魔法使いというバケモノ
冴子先輩を休ませるため僕はその日学校を休み、黒井さんは僕と少し話した後、家に帰った。
こういう穏やかな時間が続けばいいんだけどな。冴子先輩がうちにいてくれるのは嬉しい。こんな怪我をしている状態じゃなく普通に遊びにとかだったらもっと嬉しかった。僕のこと早く諦めてくれないかな。魔法使い達。
僕は冴子先輩を見ながらそう思っていると僕の家のインターホンが鳴る。ん?誰だろ。黒井さんかな?
僕は玄関に向かい、ドアを開けるとそこには顔半分、目元あたりに狐のお面をした白い服を着た人がいた。
「だ、誰ですか?」
「自分ですか?自分はあんたらを始末しに来た剣の魔法使いの弟子、フォグと言います。自分は正直がうりですので」
フォグと名乗ったやつは指をパチンっと鳴らすと僕の家とは別の空間、白い空間に転移する。これは、魔法結界か?
「自分は他の弟子と違ってこれくらいはできます」
フォグは僕に言った後背中に装備していた短剣を抜き、僕に攻撃してくる。僕は何とか避けたけどけっこうやばい。こいつギンジよりも攻撃がはやい。
「自分をギンジとは同じと思わないでほしい。ギンジは自分達の中では一番底辺的存在。それに比べて自分は弟子の中じゃ最強。弟子の中ではね」
フォグは両手の短剣で上手く攻撃しながら僕にいう。短剣の攻撃が早すぎて避けきれない!
「弱いな君。やはり魔力の心臓だけしか価値のない魔法使いというわけだ。さっさと貴様を殺してその心臓をもらいうける」
「そうは、させない!」
僕はわざと短剣を腹部に受けた後、片手でポケットにある氷の結晶に触れ、フォグに氷でつくった弾丸を放つ。
「これでも、くらって!」
「そんなものは当たらない」
フォグは僕の放った氷の弾丸を短剣で砕く。
「やることはやったか?ならもうおわらせる。自分は暇じゃないからな」
ここまで、なのかな。不用意にドアは、あけるもんじゃ、ないね。せっかく黒井さん達が守って、くれたの、に。あわせる顔がない、な。
「死ね」
「やらせない」
フォグが僕を刺そうとした瞬間、フォグに向けて何かがとぶ。あれ、は氷の、玉?
「おかしい。ここには来れないはず。この空間は自分の魔法結界。感知されない場所に配置したはず」
「残念。無村にはあるものを渡してある。それを使えば無村はどこにいるかわかる。この魔法結界の空間とか関係なく」
僕の家の中に空間をつくって、そこに転移させた、わけじゃなかった、のか。
黒井さんは僕に近づき僕の腹部に刺さった短剣を抜き、氷で傷をふさいだ。




