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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第4章小田原城編
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上洛

武田勝頼は遂に上洛をします。

武田勝頼は、9月の末に重い腰を上げて、北条氏康、山県昌景、上泉信綱、雑賀孫市、真田昌幸、そして風魔葵を伴い、ガレオン船である信濃、甲斐を中心とした武田海軍により上洛を実行した。


軍勢は銃剣付き新型ライフリング火縄銃鉄砲隊500、旧式鉄砲隊1000、赤備えの精鋭300である。


勿論船には様々な献上品を載せている。


目指すは堺の港であるが、上陸するのは、武田勝頼達と兵は赤備え300のみである。


信濃と甲斐は堺の街を驚かせてしまう為、いつも通り沖合に停泊か、付近の無人島に停泊し、安宅船での堺の入港であった。


鉄砲隊はなぜ連れてきたのか?その理由は武田勝頼の野望に関わることであり秘密である。


堺の街では助五郎を中心とした堺の商人達が、武田勝頼達を出迎える。


堺の商人達は、武田勝頼との繋がりにより、助五郎が日の本一番の大商人になった事を知っている為、何とか勝頼に取り入ろうと、挨拶や、献金、海外からの珍しい物を献上してくる。


その中には勝頼が欲しかった物などもあった為、助五郎と利権が被らない物を任せてやっても良いかもと簡単な事を教え取り引きした者もいる。


鉄砲職人や絵師、陶芸職人なども自らを売ってきた為、使えそうな者とは取引を約束した。


希望する者には小田原や江戸への移住や同行も許した。


そして堺の街では千の手勢を率いた松永久秀が武田勝頼の元にやってきた。


そう、武田勝頼が、畿内での案内と安全の保障の為に頼った人物は、以前海津城で面会した三好家の重臣であり、戦国一の梟雄と呼ばれる松永久秀であったのである。


「勝頼殿、此度は数いる畿内の者の中から某を指名して下さり感謝する。勝頼殿の畿内での安全と立場はこの松永弾正が保証致しますぞ」


「これはこれは松永殿、貴殿がわざわざ出向いて下さったこと、この勝頼感謝致しまする」


勝頼は自身の領土で製造した珍しい茶器を既に献上していたが、此度松永久秀に自身が命じて作らせた、北大路魯山人を参考にして作らせた食器や、助五郎に取り寄せさせていたルソン壷を献上した。


ルソン壷とは令和の時代で言うフィリピンの一般的な安い壺なのだが、戦国時代では価値があるものとされた壺である。


これに対して松永久秀の喜びようは尋常ではなく、完璧な接待や、朝廷内での礼儀作法の伝授、そして、畿内での安全確保を約束するのであった。


松永秀久が三好長慶を崇拝しているのを知っていた武田勝頼は、松永久秀を通して、上質な塩、イモ焼酎、相州正宗の太刀、清酒、荒巻鮭を献上した。


松永久秀は、自身だけでなく自身の大切な主人である三好長慶までを気にかける武田勝頼に心底感服した。


歳をとっても礼儀作法の何たるかもわからぬ者が多いなか、関東にありながらこの若さで何たる聡明さ、何たるできたる人物よと。


しかもどちらかと言えばあまり世間の評判が良くない松永久秀であったが、武田勝頼は自身の心や真意に気がついている…この男、三好長慶様以上の器かも知れぬと思ったのである。


こうして勝頼は風魔葵、北条氏康、山県昌景、上泉信綱、真田昌幸と赤備え300、松永勢1000と共に京の都に向かったのである。


雑賀孫市には別任務として、雑賀衆を中心として、鉄砲の扱いに優れた者を引き抜いて来るように命じていた。


こうして武田勝頼は上洛を果たしたのである。

松永久秀はドラマやゲームにおいても悪役ですが真実は違うと考えます。

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