王子様(仮)にひざまずいて靴を脱がせてもらいましたが、何だか。
悩んでいたのですが、やはり多少R18だな〜というエピソードが語り部ミヤ側にも出てくると判断しましたので、18禁のムーンライトノベルズに投稿し直して、連載を続ける事にします。(最初は姫とアゴーだけ短編でムーンライトにすればいいと判断していましたが)
全年齢の方もとりあえず残しておきます。
(リピートで読んでくださっている方が増えてきてくれて、嬉しかったところなのでよかったら、ムーンライトノベルズの方で続けて読んでください!!ぜひぜひ〜!!)
ともあれ、アゴーは帰宅させてもらえるようだ。
いきなり連れて行かれて貞操と命の危機を感じていたときに比べれば、安心する。
ただ。
「アゴーは責任もって家に送り届けます。
けど、その前にもう1つだけ答えてください」
まだ大量に気がかりはある。
明らかに女性同士に見える2人なのに、明々後日(もう明後日か)入籍すると言う。
日本の戸籍を取得だなんだと言っていたが同性婚が認められている国出身だから同性である事はまるっとスルーなのか?
姫は『星も種も違う』とかのたまっていたし、その前に仮の王子はさっき『我々は人間じゃないので』とか言いかけていた。
映画の「プレデター」みたいに、超越した技術力で国を治め、国民に神と崇められた存在とでもいうつもりか。どこまでカルトな人々なのか。
それか、戸籍取得を不正な早さでゴリ押しできるくらいの力関係にある他国の要人であるとか??
そのうえ、実際に精神感応みたいなことができる人がいるおかげで国全体で神秘主義っていうかカルトっぽいとこがあるとか??
でも、優先度付けて1つだけ、一番聞かなきゃいけなかった事。
明日起きたアゴーと話す前に知っておかねばならない事。
「アゴーを、世界で一番愛してますか?」
ごくり。
息をのんで、姫の目を見て尋ねる。
仮の王子に手を取って立たせてもらったあと、しゃべれる程度にそっと支えられたままだった。
ちょうどいいから、そのまままた3人で手をつないでもらいたい。
「手を貸してくだ・・・」
と、言いかけたとき、すっと神妙な顔をした姫が無事な方の手で自ら王子に触れた。
(私は、愛とは何か知らんのだ)
(えっ?)
(国民には、将来の国の為に新しい繁殖相手を探す必要があると説いて、旅立つ理由にした。
それは嘘ではない。
だが、一番の動機は、私自身の癒しを見つける事だった)
(それって・・・)
姫がとんでもなく美しく憂いを帯びた目を向けてくる。
俯き加減で、白い睫毛のかげが奇麗だ。
(私は繁殖するための行為しか知らん。
だからお前の言う意味の愛を知らぬ。
ずっと国に尽くしてきた。
多過ぎで問題がでるほど子も作った。
もう休憩したいのだ。
庶民のように1対1でしかできぬ深い関係とやらを作ってみたい。
アゴーが産んでくれる子に”姫”が出たら、座を譲るつもりだ)
(じゃあ・・・今後はアゴー1人としか関係されないということですか)
(そういうことになるな。
アゴーは私を癒してくれた。
もう手放すつもりはない)
それがほんとなら・・・いや、どうやらココロを繋いでいるのだし本当なのだろうから・・・
それこそ、世間一般的に愛しているというものなんじゃないだろうか。
さんざん精神的に怒鳴り合ってきた直後のしんみり話に、ちょっと気圧されてしまう。
(・・・・アゴーを・・・一生捨てずにちゃんと幸せにしてくれるなら・・・)
(言われずとてそうする)
(・・・・・・・なら、、、
分かりました。。。
本気、なんですね・・・)
私も、しんみりしてきた。
仮の王子も、しんみりしてじーっとこっちを見てきている気配を感じる。
一度目を伏せてから真剣に目を合わせて、最後のお願いをする。
((本気なら、入籍前にエイズと性病と、肝炎とか海外渡航の際に薦められるありとあらゆる伝染病の検査してください!!))
「・・・・・・・・」
あれれ?
私の発言でシリアスな雰囲気が一気に壊れたようだ。
姫の目が今度は呆れたような感じになって、パッと手を離した。
後ろでお付きの者たちがどよどよしている。
「予想を上回る色気のない女だな・・・。
というかさっき1つだけと言ったではないか」
「さっきのは質問。これは要請です!」
「つくづくひどい小娘よのう。。
・・・まあ、それでアゴーのポイントが稼げて小姑君のお気がすむのなら、やっておくのもいいかもしれん」
「というわけで、ジョバンニ。
今の件、医療チームに併せて連絡しておけ。
、、、わかったな?」
姫が仮の王子に目配せする。
・・・またこの人の仕事を増やしてしまった。
「皆の者。
私は国を出て、癒しを求めてきた。
今アゴーに癒されている。
私の癒しを皆、喜んでくれるであろうな?」
お付きの者たちは更にざわつくが、お互い顔を見合わせ合って、概ね応援する心が決まったようだ。
「では、タクシーへ・・・」
私を歩かせようと、仮の王子の手が手首から外された。
「いだぁあああっ!!!」
手首から全身に走っていたしびれがなくなると、今度はいきなり足の裏がめちゃくちゃ痛いことに気がついた。
体重を支えきれず膝と手をついてしまう。
「いだだだだだあああっ!!!」
そして手の火傷が刺激されて激痛。そしてまた色気のない悲鳴・・・。
「大丈夫ですか?!」
仮の王子がまたひざまずいてくれ、四つん這いで痛みにわななく私から研究室用のサンダルを脱がせようとしてきた。
うう、もう、なんか情けない図・・・。
姫やお付きの者達は棒立ちで見ている。
「この靴では・・・足から電気が床へ逃げてしまったのですね。
我々のように絶縁体の靴を履いていれば全身の痛みも軽減できたはずなのですが」
「じゃあジョバンニ作っとけ」
・・・更にこの人の仕事を増やしてしまった。
姫脳内(ふふっ、小娘、ちょろいちょろ〜い♪)
登場人物紹介に姫のイメージイラストも足しました♪
イチゴスムージーを飲んだ後の様子です〜