気まぐれ企画 異世界転移したら翼竜が飛んでいたので、美味しく頂きました。
お久しぶりでございます。
ちょっと、気まぐれに投稿してみました。
もしもシリーズ第一弾、異世界転移編です。
短いですが、こういうのもありではと、思います。
その日、夫婦は久しぶりに揃って非番だった。
一人息子も高校生になり、日祝でもないから、街も比較的すいているだろうと、二人は買い出しのために家を出、戸締りをした矢先、まばゆい光に包まれてしまったのだ。
「……」
「……久しぶりに、明確な邪魔が入ったね……」
全く見慣れない場所の地で、長身の旦那が目を見張り、空を仰ぐ横で、長身の女が冷静に感想を述べる。
結婚して以降、こういう邪魔が入ったのは十数年ぶりだ。
「一体、どこの命知らずだろう?」
「……」
優しく呟く女房の声に、旦那はつい苦笑しつつも周囲への警戒を怠らない。
訳の分からない場所に放り出されたことよりも、水入らずの時間を邪魔されたことに怒りを露わにする女は、そんな旦那に視線で注意を促した。
「トカゲがいる」
「え? トカゲ?」
言われてそちらに目を向けると、確かにトカゲらしきものがこちらを見下ろしていた。
今まで見たこともないくらい巨大な、とげとげした鱗を全身に纏った緑色のトカゲだ。
それが、巨大な翼を広げて羽ばたいてこちらに向かってくる。
「……ここ、日本じゃないですね」
「うん。それどころか、地球じゃない」
「もしかして、異世界という奴ですか? 本当に、こんな現象があったんですねえ」
「そうだね。蓮が言ってたこと、本当だったんだね」
今や弟分で甥っ子の男の話を思い出し、女がしみじみと頷いた時、巨大なトカゲはこちらに勢いよく突進してきた。
「おっと」
仲良く声を上げ、夫婦はその攻撃を避け、女の方が旦那に呼びかけた。
「エン、何処が弱点だと思う?」
「腹か、口か、肛門や生殖器ですね」
「分かった」
すぐに答えた男に頷いた女が、右手の拳で左手のひらを叩いたのを見て、エンと呼ばれた旦那は慌てた。
「ミヤ、腹は皮が分厚いかもしれません。オレがやりますから、見物しててください」
「何とか捌けそう?」
何なら、肛門か生殖器を攻撃して、弱らせる手もあるのだが、雅の問いにエンは穏やかに笑って見せた。
「固い鱗は、重なった部位に隙間ができるんですよ。魚の鱗を削ぐ感覚で、皮を剝がしてやりましょう」
「じゃあ、火を熾しておくね」
「はい、よろしくお願いします」
その日、その近くの村々に、尋常ではない悲鳴に似た鳴き声が響き渡った。
村々の代表が警戒しつつも森に入った先で、彼らは見た。
変わった服装を見に纏った、美しい黒髪の女性が焚火を大きくしている風景を背に、地面に伸びた翼竜の背に乗り、鱗を引っぺがしている、優しい顔立ちの黒髪の男の、衝撃的な姿を。
何だか、色々と仕様が変わっている模様ですが、基本は気まぐれに投稿できればと思っております。




