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おひめさまと、ココロ、繋いで・・・果たし合い☆

2人ともムダに頭が回る系キャラなので、ココロを繋いで喧嘩すると脳内マシンガントークがすごい事になってます。。

精神攻撃de果たし合い!!

 ”明々後日、アゴーと入籍する”


 衝撃の言葉に、一瞬時が止まる。


 え?何言ってるのこの人?


「結婚式と指輪調達の日程は未定だ。

 アゴーの家は隣駅だそうだ。詳しい住所はそこの女に聞け。

 ジョバンニ、お前は私の戸籍入手と、人数分の携帯型エアコンの実装点検をしろ。

 そこのお前は服装担当だ。

 そっちのお前は手みやげの準備だ。

 頼むぞ。

 日本の戸籍はもちろん、男で作る。

 そうだな、母親が白人で、父親が日本と白人のハーフで、3/4は白人ってな感じでいい。

 この容姿で日本戸籍は考えてなかった。

 今後は徐々に肌色変えてそれっぽくするかな。

 残った者は通路確保に回れ。

 ・・・少々タイトだが、お前達ならできるな?」


 呆然とする私+お付きの者達を意に介さず、姫はてきぱきと指示を出していく。


「明日の便で、医療チームと研究チームからも人を来させろ。

 アゴーに適合する人口精液と中和剤を速やかに生成せよ」


 えっ。。

 じんこうせいえきとな?・・・・・・

 いやいやいや、ほんとか嘘かは別にして、今黙ってるとヤバイことになる!!


 ぐっと身を乗り出して、声を張り上げた。

「「「ちょっと待ってください!!!」」」

 あれ。

 お付きの者達とも声がかぶった。。

 見ると、お付きの者たちもそれぞれ不満そうな顔をしている。


 そっか、なんか彼らは姫の信者っぽいもんね。。

 彼らから見たら、”皆の姫様”が”ぽっと出の庶民”にとられた的な印象なのかも。

 反対してくれるならありがたい。


「お?もう仲良しになったのか」

 んなわけないでせう。

 検討はずれなことを言ってわざとらしくニコニコする姫に詰め寄る。

「国籍取得が目的ですか?それとも結婚詐欺ですか?」

「おやおや、ご機嫌斜めだね」

「ちゃんと返事をしてください」

「ふふ、ジョバンニの相手はなかなか面倒な性格のようだ。」

 顎に手をやってニヤニヤして、まともに返事をしない姫に、いらいらする。


 それになんかこの姫、嘘や詭弁の達人ぽいしなぁ。。

 返事されたって信じていいのかどうか。


 と、そのとき、嘘をつかせないアイデア(仮)を思いつく。


「仮の王子さん!」

 ぐりんっと振り向き、真後ろに立っていた彼(?)の目をのぞきこんで訊く。

「あなたの能力なら、表層の嘘ではなく本音が感じ取れますか?」

「?・・・うむ・・・肌に直接触れば相手は嘘はつけません」

「あなたが誰かに触っているとき、例えば私があなたに触ったら、私にも情報をやりとりできますか?」

「複数同時に触れたことはありませんが、、、無防備に感情がつつぬけになって辛いと思いますよ」

 それならむしろバッチコイですよ!

 元々脳内は悩みすぎて一周回るし、口を開けば嘘がつけない性格ですから!


「じゃあ姫と繋いでくださいっ!」

 仮の王子の手袋の片手を、両手でがしっと捕獲するような勢いで握る。

「んぅっ!」

 自分で掴んでおいて、ビリビリして身動きが取れなくなる衝撃はやはりすごい。

 いきなり手を取られて驚いたのか、仮の王子もびっくりしたように固まっている。


(仮の王子さん、すいませんが、嘘発見機として姫様との会話の橋渡しを願えませんか?)

