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由美! 俺はキミを誰よりも愛してる。

作者: 七瀬





”由美! 俺はキミを誰よりも愛してる。“




俺は男友達と一緒に心霊スポットに向かっていた。

今では全く使われていないトンネル。

その中を無事に通り抜けられるかというゲームのような感覚で

俺達は車でそのトンネルを通る事にしたんだ。




『”なあ、本当にこのトンネルで過去の人に会えるって本当なのかな?“』

『それを調べるためにこのトンネルを通ることにしたんだろう!』

『オレ、めちゃめちゃ今震えてるよ。』

『”光太は霊感強いからな~ 幽霊も居るんじゃない!“』

『そう言えば? ここのトンネルを通った奴らが動画上げてたけど?

幽霊も見たらしいよ。』

『何々? 男の霊? 女の霊?』

『子供の幽霊らしい、しかも女の子を見たんだって!』

『・・・幾つぐらいの女の子?』

『10歳ぐらいじゃないの? ランドセル背負ってたらしいし。』

『黄色い帽子も被ってたって!』

『怖っ!?』

『見たくねぇ~見たくねぇ~!』

『オレだってそんなの見たくねぇーよ!』

『マジで霊感なくて良かったわ、怖くてちびってまう!』

『もう直ぐ、トンネルの出口に出るぞ!』

『良かった~! 幽霊の女の子は見なくて済んだみたいだな。』

『それはどうかな?』

『えぇ!? な、何ってるんだよ、ほらもう直ぐトンネルの出口、で、』

【ギャー――――――アアアア!】

『マジかよ! 今見たか? 居たよ、女の子、』

『黄色い帽子とランドセル背負って、こっち見てたじゃん!』

『マジ、一瞬だったけど無表情だったな、』

【ブルブル】

『どうした光太?』

『どうもあの女の子に憑りつかれたらしい。』

『はぁ!?』

『マジで、車止めろよ!』

『・・・い、いや、それが、ココ何処なんだよ!』

『えぇ!?』

『トンネルの入り口はこんな感じじゃなかったはすだけど、』

『”・・・なんか、この時代じゃないみたいだ。“』

『”今、何年?“』

『・・・えぇ!? 先まであった携帯がない?』

『俺もズボンのポケットに入れてあったはずなのに。』

『オレも、肩が急に楽になったよ。』

『あの女の子の霊が取れたのかな?』

『・・・だと思う。』

『しかし? ココ何処なんだろう?』

『あそこに人影が見えないか?』

『行ってみようぜ!』

『いや? 二手に別れよう、オレと光太はあの人影の人に話しかけて

くるから、お前ら二人は車の中で待っててくれ!』

『あぁ、分かった。』

『うん。』

『じゃあー光太、行こう。』

『うん!』





俺と秀平で、人影の方に向かったのだが、、、。

そこには誰も居ず、俺と秀平はまた車に戻る事したのだが、

車で待っているはずの二人が車の中に居ない!

”一体、何処に行ったのか?“

俺と秀平は二手に分かれて、二人を探す事にした。

ココでもまた俺は秀平と離れ離れになってしまう。

完全に俺は仲間とはぐれてしまったのだ!

俺は仕方なく、この世界の町並みをフラフラ歩きながら仲間を

探す事にした。



・・・でもそこに居たのは? 

俺と歳が変わらない女の子が目の前に居たんだ!




『”貴方は何処から来たの?“』

『”トンネルを出たら急にココに、“』

『トンネルなんかこの辺にはないわ、まさか? この時代の人じゃ

ないの?』

『えぇ!?』

『”見た目がこの時代の人じゃないみたいな服を着てるし!“』

『・・・・・・』

『いいわ! ウチに来なさい!』

『えぇ!? でもいいの?』

『仕方ないじゃない! これも縁なんだし、貴方を助けてあげるわ。』

『ありがとう!』






 *






・・・それから、もう月日がどれぐらい経ったのだろう?

あれから3カ月ぐらいは経ったんか?

