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第二章・妄信 (1_2)
その駅は、愛稀の通う大学の最寄りのローカル駅とは違い、開かれた都会に位置し、規模も比較的大きかった。愛稀は電車を降り、ホームから改札に向かって歩いていた。愛稀の目指す大型ショッピングモールは、駅と隣接していて、改札を出るとすぐのところにある。
愛稀は、特に周囲を気にすることもなく歩いていたが、ある人とすれ違いざまにはっとなり、その方を振り返った。相手の方も立ち止まりこちらを見ている。それは先日逢った平沢 光代と名乗る女性だった。そしてその隣にはもちろん星夜もいた。
「あ――、こ、こんにちは……」
愛稀は偶然の再会に驚きながらも、光代に向かってお辞儀をした。
「こんにちは。偶然ですね――」
光代も驚きを隠せないようであった。