 何とか動く目線だけで姫の様子を伺うと、姫もうっすら驚いたように目を見開いていた。

「ジョバンニに自ら触れるとは、流石に私が見つけただけあるな」

「・・・姫、この者が思念の橋渡しをと願っていますが、、どうされますか?」

「まあよい。肉声より、尋問がすぐ終わるなら助かる」

 口では尋問だなんだ言いつつ思いっきり面白そうにニヤニヤしながら、姫は数歩近寄って王子(仮)のもう片方の手を取った。


 王子を真ん中にして3人で手を繋いだとたん、姫のニヤニヤ余裕ぶった思考がビシバシと伝わってきた。

(ふふふ、アゴーよりずいぶん思考回路がぐちゃぐちゃしているな。面白いやつだ)

 王子自身はシールドしているのか無言を貫いている。


 気にせず一番聞きたい事を聞く。

(アゴーにえっちな事してないでしょうね?)

(しないわけなかろう。もちろん美味しく味見させてもらったよ)

(なんでっ?!王子さんはいきなりはできないって言ってたのに!)

 いきなりの問題発言に苛立ちが一気に姫へ向かうが、姫はけろりとしている。

(ちょっと味見だけだ。中和剤ができてからじゃないと実際触りたくても触れない)

(信じられない!姫とか言ってる人がそんなチャラチャラしてていいんですかっ!?)

 つばぜり合いのような、感情のぶつけ合いラッシュが続く。

(同意の上だ)

(ふざけないでください!!!!アゴーがそんな簡単にオッケーするわけないでしょう?)

(結婚しないなら手を出しちゃダメだというから、結婚すると言った。

 泣いて喜んでいたぞ)

(そんな簡単に?洗脳でもしたんですか?!)

(ふふ、洗脳などしなくても、私が見初めて私のものにならなかった者などいない。

 お前のように、私の魅力にあらがえる者は少ないのだ。)

(頭おかしいんじゃないですか!?)

(私はいつでも正気だし、結婚も本気だぞ?)

(”たまたま”見つけた最初の人と、一晩で本気で結婚するだなんて、”論理的に考えて”信じられるわけないでしょう!!)


 私の言葉のどこかが姫の逆鱗に触れたのか。

 急にニヤニヤした思考がギラギラした怒りに変わった。

 ビリビリと体が締め付けられる。

 王子がちらっとこちらを見てきた。


(・・・平和な国でのほほんと暮らすお前に何が分かる?

 ”女のくせに子孫も作らず”、お前自身が子供のようじゃないか。

 私がどれだけ身を粉にして国に尽くしてきたか知らんだろう。

 私は繁殖不能と診断された多くの者達にも”たまたま”新しい命という希望を与えてきた。

 新しい遺伝子部品を捕まえる旅に出たときも、我が星と環境が似た星を見つけるのは理論上の1億分の1の確率だとさえ言われたが、”たまたま”すぐにこの星を見つけた。

 私の持つ超越した運で、いつでも”たまたま”幸運を掴んできたのだ。

 今まで幾多の危機を乗り越えてきたその私が、”たまたま”アゴーとお前を見つけた。

 どんな理論が私の”直感”に勝るというのだ?)

 姫の白いロングヘアが、暴風に乱されたように逆立って波打った。

 ピアスはギラギラ光を放ち、黄色と黒色が渦巻いて危険な感じになっている。

 王子は姫をちらっと見た後、もう一度こちらを見てきた。


 ・・・ギラギラ語られて、怖いよりむしろ腹立ってるから、大丈夫ですよ、王子さん。


(逆切れさせてもらいますけど・・・)


((実際偉いのか、エラい設定だけか分かんないですけど。

 貴方様は社会を変えるために苦しんでらっしゃるお立場だと。

 逆に言えば、社会を変えることができなくて苦しんでる私たち小市民の気持ちは実際は分からないんでしょうね??

 おっしゃるとおり、確かに私は、平和ぼけした国で暮らす、しなくても誰も死にゃしない研究を仕事にしてる、子供も無き小市民ですよ。

 子供を作りまくらなきゃならない状況とか、1人の裸に触れた事もない私からしたら妄想すらできないし、国をしょって立つ立場だの宇宙でどうとかなんてのも、想像もできないですよ!

 私なんかただ、『研究職の女が生きづらい世の中』ってやつを変えられもせずに、ただ苦しむだけ苦しんでるレベルなんですから。

 生き物なんだから繁殖が本分!

 生き物繁殖する、繁殖するゆえ生き物なり。

 そんなん生物学やってりゃ誰でも知ってますよ。

 だから私は生き物として劣性だって自覚、ありますよ!

