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doara  作者: 安荷唯
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二話


 ドラゴンバスターといっても、ドラゴンの討伐ばかりが仕事ではない。

 今回のサイドラに関してもそうだ。サイドラはリトルと呼ばれるドラゴンの中でも特に小型の部類で、全長は大きい物でも人の腰あたりしかない。その非力さを補うように繁殖力はすこぶる高く、大きい群体ならば単位が百に及ぶこともある。

 さすがに、百ものドラゴンを駆逐するのは難しい上に、その後の処理にも難が出る。

 よって、サイドラはよっぽどの場合でない限りは討伐せず、森や山などへの誘導を行うのが一般的である。


▲▽▲▽▲▽▲


「初任務がこれってのは、割と不運かもな」

 俺は隣を飛ぶエディカに言った。

「どうしてですか?」

 エディカは振り落とされそうになるのを必死に堪えながら応える。ちなみに俺達は今現在空にいる。ドラゴンの背中の上にいるのだ。

 種によっては手なずけることも可能なのだ。

「この任務には危険なことはないですよね」

「確かに、サイドラは温厚で襲ってこないだろうし、万が一襲ってきたとして、お前の乗ってるグレイスも俺のドラウンもドラゴンバスターの駆るドラゴンは基本的にミドルサイズでドラゴンの中では一番速いサイズだからな、まず逃げおおせるだろうさ」

 ドラゴンはサイズごとにリトル、ミドル、メジャー、それ以降はグランドと言われている。その中で、一部のグランドサイズを除けば最も速く飛べるのがミドルサイズだ。

 エディカはグレイス(名前はドリー)に揺られながら不思議な顔をする。

 ドリーは艶のある薄青の鱗をきらめかせながら、楽しそうに揺れている。

 ドラゴンバスターは普通ドラウンを駆る。ドラウンが一般的なドラゴンで手なずけることが最も容易とされているからだ。

 サイドラは赤茶色、ドラウンも赤褐色である。このドラゴンの大群の中で、ドリーは文字通り異彩を放っていた。

「わからないか? 誘導の目標地を考えてみろ」

「リロオール山ですか? 特に危険なドラゴンの報告はなかったと思いますが」

 俺は呆れてしまった。女の子がそれでいいのか。

「おいおい、リロオール山までの距離を考えろよ。そんなに長くドラゴンに乗ってたら、ケツが痛くなっちまうぜ」

 今度はエディカの方に呆れた顔をされたのだった。



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