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詩集 碧い鳥

空の滴

作者: 紀 希枝

青い硝子からこぼれおちた

一粒の滴がありました


滴は湖面へとびこんで

一匹の魚になりました


魚は貝にのまれて

一玉の真珠になりました


真珠は貝からはがれて

波にたゆたいました

——私たちの頭上で

——静かにたゆたいました


冷たい湖面を流れ

暖かい珊瑚礁を通りすぎ


時に白く

時に青く


時に明く

時に暗い


空の上の

湖の中をたゆたいました


やがて果てまで流されて

大きな滝から落ちました


真珠は滝から落ちて

一羽の鳥になりました


共に落ちた水は

暗闇に光る星になりました

ーー私たちの頭上で

ーーゆっくりと落ちています


鳥は星々の隙間を

今もすうっと

飛んでいます


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