プロローグ
僕は無村 名雲。ごく平凡な普通の高校一年生だ。僕の住む町は双葉町という町で小さな町だがまぁまぁ人は賑わっている。僕の通う高校、普類高校は双葉町にあり、だいたい平均点、そして普通くらいの成績で誰でも行けるとは言わないけどまぁ普通くらいの成績とかなら受かると思う。僕はそんな高校で運動も普通、学業の成績も普通。そんな僕には好きな人がいる。同じ高校の高嶺の花と呼ばれている女性、三年生の木村 冴子先輩。見た目は黒く清楚な髪に引き締まった体。そしてとても整った顔をしている。
僕は今日もいつも通り高校に通っていると学校の入り口付近で冴子先輩とすれ違う。
「皆おはよう」
「冴子様!おはようございます!」
学校のみんなは冴子先輩を崇拝しており恋愛対象としては見ていない。逆に冴子先輩に告白しようものなら冴子先輩のことを崇拝している冴子様親衛隊とかいう冴子先輩を崇拝している集団が告白しようとする生徒を捕まえ、冴子先輩に相応しいか。それをテストされる。合格者は見たことないけど。
僕は冴子先輩の隣を通ると冴子先輩は僕を見た後
「君。ちょっと待ちたまえ」
......ん?今僕声をかけられた?
「え、えーと。僕ですか?」
「そうそう。君だよ。名前は何で言うのかな?」
何で名前を今聞かれてるんだろうか。嬉しいは嬉しいけど冴子様親衛隊に何がされそうで嫌だからな。今は断っておこう。すごく勿体無いけど。
「ご、ごめんなさい!名乗るほどのものじゃないんで!」
僕は冴子先輩に言った後、冴子先輩の近くにいた水色のショートヘアで目つきが鋭い子が僕の腕を掴んで、僕を睨みつける。
え、怖い。何で腕掴んでくるの!?
「冴子様が名前を聞いたら名前を言う。これ常識。断るダメ」
「愛香。ありがとう。でも無理強いは良くない。彼が名乗りたくないならいいさ。ただ」
冴子先輩が制服の胸ポケットからボールペンを取りだすと腰のポケットから小さな紙を取り出し、何かを書いた後
「この場所にお昼に来てくれないか?もちろん親衛隊達は来させないようにするから。来るのは私と愛香だけだ。だから必ず来てくれないかな?」
「わ、わかりました」
僕は紙を受けとった後、冴子先輩と僕の腕を掴んでいた水色髪の目つきが怖い女の子は僕の腕から手を離し学校の中に入っていく。
僕今日死んじゃうのかな?視線がかなり痛いし。物理的にじゃないよ?精神的にだよ?
僕は冴子先輩達が学校に入った後、僕も学園に入り、自分の教室に入った後、冴子先輩にもらった紙を開く。中身にはこう書いてあった。
「屋上にきてくれ」