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はじまりの朝は騒がしい

その場のノリで書いてるんでどうなるか分りません。

老人の朝は早い、上空は朝焼けの閃光が薄暗い森に差し込む中一人の男が立つ。

土色の髪に白髪も交じる壮年を過ぎた魔法使いドラズィブ・ディローは今日も朝の鍛錬を行う。

軍役を退き国を出て数年経つが現役時代から続けている朝錬は日課である。


魔法の元となるのは場に存在する力、魔素やエレメントと呼ばれる超常の源。

その力を己の意志で手繰れてこそ一人前の魔法使いであると、血気に逸った若い時代に叩き込まれた教訓を忘れず今日も鍛錬を続ける。


「ほっほ、はぁ~」


深呼吸を終えると足元から石ころ程の大きさの光玉が湧き上がり旋回しながら体に纏わり付く。

森の魔素がディローの体を通して魔力の塊となり色を伴わぬ光玉として形となり体をめぐる。


「ぬはぁぁぁ」


拳を前に突き出す、足をゆっくりと動かし移動する、それら淀みなく格闘術の術理に従い型通りに体を動かす。

しだいに体が熱を帯びて駆け巡る血行とテンションが上昇してそれにあわせて高まる魔力。

魔力に意志を加えればそれは炎、雷、氷と様々に変化する。しかし魔力の塊はただ大きくなるばかりで拳大ほどの大きさになり輝きがなお増した。


「墳、破ぁ」


気が最高潮に達した瞬間、魔力を一気に脚に集中させて流し大地を強く踏み抜く。

足の裏から一点に集まった魔力を放ち杭を打つが如く放たれた魔力は大地を揺さぶり足元を大きく窪ます。

放たれた魔力の余波が振動として伝わり辺りの木々を揺らす、森の鳥達が驚き一斉に飛び立つ。


「ムッハハー、絶好調!」


一通り動きと魔力を体に通す鍛錬を終えて体調の良さに上機嫌のディローである。

はた迷惑な朝の日課を終え、笑顔の老人は今日も元気に昇る太陽を拝んだ。


「しっ師匠ぉぉぉぉ、またですかアンター!」


土煙を上げて駆け足で少年がディローに突進する、だがそれをディローは軽く受け流して投げ飛ばした。


「おはようグナグフロー、朝飯は出来たか?」


投げ飛ばされた少年の名はグナグフローと言う、正確な年齢は本人も知らないが恐らく15~6の思春期真っ盛りのハズ。

ディローが古い友人から託された子で、今は一人前の魔法使いにする為に修行中である。

生まれつきの素質で魔法抵抗がやたら高く、それが災いして自分の魔法まで減衰か無力化してしまう風変わりな弟子である、

弟子の修行がなかなか進まないのがディローの今の悩みでもある。


「くっ、誰かさんのせいで鍋ひっくり返して無いですよ朝飯なんか」


「なんとぉ、この馬鹿弟子がー!」


「アンタが言うな馬鹿師匠がー!」


投げ飛ばされた少年が飛び起きて老人に殴りかかる、ボコスカ殴りあう師匠と弟子、

彼等に取っては何日かに一回は起きるじゃれあいの様なモノであり、日常茶飯事に殴りあう仲の良い師弟である。

とディローは思ってるが、グナグフローにしてみれば元気過ぎる厄介なジジイの世話をしなければという保護者気分である。

互いに息が切れるまで殴りあう、腹の鳴る音が二重奏を奏でると両人が最後の一撃を打ち込み倒れこんで荒い息を吐いた。


「今日はこの辺にしておいてやろう、馬鹿弟子よ」


目元に拳の後をくっきり作らせたディローが大の字に倒れて言う。


「フン、馬鹿師匠の顔を立てて今日はここまでにしてやろう、です」


魔法で吹っ飛ばされて大地にめり込むが体に傷一つ無いグナグフローは埋まった体を起こそうと躍起になる。


「腹減ったなぁおい、グナグフロー何か食い物無いか?」


「最後の朝食は森の肥料になりましたよぉ」


「はぁ、都まで買出しに出るしかないのか、面倒臭いのう」


よっこらせと立ち上がったディローは体の半分埋まったグナグフローに手を貸して起こしてやった。


「どうせ一回は都に行かないとダメだから良いじゃないですか」


「そうなんだがワシ、人の多いところって嫌なんじゃ」


「冒険者ギルドにも行って更新しないと、期限切れますよ?」


「あぁ、面倒じゃぁ」


「それじゃもう冒険者辞めます? 師匠もいい歳なんだから少し落ち着くのに丁度良いんじゃないです? ボケてるし」


「論外だ! 日向ぼっこして茶でも飲んでろと言うのか、ワシはまだボケとらんわ!」


「それじゃとっとと街まで行きましょう、ボケて無いなら日が沈む前に行かないと門が閉まって入れないの分ってますよね?」


「むむむ、分ったわい」


ディローは気合一つ入れて全身に魔力を流し体の代謝を上げる魔法で回復を行う、

小屋に戻ると手短に必要な荷物をグナグフロー纏める。

纏めた荷物は移動用に使っている荷馬車に載せるとグナグフローは御者台に腰掛けて手綱を握った。


「準備できましたか師匠ー、行きますよー」


「うむ、よろしい」


二人を乗せた荷馬車はカッポカッポとのん気に動き出した。

朝の陽気を浴びた払い下げの老馬が一鳴きし尻尾で尻を打つ音が響く。

向かうは一番近い都市であり商人の都アイゼニーヴ、二人と一匹は気ままに森を出た。

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