶な事をしたのかといえば、港に入港せずに隠れるように桜島の裏の沖合いに停泊しているのであれば正規の方法をとっても船に乗せてくれる可能性はまずない。


ならば、危険だが、夜陰に紛れて近付き密航するしか無いとの判断をしたのだ。


近付き過ぎて物見の者に見つかった為、迷わず夜の海に飛び込んだのだ。


そして侵入して今に至る。見つかれば命の保証はないのだが、溢れ出す好奇心には勝てなかったのである。


しかし妙だなとその男は思う。船内の旗を複数確認したのだが、わかっただけで四つ…武田菱に毘の旗、そして八咫烏に足利将軍家の旗である。


あれは将軍家の旗…そしてあの八咫烏は雑賀衆の旗か?しかしあの武田菱は何処の武田だ?安芸か?若狭武田か?そしてあの毘の旗は見た事がないな。


そして大量の種子島に武装した兵。薩摩を攻めるつもりか?しかし、薩摩が将軍家に攻められる理由もなく、わざわざこんなど田舎で石高が低い薩摩を攻めにきたとは考えられない…そう考えるうちに眠ってしまったのだった。


次の朝、男が目を覚ました時に身体が動かない事に気が付く。


全身に縄を打たれていたのだ。しまった。と思った時にはもはや手遅れであった。


しかし、そんなその男を無視する様に武田水軍は出航したのである。


舵をとれ。皆の者、目指すは琉球王国だ。


そして武田勝頼は、今回の目的地である琉球王国へと水軍を向けたのだった。


そう、今回の隠された真の目的は琉球王国の制圧である。


武田水軍の兵力、火力なら琉球王国を滅ぼすことも、容易いが武田勝頼の目的は自身が琉球王国の王になることであった。

何を言っているかわからなくなる為、方言は使わず、戦国時代の標準語で書きます。

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