サツマイモ恐るべし
1554年8歳になりました。
助五郎のつてでサツマイモの苗を手に入れることができたので四郎はこの年に自分の領内でサツマイモの栽培を開始して大量に収穫することに成功していた。
出来上がったサツマイモを焼き芋にして食べると昌景は驚く。目を見開き
「若!いつも若のやることには驚かされまするがこれは甘くて大変美味しゅうございますな」
「そうであろう。腹持ちもよく甘味もある。これを父上と母上と兄上に献上してくれ」
そして段蔵に頼み勿論手紙とともに長尾景虎にも贈り物として贈る。
昌景に命じて栽培の仕方も躑躅ヶ崎に伝えてもらったのでこれで貧しい武田領の食料自給率が大幅に改善して飢える者がいなくなるだろう。
晴信は大変喜び四郎になんでも褒美をとらすと上機嫌で手紙を送ってきた。
そこで四郎は自分の軍を自分の判断で動かす権限が欲しいと願い出た。
手紙を受け取った晴信はしばらく考えたが四郎は所詮はまだ子供だし山県昌景の軍を合わせても行動起こせるような兵力もない。
何もできないだろうから問題はないだろうと許可をした。サツマイモに関してもたまたま商人から珍しい物を買ったと聞いているし確かに手柄だが農政面でのことであり戦となればただの子供としか思っていなかった。
その頃四郎は山県昌景より馬や槍、弓など武術を学び本当に子供かと思いたくなるくらい上達していた。
昌景は思った。今までこのように才能がある若者は見たことがない。馬の扱いは血のせいかとも思えるが四郎の剣術、特に燕返しと牙突というものが面白い。子供でなければ自分でも一対一なら苦戦しそうだと思う。
サツマイモに話が戻るが一番喜んだのは晴信や義信ではなく母達女性陣や長尾景虎であった。
いつの時代も女性は焼き芋には目がないのである。
唯一の欠点は尻から臭いガスがでることくらいか。寝所で三条の方のガスをモロに顔面にくらい晴信が悶え苦しんだのはご愛嬌である。
「おまえはいったい何を食っているのじゃ」
涙目で晴信は叫ぶが…
「ほほほほ、ごめんあそばせ」
とてへぺろされるのだから他のものがみたら笑いがとまらないだろう。
そんなことを知らない四郎は食べる以外のサツマイモでいも焼酎と干し芋を作り始める。
これが後日莫大な利益を四郎にもたらすのである。
またサツマイモのおかげで晴信の領土では便秘が解消されみんな肌艶が良くなったという…
サツマイモ恐るべし!
サツマイモにより農政改革に成功しました。来年は遂に軍を動かすかもしれません。