魔法使い
「黒井さん。君は一体」
「見ての通り。敵は始末したから冴子様が待つ場所に行く」
黒井さんが指をパチンと鳴らすと何かが崩れる音がした。今の音は結界ってやつが解けたのか?
「今壊したのが魔法結界。魔法結界がなければ魔法使いは実力発揮できない。ある程度の力は使える」
黒井さんは指から小さな氷をだす。夏とか便利そうだなその氷。
僕は黒井さんに連れて行かれたのは古い廃墟のような場所だった。
「あ、あれ?黒井さん。ここ廃墟」
「ちょっと待つ。今合言葉言うから」
黒井さんは廃墟に近づくと
「うるうるぷるぷる」
うるうるぷるぷる?何の合言葉それ?僕がそう思ってる間に黒井さんは僕を手招きして
「早くくる。中にはいれるから」
普通に入れると思うけど。なんか合言葉言うだけで変わるのかな?
僕はとりあえず黒井さんに続いて廃墟の中に入ると廃墟の中はめっちゃ綺麗だった。え?何これ?本当に何これ?
「やっときたね。愛香。お疲れ様」
「冴子様。この程度なんともありません」
廃墟の中で待っていた白いローブをきた人、ローブのフード部分をとって顔を出した人は冴子先輩だった。
「え?え?」
「怖いめにあわせてすまなかったね無村くん。私は本当は君を知っていたが学校じゃ接点のない君を知っているとなれば皆騒いでしまうからね」
え?僕のこと知ってくれてた?それは素直に嬉しいけどでも状況がのみこめない。
「まず私達のことを説明しようか。私達はね。君を守るためにきた魔法使いなんだ」
は、はぁ。魔法使い。そうは言われてもと思うかもだけど事実襲われたからな。
「魔法使いはいるってことはわかったけど何で僕が狙われるの?」
「そうだね。そこを説明した方がいいかな。君は魔法使いにとっては危険人物なんだ」
危険人物?何もしてないのに?なんで?
「君はまだそうはならないんだけど占いの魔女と呼ばれている方からのお告げでね。君はいずれ魔法使いという存在を脅かす存在になる。そう言われたんだ。ちなみに占いの魔女と呼ばれる魔女の占い率はほぼ確実に当たる。ハズレはないと考えた方がいい。だから魔法使い達が君を襲いに来るんだ」
占いの魔女のせいで僕狙われてるのか。こんな無害な平凡人間の僕が。
「これは君の親から聞いた方がいいかもだけど君の家族は魔法使いの家系だよ」
......え?
「な、なんか今よくわからないこと言われた気するんですけど。え?うちが魔法使いの家系?」
「そうそう。あなたの母親は魔法使いのビッグネーム。記憶の魔女と呼ばれていた方よ」
......もうキャパオーパーっす。脳がおいつかない。