 でも、男性と張り合うつもりで仕事してたら恋愛する暇ないし、ぶっちゃけ産めないんですよ!!

 しかも私なんかさらに重しがついてて、適当な仕事じゃダメって産まれたときから言われ続けて呪縛されてるんですよ!

 出産育児してる間に仕事のポスト奪われちゃ、その後母子ともどもご飯食べれないですし!

 じゃあ養ってくれる男の人見つければって簡単に言う人もいますけどね!

 でも我思う、ゆえに我あり。

 自分以外に何か願うどころじゃない。

「男の人に頼れない」って出来上がっちゃってる自分の自我自体、願ったってそう簡単には変えられないんですよ。

 じゃあ苦しみながら1人でがむしゃらにやってく以外にどうしたらいいっていうんですか?

 貴方みたいな立場の人にこんなちっこい悩みなんて理解できないでしょうね!?

 ・・・そんな日々の中、アゴーは私の癒しなんですよ!

 ”たまたま”やってきて奪うなんて赦せない!!!

 ・・・あ、そうだよ!明後日・・・ていうかもう明日だけど、アブストの〆切なんですよ!

 そういうちっこい私なりにめちゃ忙しいときにいきなり来て、繁殖実験だのなんだのわけ分かんない事言われて、実際もうめっちゃ困ってるんですよ!

 ポスドクとか、来年あるかわからない中途半端なポストだし、研究者生命かかったときなんですよ!

 あなた方どっかから来た人たちに、ちっこい私の大事な1日1日を乱されたくないんですよ!!))

 私は髪は別に逆立たないし、特殊効果なしだけど、脳内マシンガントークで私の右に出る者なんてそうそういませんからねっ!!!


(私だって知るか!!私だってアゴーに癒されたいのだ!!!)

(はあ?あんたはたくさん相手がいるんだから、アゴーじゃなくたっていいでしょう?!)

(いやだ!あのなんともいえない健気で気弱で従順な感じがたまらんのだ!)

(あんたはどあほか!)

(うちの国の女だと予約待ちシステムとかビジネスライクすぎて癒されないんだ!)

(それこそ知りませんよ!)

(私はアゴーをずっと幸せにしてやれる!お前は単にお友達だろう?)

(今まで他所でたくさんの相手に子供を産ませてきた人に、アゴーが幸せにできると思うんですか?!)

(今までたくさんの者達に幸せを授けてきた私が、気に入った女一人幸せにできないと思うのか?)


 うっっわ、むかつく。

(自慢げに適当な事ばっかり言って!

 たくさんの相手に”分けて与えてるような愛情”なんて、そんなの幸せだと思えない!!)


 また逆鱗に触れたのか、姫の目付きがまたギラッと変わる。

((他人の幸せの判断を、他人のお前ができると思うのか!!?))

 ビリビリ震えが来るぐらい、強い感情を当てられた。


 目の端で、王子が姫の側の手を緩めようとしたが、ぐわっと逆に掴まれてしまった。

 王子の気遣いはありがたいが、私も姫相手にこの口喧嘩で負ける気はない。

(小さな小さなお前には、”多数の相手に愛を注げるほど私の愛の総量が多い”などとは想像すらできないか!?)

(そんなの詭弁でしょう!)

(私の調べでは、国が違えば結婚や家族の概念も違うというではないか。

 お前が星も種も違う我々の繁殖方法にケチを着けるのは傲慢ではないか!?)

((でも、アゴーや私を巻き込んでるじゃないですか!

 私たちは一夫一婦制の国で産まれ育ったんです。

 あなた方があなた方の価値観で繁殖するのはかまわない。

 でも巻き込まれたアゴーを価値観の違いで傷つけるのは赦せない!

 昨夜の記憶を消して解放してあげてほしいくらいですよ!!))


(・・・傲慢だな。

 同じ種だとしても、アゴーの感情とお前の感情は違う。)

 姫が目を細め、すっと顎を引く。


「アゴーは私が全力で傷つけない。

 お前に言われずとて、情報管理は私がする」

登場人物紹介のところに似顔絵アップしはじめました♪

イメージが固まると書きやすくなりました。

仕事缶詰&実家に帰るので、次の更新は8/3くらいの予定です

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