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doara  作者: 安荷唯
4/5

四話


 トウィルのドラゴンバスター駐屯地。

「大人しくしてろよ、レブ!」

 駐屯地にドラウンのレブを預ける。さすがに街中を連れてはあるけない。

「おー、レブ君久しぶり!」

 トウィル駐在のドラゴンバスター、ネストが俺よりもまずレブに声をかけてきた。

「ついでにランドルも久しぶりだね」

 こいつの質は理解しているつもりだが、ついでに、はやはり腹が立つ。

「お前なあ、別にいいんだけどよ。あいつは大丈夫か?」

 ネストはとぼけた様な顔をしてポンと手を打った。

「エディカちゃん、じゃなくてドリー君のことだね」

「ああ」

 グレイスは気性が荒い。エディカはドリーと信頼関係を築いている。だから、こなせてはいなくとも乗ることはできているのだ。

「大丈夫だよ。ドリー君なんて大人しいもんさ。念のために口輪もしてあるし、仮にもここはトウィルだからね」

 トウィルのドラゴンバスター部隊はシナッドよりも大きい。万が一、暴れだしても、対処できる、ということだ。だからこそ。

「ランドルは心配性だなあ。そんなことは僕がいる限り、させないさ」

 ネストは笑ってみせた。


▲▽▲▽▲▽▲


 駐屯地、門前。エディカが出てくる。

「おせえぞ」

「すみません。ドリーのこととかもあったので」

 まあ、理解している。別に責めるつもりで言ったわけではないのだが、少し本気に受け取ったようだ。

「じゃあ、行くか」

「どこにです?」

「トウィルだぜ? 飯だよ」

 エディカはキョトンとした表情をした。

「ご飯ですか?」

「そうだよ」

「任務とかじゃなくて?」

「ああ」

 エディカは俺に失礼だとか考えてないのか、盛大にため息をついた。

「つまり、サボりってわけですか」

「俺はサボりじゃねえよ。お前のお目つけ役なんだから、お前の傍にいれば仕事してるだろうよ」

「なんですか! その屁理屈はっ!」

「サボりはお前だけ、ってわけだ」

「ひどいですよお!」

 この真面目人間に対して、過ぎた意地悪はいけないな。なにごとも本気にしようとする。

「そんなに気にするなよ。どうせ隊長たちも、直にこっちにくるよ。俺達は一足先に、トウィルの食文化を楽しむだけだ」

「むー?」

 まだ納得がいっていないようだ。これ以上何かを言うのも面倒なので適当にはぐらかし、歩きだす。

「おう、行くぞ。今日だけはおごってやるよ」

「本当ですか!?」

 どうやら、何かを考えることよりも、食欲がエディカの中で勝ったようだった。


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