男は船、女は港。それ、古いしよく考えたら最低じゃん
ある作品を観た時、海洋学校モノという期待が外れてしまい、それじゃあ自分で書いてみようと思ったのがきっかけです(あれはあれで面白いけど)。
本作はよくある海軍色はなく、あくまで民間の商船高校等を題材とした作品になります。
筆者の経験を元に、結構な脚色も含めて執筆する予定ですので、どうぞよろしくお願いします。
男は船、女は港――
昔の言葉にこんなものがある。詳しく説明すると、港ごとに女が居る男の浮気性を語ったものだが、実際に船乗りは元来、男が成るもので、女が船に乗るなど、乗客としても船員としても稀であった。
しかし今や時代は違う。
当時は男の花形の職業だったかもしれないが、今や船員事情は暗雲が立ち込め、人手が足りていない状況に陥っている。
男は船という言葉は古い。
女は港も最早、化石だ。
しかし船員不足が深刻化した日本では笑い話にすらならない。四方を海に囲まれた島国にとっては、船員無くして生き残る事などできない。
さて、どうしたものかと困り果てた小さな島国が、ある所に目を付けた。
2010年代に入った頃、女性の活躍推進社会が活発的に盛り上がってきた。全ての女性が輝く社会作りを目指していた政府の方針に、船員業界は結果的に救われる事となる。
女も船に乗せれば良いのでは?
男は船、いや、女も船。船員が足りないのならば、女性の船乗りも養成しよう。
女性の活躍推進社会を目指していた政府は早速この案に全力で乗っかった。
こうして設立されたのが――
国立海上女子養成学校である。
やがてこの学校に在学する生徒、卒業生、船員たちの間から略称してこう呼ばれるようになる。
海校と――