”俺はもう元の時代には戻れないのかもしれないと思いはじめる。“

その代り俺は別のモノを手に入れる。

”彼女、由実を心から愛してしまったのだ!“




『いつか元の時代に戻る日が来るの?』

『”俺は元の時代にはもう戻らないよ、由実! キミがこの時代に居る

からだ!“』

『凄く嬉しんだけど、貴方はこの時代の人じゃないでしょ?』

『・・・・・・』

『”いつか逸れた貴方の仲間が貴方を迎えに来るわ!“』

『それでも俺はこの時代に残りたい。』

『嬉しい! でも無理よ、貴方は貴方の時代に戻って!』

『由実!』

『私だって貴方にずっとこの時代に残ってほしいわ、でもそれはやっぱり

ムリよ、貴方は自分の時代に戻らなくちゃいけないの!』

『・・・・・・』









 *







・・・数日後、今まで見つからなかった俺の仲間3人が俺を迎えに来る。



『光太、帰ろう。』

『・・・・・・』

『”3人は今まで何処に居たんだ?“』

『さあ、オレよくは分からないんだ、ただ知らないトコロで眠って

いたように感じる。』

『・・・おれも分かんない。』

『僕もそうだ!』

『”光太、光太の今の記憶も直ぐに消えてしまうかもしれない。“』

『えぇ!?』

『”オレはここに来る前は多分だが、ここでの記憶があったんだと思う。“』

『おれもだ! 薄っすらだが記憶が残っている。』

『僕も可愛い女の子に囲まれてた記憶が夢のように残っているよ。』

『光太!』

『由実!』

『”もう時間が来たみたい、元の時代に戻れるわ。“』

『何故それが分かるの?』

『”私のお母さんも私と同じ経験をした事があるの、まさか? 親子二代で

同じ経験をするなんてね。“』

『・・・そっか。』

『じゃあ、もう行って! 車で真っ直ぐこの道を走って行けばまた

あのトンネルが見えて来るわ、そのトンネルを抜ければまた戻の時代に

戻れると思う。』

『うん! 今までありがとう。』

『”光太、心から私は貴方を愛してる。“』

『俺もだ! 俺も由実を心から愛してるよ。』

『貴方の時代でもし私がまだ生きていたらその時また会いましょう。』

『うん! 元の時代に戻ったら必ず由実を探すよ。』

『うん。』

『じゃあ、またね! きっとまた会えるよ。』

『そうね、バイバイ!』

『ばいばい!』







・・・こうして俺は元の時代に戻れたのだが、

もう俺はあの時代の事やあんなに愛していた由実の事もすっかり

忘れていたんだ。



でも由実は俺が元の時代に戻って来てから見つけてくれたよ。

そして俺は彼女を完全に思い出したんだ!

”ただ由実はもうすっかりおばあちゃん“になっており俺から由実を

探す事は難しかったと思う。

”彼女が俺を見つけてくれなかったらこのまま一生! 彼女を俺は

見つけるどころか、記憶さえ戻らなかったと思うんだ。“




『”俺と結婚してくれないか由実?“』

『・・・でも? 私はすっかりおばあちゃんよ。』

『”愛に年齢は関係ない、俺は変らず由実、キミを愛しているんだ。“』

『”残りの僅かな時間を貴方と過ごすわ、でも籍は入れないし結婚もしない、

それでもいい?“』

『・・・ううん。』

『私はもうおばあちゃんだから、ただ貴方の傍に居れたらそれだけで

幸せなの。』

『うん。』






・・・俺が元の時代に戻って来てたった1年で彼女は亡くなってしまった。

それでも彼女は凄く俺と一緒に居れて幸せだったと言ってくれたよ。

彼女の顔は笑顔で眠ってるみたいだったな。

俺は彼女と出逢えて、本当に良かったと思っている。

”こんなに女性ひとを心から愛した事がないからだ!“

【ありがとう由実、俺はキミを心から愛せて本当に良かったと想っているんだ。】

 


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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