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無駄な人生にお別れを  作者: 仲村むおん
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四、出会い

気付いたときそこは路地裏のゴミ箱の中だった。すぐに自分の等身が下がっていることがわかった。ガラス破片を見て自分が小学校高学年の平均身長くらいにまで縮んでいること、結構イケメンの人種であることが確認できた。


輝「なんだ、てっきり化け物にでもなるのかと思って焦ったぜ。しかも、結構いけてるんじゃね?でも子供で行き場が無いのはまずいのでは?あいつめっ!!化け物だったら飯とか困らなそうなのによありがた迷惑だよまったく...。」


とりあえずそこらへんにあった手頃な布で体を覆い、賑やかな声が聞こえる通りに出てみることにした。そこでみたのは人では無い獣や羽根の生えたものたちが二本の足で立ち、人のように商売をしているところであった。


輝「商店街?いや市場に近いか...いてっ。」


珍しい光景に見とれていると、2mはあろうかという大男の足にぶつかり突き飛ばされた。見上げると自分が縮んだこともあり体格差に圧倒された。


輝「す、すいません!!」


慌ててあやまった。なんとも情けない声で震えていた。


大男「こちらこそすまない。ケガはないか?」


初対面で失礼なことだが意外なことに大男は優しい声で転んだ俺に手を差し伸べてくれた。


輝「はひぃ!...大丈夫です。いたた。やっぱ大丈夫じゃないです。」


大男「手をケガしてしまったかすまんな。うちで治療してあげるからきたまえ。ん?君は..ヒト..か?ならなおさらだ。」


初めての世界で右も左もわからないからついて行ってみてもいいと思ったが最後の一言に少し違和感を感じた。


輝「食べたりしません?...。」


意味をなさない確認かもしれないが気休め程度に聞いてみた。


大男「ハハハッ。食べたりなんてしないさ。そういう奴らもいるがな。」


さらに恐怖が増した。


大男に布で頭をおおわれ、おんぶされた。よく見てみると大男は強面で小さなツノと牙が生えていて軍服のような服を着ているのに気付いた。

大男の家までの間、話をした。大男の名はレイビー。この世界の軍で働いているらしい。自分が転生してきたものだということを話して見た。正直言ってもいいことなのか迷ったが。だが、レイビーいわく稀にそういう奴もいるとのことであまり驚かれなかった。


レイビー「そういえば君の名前は?」

輝「ひか...いや名前はないんだ。」

レイビー「...?思い出せないのか?まぁいいさ。じゃあとりあえず少年と呼ぶよ。何か書きたいことはあるか?」


俺はこの世界について、ちょっとした歴史を知りたい言った。レイビーによるとこの世界の名はエルヴァナその中でもここは商業都市ヘルメリスとのこと。活気がある街で様々な種族が出入りするとのことだ。美人も多いらしい。

そして、次の質問歴史について。さっきの"ヒトならなおさら"という言葉が気になったからだ。

レイビー「この世界は今でこそ平和であるが過去に何度も種族間戦争・全種族の脅威となりうる化け物との戦闘が日常茶飯事だった。ヒト種はそのときにほぼ絶滅。生き残ったものはどこかに隠れ住んでいるか、その身に魔物や獣を宿して他の種族に"生者転生"して現在の世界に紛れていると言われている。」


正直驚きを隠せなかった。前の世界ではヒトが世界の支配者のように君臨していたがこの世界では絶滅寸前だなんて夢にも思わなかったからだ。


少年「ヒトは嫌われているの?負け犬の種族だとバカにされてる?」

レイビー「そんなことはないさっ!彼らの技術は世界全体を発展させたし、化け物退治だって最前線で戦ってたんだ。身体能力こそ高くないが彼らの武器と勇気は立派なものだった。と俺も祖父に聞かされたよ。」


少し安心した。それにレイビーがいいやつだってことも知れた。


少年「ありがとう。レイビー。なんか安心した。」

レイビー「あー。安心したとこで悪いがヒトを憎んでいるやつ・蔑んで差別するやつもいるのは確かだ。好き好んで食うやつもいる。ヘルメリスにもな。」

少年「(前言撤回なんも安心できねー)」


レイビー「英雄視する種族も多いからたいそうな大義がなきゃ殺されたり食われたりしないから大丈夫だろう。ハハッ。」

少年「笑い事じゃないだが。俺子供だし。」


レイビー「そうだ!転生してきたって言ってたよな。昔の話でおとぎ話に近いんだが、一万の魔物の軍勢を相手に100人の獣人族を率いて1年間も城を死守したっていうヒトがいたらしい。それと街を3つくらい飲み込むほどの超巨大タイフーンをでっかい光の剣で断ち切ったヒトもいたって話らしくて、どちらも別の世界から来たヒトらしいぜ。」


少年「らしいばっかで詳しいことはわからないのね。笑」


レイビー「まぁヒトはすげぇやつらだって聞かされて育ったからな!おっそうこうしているうちに着いたぜ。」


そこは少し町外れの森の木造2階建ての立派な一軒家だった。


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