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第55話 アウリンとの夜


 夜の(とばり)が静かに降り、リビングには、夕食を終えた仲間たちがくつろぐ温かな空気が満ちていた。


 だが、その中で一人だけ、落ち着かない様子を隠しきれない者がいる。


「アウリン」


 ユークが静かに声をかけると、アウリンは小さく肩を跳ねさせた。


「ひゃいっ……!」


 慌てたように振り向き、アウリンは上目遣いでユークを見つめた。


「な、なに……?」


 ユークは微笑みながら、そっと手を差し出す。


「そろそろ、部屋に行こうか。……俺の部屋に、一緒に」


 その言葉に、アウリンの顔が一瞬で真っ赤になる。

 逡巡(しゅんじゅん)の色を浮かべた後、彼女は小さく、それでもしっかりとうなずいた。


「……うん」


 普段は活発な彼女が見せる、珍しくしおらしい仕草に、ユークは胸の奥がざわめくのを感じる。

 それでも、努めて平静を装いながら、彼女の手をやさしく引いた。


 そんな階段を上がっていく二人ををヴィヴィアンとセリスが見送る。


「がんばれ〜」


「アウリンちゃん、うまくいくといいんだけど……」


 セリスはのんきに応援し、ヴィヴィアンは心配そうに見つめていた。



 ──ユークの部屋。


 ユークが扉を閉めると、静けさが密室に満ちる。


「アウリン。そこに座ってくれる?」


 ユークが自分のベッドを指差すと、アウリンはこくりとうなずき、緊張した面持ちで腰を下ろした。

 ベッドのきしむ音が、二人の間に微かな沈黙を生み出す。


(ここが……ユークの部屋……)


 初めて異性の部屋に入ったという実感に、胸がドキドキしているアウリン。 


「……アウリン、手、握ってもいい?」


 そっと差し出された手に、アウリンは戸惑いながらも、自分の手を重ねた。


「…………」

「…………」

 見つめ合ううちに、互いの頬がじわりと赤く染まっていく。


「……アウリン、触るよ……」

 ユークがアウリンに一歩近づき ゆっくりと服の上から彼女の胸に触れる。


「んっ❤」

 初めて異性に触れられる感覚に、アウリンは小さく声を漏らした。


「キス、するね……」

 そう(ささや)くと、ユークはアウリンに優しく唇を重ねる。


 ぎこちなくも愛おしさのこもったキスは、だんだんと激しくなっていく。


 互いの温もりを確かめ合いながら、ユークはアウリンの上着に手をかけ、丁寧に脱がせていった。


 やがて、アウリンは上半身を簡素なブラ一枚の姿にされてしまう。


「っ……」

 外気に肌が触れ、その冷たさにアウリンは思わず身を震わせた。


「かわいいよ、アウリン……」

 ユークはそっとブラをずらすと、(いと)おしむように彼女の胸の突起を舌で 丹念(たんねん)に転がしていく。


「んっ……あ……」

 くすぐったさと甘いしびれに、アウリンの体は自然に反応してしまう。


 ユークの指が、アウリンの身体のあちこちを丁寧にまさぐっていくと。


 アウリンの肌が汗ばみ、少しずつ呼吸が荒くなっていく。


 そして、ユークの指先がゆっくりと彼女のへそに触れたとき――


「ひゃんっ!」

 アウリンは思わず可愛らしい声を上げてしまった。


「あっ! ま、まって……そこは……」

 そのまま、ユークはズボンの(すそ)に指をかけ、丁寧に脱がせていく。


「凄くエッチだよ……アウリン……」

 上下共に下着姿になり、恥ずかしそうにしているアウリンを、彼は優しく見つめながら言った。


 そして、太ももに指を滑らせる。


「な、なんでそんなに上手いのよっ……」

 顔を赤くして抗議するアウリンに、ユークは少し照れくさそうに笑った。


「頑張って、勉強したから……」

 誰の体で学んだのか、それは言葉にする必要はなかった。


 アウリンの胸が、少しだけチクリと痛む。


「アウリン……」

 そんな彼女の心の動きを察してか、ユークは再び彼女を抱きしめて強引に唇を奪った。


「んっ……!」

 舌と舌が絡み合い、お互いの唾液が混ざり合う。


 片腕でしっかりと抱き寄せながら、空いた方の手で慎重に、だが愛情を込めてながらアウリンの性感帯を刺激していく。


「やぁんっ❤ あっ……❤」


 彼女の秘部を避けるようにして性感帯を刺激され、快楽を求めて淫らな園が蜜で濡れる。

 イけそうでイけないもどかしさに、アウリンは切なそうに、太ももを(こす)り合わせた。


「……ねえ? ユーク……」

 (うる)んだ瞳で見上げながら、アウリンが(ささや)く。


「……なに?」

 ユークが優しく応じる。


「どうして……触れてくれないの……?」


「どこを……?」

 ユークが優しく問いかける。


「は、へっ?」

 アウリンがすっとんきょうな声を上げた。


「どこに触れてほしいのか、ちゃんと言ってごらん?」

 ユークは愛撫(あいぶ)を続けながら、もう一度優しく促す。


「……ぁそこを……」


「ん? なに?」


「わ、私の……アソコに、触れてほしいのっ!」

 アウリンが顔を真っ赤にしながら叫んだ瞬間、ユークの指がそっとアウリンの秘められた急所に移動する。


「あっ❤ んんっっ~~~~~~っっ!!!!」

 背すじに痺れるような快楽の波が走り抜けていく。


 アウリンはその暴力的なまでの快楽に、背筋を仰け反らせながら達してしまう。


 恍惚の表情を浮かべながら彼女の四肢から力が抜けていく。


「アウリン……愛してるよ……」


 そういって、口づけをしながら舌を絡ませてくるユークを、抵抗する力を奪われてしまったアウリンは、無抵抗で受け入れるしか無かった。



◆◆◆


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ユーク(LV.20)

性別:男

ジョブ:強化術士

スキル:リインフォース(パーティーメンバー全員の全能力を10%アップ)

備考:とにかく、気持ちよくなって貰わないと!

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

セリス(LV.20)

性別:女

ジョブ:槍術士

スキル:槍の才(槍の基本技術を習得し、槍の才能をわずかに向上させる)

備考:調子に乗って手ほどきをしていったら手に負えなくなった。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

アウリン(LV.20)

性別:女

ジョブ:炎術士

スキル:炎威力上昇(炎熱系魔法の威力をわずかに向上させる)

備考:ユークにこんな一面があったなんて……

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ヴィヴィアン(LV.20)

性別:女

ジョブ:騎士

スキル:騎士の才(剣と盾の才能を向上させる)

備考:漏れ聞こえる声がヤバげなんだけど本当に大丈夫?

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